#ベストソング2017上半期編

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毎年恒例の #ベストソング2017 の上半期編です!歳を重ねる毎に聞く幅が広がって、半期なのに既に結構な数を選べるようになってきました。今回の選考基準は1/1~5/31までにCDがリリースされた or YouTubeや配信などで音源がフル尺で公開されたものの中から選びました。...のため、例えばYouTubeでフル尺MV公開されたのは16年内だけど、音源が2017年に入ってからリリースされた、みたいな曲もランクインします。むしろそういう曲が多数かもです。また、CMやテレビ、ラジオででオンエア解禁されていても音源のリリースが無かったり、YouTubeや配信で「フル尺」で公開されてない様なものは選考対象から外してます。そのへんご了承ください。20曲を厳選し、ランキング形式にしてみました。でも全ての曲が最高です。桑田佳祐風に言うならば「全ての曲が1位」なのです。

兎にも角にも!やっていきましょう!20位からカウントダウ~ン!!!

絶対彼氏以上 アシュラシンドローム

打首獄門同好会ファンなら知らない人はいないであろうバンド、アシュラシンドローム。5月にリリースされたアルバムに収録されている1曲。イントロの他国籍感漂うギターリフは今までの彼らの楽曲からは想像できないものだ。極めてロックなサウンドだが、サビで視界が開けるようにメロがよくなるのもGood。

ヒカリノアトリエ Mr.Children

昨年は全国のホールを回り続け、今年は新しいホールツアーを行いながらもONE OK ROCKのライブにゲストで出演したり、スガシカオのフェスに出演したりとライブ活動を精力的に行っているミスチル。1月にリリースされた今作はNHK朝ドラ「べっぴんさん」の主題歌。特に僕がこの曲が魅力的だと思うところがイントロで。ミスチルっぽさが全くない、スゴク新鮮な音が鳴ってる。なんかもうめちゃくちゃフレッシュ。「REFLECTION」で小林武史と離れ、ホールツアーで旅を共にした戦友と鳴らすサウンドはどこまでも瑞々しく、デビュー25周年とは到底思えない音が鳴ってる。夏には大規模なスタジアムツアーも控えているMr.Children。やっぱり化け物バンドだなと改めて思わされた。

⑱フェスだして バックドロップシンデレラ

日本にすっかり定着したフェス。でもそれはミュージシャンにとっていいことばかりではなく、フェスに出ないバンドやミュージシャンは流行から置いてかれるような風潮もある。この曲はフェス批判をするような曲ではなく(バクシンだっていろいろなフェス出てるし)とにかくフェスに出ていろんな人に自分たちの曲を聞いて欲しい、ライブを見て欲しいという気持ちが爆発した結果がこの楽曲に繋がったんだと思う。バクシンならではのロックサウンドがとても良い。

⑰KATOKU レキシ

80年代っぽさ…っていうか80年代サザンオールスターズ感のある(俺だけかな?)ロックテイストな1曲。もう正直「世襲制」と「What's you say?」の韻の踏み方だけで満点あげたくなるような曲なんだけど、それ以上にサビの圧倒的なポップが癖になる。イントロの段階では感じなかったキラキラがサビでぶち上ってくる感覚。「SHIKIBU」も「きらきら武士」もそうだけど、レキシはどこまでもポップだから何度でも聞けるし、飽きないし、めちゃくちゃハマれてしまう。MVのしょうもなさも注目ポイント。

⑯原宿いやほい きゃりーぱみゅぱみゅ

2017年の中田ヤスタカ作品群はとりわけ「東京」を意識した楽曲が多いなと思う。Perfume「TOKYO GIRL」にしても、この「原宿いやほい」にしても現代の東京の在り方を豊かに描ききっている。それはまあ言ってしまえば2020年に控えた東京五輪だとか、それに付随するリオ五輪閉会式でのパフォーマンスだとかを踏まえての、ということなのだろうが、きゃりーやPerfumeという世界レベルで成功を収めている者達、言わば現代日本のポップアイコンが「東京」を歌うことに物凄い意義とか価値があるように思う。サビで歌詞を入れない攻めのスタイルやテクノの真髄をここぞとばかりに詰め込んだようなサウンドには昨年のPerfumeのアルバム「COSMIC EXPLORER」収録の「Miracle Worker」を彷彿とさせる。今までは独自の路線でポップスを突き詰めていたきゃりーに極めてテクノポップらしい楽曲を提供した中田ヤスタカに驚かされると共に、それを完全に自分のモノにしているきゃりーの今後にも期待してしまう。

