Base Ball Bear 「Tour LIVE IN LIVE ~17才から17年やってますツアー~」を静岡UMBERで観た

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Base Ball Bearのライブツアー「Tour LIVE IN LIVE ~17才から17年やってますツアー~」静岡UMBER公演に参加してきました。

ナンバーガールが居ない17年

『17年バンドを続けていれば、ナンバーガールも再結成する』

奇しくも、静岡公演の前日に発表されたロックバンド・ナンバーガールの再結成。彼らはナンバーガールに憧れ、ナンバーガールをひとつのキッカケとして17年前、2001年11月11日にBase Ball Bearを結成した。時をほぼ同じくして、ナンバーガールは解散。彼らはナンバーガールが居ない17年間、幾度となく大きな壁を乗り越え続け、昨年の11月にバンドにとって縁の深い「17」周年を迎えた。Base Ball Bearにとって特別な意味を持つ「17」という数字。バンドメンバーが17才の頃にバンド結成。そして出世作となったアルバムタイトルは「十七歳」。甘酸っぱい檸檬のような感覚と、思春期特有のザワザワした思いを煌めくようなギターポップに昇華したこのアルバムは、その後の彼らの方向性やバンドのイメージを決定つけた作品だ。17周年を記念する今回のツアーは、そんな出世作「十七歳」と最新EP「ポラリス」を中心に構成されたセットリストで展開される。

4人時代の聞き馴染んだ曲も、3人で演奏するとこんな風に再構築されるのか、という驚きと、時にシャープに、時に猛々しい演奏を魅せる3人はまさしくどこまでも今を走り抜けるロックバンドだった。学生時代によく聞いていた「十七歳」の楽曲を、いま改めてライブでじっくりと聞く経験というのはノスタルジーに当てられてしまって無条件に心を揺り動かされてしまう。あの頃の匂い、景色。そういうものまですべて頭の中で溢れてしまうような曲の連打にドキドキしっぱなしの2時間。なにより、最新作である「ポラリス」収録の4曲は今までのBase Ball BearとこれからのBase Ball Bearを随所に感じさせ、郷愁と新しい日々という相反する思いが同時に去来する様だった。

 

ライブ中盤、Vo/Gt の小出がMCでナンバーガールに触れながら「ロックバンド」について話していた。

 

 

17年バンドを続けていればナンバーガールも復活しますよね…。
ナンバーガールが解散したから若い世代で切磋琢磨して今の日本のロックシーンが或るんだと思います。ナンバーガールが解散せずに活動していたら全く違うロックシーンになっていたかもしれない。4つ打ちとか無かったかもしれない。
その穴を埋めるように、俺たちもなんとかやって来れた。
これからは、ナンバーガールが復活して、彼らに殺されないように頑張らないとなって思う。

17年経ったらそういうことも起きるくらいに時間が経ってるということです。
そういう中でバンドが17年を迎えられて本当にありがたいことだと改めて感じました。
ロックバンドのファンのみなさん、ありがとうございました!

 

 

そう言って彼は、EP「ポラリス」の表題曲であり、これまでのベボベらしさを纏いながらもまたひとつ新たな挑戦をした「ポラリス」を歌いだした。

ギタードラムベース 輝くフレーズ

結んだ先にポラリス

17年前、まるでナンバーガールの影を追うようにロックシーンという荒波に漕ぎ出し、17年間ナンバーガールの穴を埋めるようにシーンを駆け抜けてきたBase Ball Bear。その間には、自分の青春時代を憎むことも、心の壁にぶち当たる事も、バンドメンバー同士が喧嘩することも、シーンに変革をもたらそうと果敢に挑んだことも、盟友との別れもあった。きっと彼らにとってナンバーガールの居ないこの17年は、相当濃いものだったはずだ。近年、ライブ中のベボベの3人は表情がとても豊かになった。他の誰でもない、きっと彼らが誰よりもライブを楽しんでいるからこその表情だろう。バンドそのものが「十七歳」を迎え、胸いっぱいの2周目の青春を笑顔でキラキラと駆け抜けている何よりの証だ。

ロックバンドは、そのファンは最高にカッコいい。改めてそう思えた一夜だった。

 

ココからは余談として。

 今回のライブ、件のナンバガのMCの際、こんなことがありました。おめでとうは違いましたね。内容はともかく、リアクションしてもらえたのは嬉しかったな。小出さん、ありがとうございました!

ポラリス

ポラリス