⑮不協和音 欅坂46

昨年「サイレントマジョリティー」で大ブレイクした欅坂。今作は90年代打ち込みサウンドに「サイレントマジョリティー」をさらにレベルアップさせたような激しい歌詞が乗っかる。「サイマジョ」もそうだったけど、社会の流れはどんどん良くない方良くない方に行くのに対してこういう刺激的な歌詞の楽曲って年々少なくなっているなぁと思っていて、だからこそ刺激的で未来を見据える歌詞だった「サイマジョ」、そして欅坂はウケたと思うし、「不協和音」もまた、名曲になりえたのだと思う。僕を含めた沢山の若者に聞いてほしい楽曲だ。

⑭洗脳 RADWIMPS

昨年の「君の名は。」による国民的大ヒットも記憶に新しいRADWIMPSサウンドトラック「君の名は。」、そしてアルバム「人間開花」を引っ提げて行われたツアーの直後に発売されたシングルは「サイハテアイニ」という昨年からの流れを汲んだポジティブな楽曲と「洗脳」という「アルコトロニーの定理」や「絶体絶命」に代表されるネガティブさを極限まで煮詰めたみたいな楽曲の両A面でリリースされた。昨年の大ヒットはRADの「陽」の部分によるもので、そのイメージが固定されてしまうことを避けてこういう曲がリリースされたのだろうが、個人的にはこういうクッソ陰湿な曲こそRADだと思っている。途中の野田洋次郎の語りなんか厨二臭さ全開なんだけど、でもスゴク本質を突いた歌詞だと思う。

⑬カゲロウ ЯeaL

大阪発ティーンズガールズバンドの3rdシングル。アニメ「銀魂.」OPテーマに大抜擢された今作。僕自身「銀魂.」のファンなのでアニメを見るたびにこの曲を聴いていたのだが、特に現在の「銀魂.」のモードにぴったりな作風でOPにとてもマッチしていた。

消えない 消えない あの日のカゲロウ 胸の奥に花咲かせた

見えない 見えない 明るい明日 この気持ちどうしたらいい?

物語も極めて大詰めの「銀魂.」、過去の師匠と対峙する銀時や寺子屋のメンバーってところが特に今季の物語の核を担っていて、そういう物語とものすごくリンクした歌詞でOPの度に物凄く惹きつけられた。ボーカルのRyokoの声も、「銀魂.」の神楽と似てたりするし、「銀魂」無しにしてもめちゃくちゃ攻めたロックサウンドで全然ガルバンっぽくないところもスゴク良い。これからがとても気になるバンド。

⑫TOKYO VAMPIRE HOTEL tricot

tricotの十八番である変拍子サウンドは少し鳴りを潜め、爆発しそうなギターサウンドとサポートドラマー吉田雄介の芯のあるドラム、中嶋イッキュウの美しい歌声が絶妙に混ぜ合わさった1曲。歌詞も哲学的で考える余白を与えてくれている。理論ではなく体感や感情で突っ走っているような楽曲がとても素敵。

⑪ヤバみ ヤバイTシャツ屋さん

飛ぶ鳥を落とす勢いのヤバT、メジャーデビューしてから初のシングルは自らがおかれている立場や現在の音楽シーンを極めて俯瞰的に見つめた歌詞。

「歌詞に意味がないと! 説得力がない!」
もうそんな時代じゃない!?
「理解できないものばっかり流行っていく!!!」
いつまで置いていかれちゃってんの

「歌詞には意味は~」とか「説得力が~」とか「理解できないものばかり流行る~」というのは音楽の多様性を損なってしまうような言葉で、ヤバTもこういうこと散々言われてきた人たちだと思う。

日本語の乱れがどうたらこうたら
言うけどいつの時代でもおんなし
ふいんき良ければそれで
全然大丈夫だからまぢウケんね
偏差値が20ぐらい下がってく
音楽で頭空っぽにして
1番のサビで覚えた感じで
みんなで一緒に歌ってね

日本語の乱れがどうとかこうとか、なんて結局どの時代だって言われているもので、今や国民的バンドのサザンだってデビュー当時は日本語がどうこう言われていた側のバンドだった。「日本語の乱れが云々」という文言は自分が受け入れられないものを批判するための常套句なのだ。言葉とは時代によって変化していくものなのだ。そんな批判にヤバTは屈しないで欲しいし、彼らはやりたいようにやることが面白いんだからやりたいようにやり続けて欲しい。

⑩シアワセ林檎 ゲスの極み乙女。

本来なら昨年12月にリリースが予定されていた「達磨林檎」より。イントロのキーボードの音はポップなようでどこか陰を感じ、恐らくはこの1年間で川谷絵音が感じたすべてが詰め込まれているような歌詞に物凄いリアリティを感じる。

プラスのビートで歌うこと

それ以外に無いって知ってる

意味の無い嘘取り繕って

マイナスになることも知ってる

結果論で世は論じてる

斜め感で舌を出している

そんなつもりは無い そんなつもりは無い

このAメロなんか物凄い。完全に世の中に対してブチ切れてる感じがしてる。音楽家は自分がしてきた経験を音楽に還元してナンボだと思うし、川谷絵音は本当にそういう人なんだろうってのが良くわかる。まもなく発売されるindigo la Endのアルバムもめちゃくちゃ楽しみだ。

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⑨TOKYO GIRL Perfume

ドラマ 「東京タラレバ娘」主題歌。上記した通り、世界的な成功を収めている彼女達が「東京」について歌う、という所がとてもイイなと思わされる。

たくさんのモノが行き交う街で

何気なく見ている風景に

なにかもの足りない特別な

未来を指差して求めてる

何も考えずに暮らし続けることは簡単で、流れにだけ乗ってそれだけで満足してしまう方がいいこともあるだろう。けれど、満たされなさとか自分の夢を持つことで、何か未来に希望が持てればと願うこの歌詞に酷くドキマギとしてしまう。「ポリリズム」の頃とは明らかに違う、大人のPerfumeであり大人ならではの視点だと思う。

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⑧流動体について 小沢健二

小沢健二が新譜を出す」。オザケン世代ではない僕でもこの事象が如何に日本の音楽業界にとって衝撃的なことなのかは想像に容易かった。殆どゲリラ的(と言ってもネットではリリース前から結構話題になっていた気がするが)な販売方法は昨年のHi-STANDARD「ANOTHER STARTING LIFE」を彷彿とさせ、大ベテラン勢の活躍に改めて感服させられる。「平行世界」をテーマに作られた今作は2017年現在の様々なコンテンツ(「君の名は。」や「シン・ゴジラ」も平行世界が関わってくる映画だった)にも通じるもので、「もし~だったら」という過程、あるいは妄想というのは人間誰しもやりがちな行為で、「未来にも、現在にも、そして過去にも可能性が秘められている」ということでもある。小沢健二は2017年という「世界」を極めて俯瞰して見ているのだろうと思ったり。

⑦歯痛くて feat. DR.COYASS 打首獄門同好会

 来年には日本武道館での公演が決定している打首獄門同好会。「歯痛くて」はラッパー兼歯科医師のDR.COYASSをゲストに迎え、「歯」に関する怒涛のリリック(歯石と奇跡の韻とかめちゃいい)と重厚なラウドロックサウンド。とはいえラウド一辺倒ではないのが打首らしくて

気がついてみりゃ口の中 奥歯に穴 開いてるけど

痛くもないし虫歯じゃない たぶん詰め物 取れただけ

というAメロは物凄く日本らしいメロディだし、サビもなんなら感動してしまうようなメロディと歌詞(会いたくてと歯痛くてとかもめっちゃいい)だ。ラウドロックという枠からはみ出し、様々なチャレンジを続ける打首獄門同好会から目が離せない。

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⑥Natural Lips 岡崎体育

「日本語詞を英語っぽく歌う」ということは桑田佳祐岡村靖幸が散々してきたことではあるんだけど、それをこんな使い方で表現してしまうのが物凄く岡崎体育らしい。桑田イズムや岡村イズムを着実に感じさせるくらいモノにしつつも、キチンと自分らしさも盛り込んでいる。ニューアルバムにも期待したい。

⑤イト クリープハイプ

映画「帝一の國」主題歌。昨年のアルバム「世界観」で掴み、作品集「もうすぐ着くから待っててね」で発展させた「自分たちが鳴らさない音」をフルに展開させた今作はクリープハイプ史上でも類を見ないポップさに仕上がっている。イントロから鳴らされる管楽器は今までのクリープハイプからは到底考えられなかったし、イントロ~Aメロ~サビに至る「動→静→動」に感情を揺さぶられる。何より自分を操り人形に喩え、運命という名の「糸」に翻弄されのではなく自分の脚で立ち、未来を自分の手で切り開こうとする歌詞に涙が溢れてくる。

④地獄タクシー 吉澤嘉代子

 吉澤嘉代子の3rdアルバム「屋根裏獣」からの1曲。吉澤嘉代子独特の不条理な世界観×サスペンスな歌詞と、椎名林檎を彷彿とさせるような圧倒的な歌唱にグイグイと惹き込まれる。緊迫した歌詞のはずなのに、「支度しい!」とか「今行くし!」みたいなフレーズが出てくるところに吉澤嘉代子らしい茶目っ気を感じるし、なんなら「貴女、もう地獄に落ちてますよ」に対する「え」というたった一文字に(ある種の)コメディアンヌとしての吉澤嘉代子を物凄く感じてしまう。

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③S!NG 里咲りさ

1曲の中で曲調がめくりめく様はまさに7変化。ジャンルとか性別とかもうどうでもいいから1人でも多くの人に届け!!!!!っていう彼女の本気を聴くたびに感じてしまう。音楽を心から愛していて、一人でも多くの人にそれを届けたい!と思っていないとこんな作品は作れないだろう。岡崎体育「MUSIC VIDEO」に似ている、とも思われそうだが、音楽そのものでこれをやり遂げてしまうのが何よりこの曲の凄み。ひとりでも多くの音楽好きに届いて欲しい1曲。

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②A.G.I.T. Suchmos

昨年の「STAY TUNE」で爆発的ブレイクを果たしたSuchmosの1曲。攻撃的なギターリフとムード溢れるメロディ。「STAY TUNE」とも、それまでの楽曲とも違う。でも間違いなくSuchmosにしか作り出せないであろう楽曲がこの「A.G.I.T.」ではないだろうか。今年1番のバンドのひとつがSuchmosなのは誰もが認めるところではないだろうか。

①すべては君のせいで Base Ball Bear

 3人体制になってから初めてのオリジナルアルバム「光源」の1曲。絶望の淵に立たされた少年の視界が、一人の少女によって煌めく瞬間が描かれる。紛れもなく小出祐介自身の経験が元になっている歌詞だ。「恋をすると世界が輝く」を地で行く歌詞で、どんなラブソングよりもキラキラしてる。聞いてるこちらまで世界が輝いて見える。世界は美しい、なんて思ってもない言葉まで頭を駆け巡る。恋する素敵さや美しさ、そして世界の輝き。そんなものを「青春」という器を通し、シンセサイザーを取り入れつつもBase Ball Bearらしさを全く失わずに表現した。Base Ball Bearの2度目の青春のスタートを切る、鮮やかでフレッシュな楽曲だ。

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というわけで、改めてランキングを。

①すべては君のせいで Base Ball Bear
②A.G.I.T. Suchmos
③S!NG 里咲りさ
④地獄タクシー 吉澤嘉代子
⑤イト クリープハイプ
⑥Natural Lips 岡崎体育
⑦歯痛くて feat. DR.COYASS 打首獄門同好会
⑧流動体について 小沢健二
⑨TOKYO GIRL Perfume
⑩シアワセ林檎 ゲスの極み乙女。
⑪ヤバみ ヤバイTシャツ屋さん
⑫TOKYO VAMPIRE HOTEL tricot
⑬カゲロウ ЯeaL
⑭洗脳 RADWIMPS
⑮不協和音 欅坂46
⑯原宿いやほい きゃりーぱみゅぱみゅ
⑰KATOKU レキシ
⑱フェスだして バックドロップシンデレラ
ヒカリノアトリエ Mr.Children
絶対彼氏以上 アシュラシンドローム

 

如何でしたでしょうか?貴方がこの記事で初めて知った曲も、そうでない曲も、聞いて欲しいものばかりです。このランキングのYouTubeの再生リストを作ってみました。是非よろしくお願いしますー!

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