#ベストアルバム2016

2016年も残り僅か。2016年邦楽の総決算として、前回のベストソング2016に引き続き、ベストアルバム2016を発表します。

ベストアルバムは10作品。

⑩「SMAP 25 YEARS」SMAP

今年いっぱいでの解散が決定しているSMAP。解散前最後のTV出演も既に終わっているのにも関わらず、未だにSMAPが解散するという事実を受け入れ難いというか、本当に解散するの?と疑心暗鬼になってしまう。それくらい彼らは僕たちの生活に当たり前に存在していた。それこそ生まれた時から在ったものだったのだから、そりゃ受け入れ難いのは当然と言えば当然なのだが。彼らの25年を総括したこの作品、流石の3枚組重量級の出来。日本の社会に当然のように根付いていた色んな曲がCD3枚に散りばめられる様はやはり圧巻だが、それ以上に「ファン投票」で収録曲が決定したからこその「レア曲」や「世間には知られてない名曲」が多く収録されているのがこの作品最大のポイントではないだろうか。「STAY」「BEST FRIEND」「FIVE RESPECT」。いずれも曲としての良さもさながら、今回の騒動を経て聞くと益々泣けてしまうのは僕だけではないだろう。

smap25years.com

⑨「君の名は。RADWIMPS

2016年最大のヒット映画「君の名は。」は、劇中で使われる音楽をRADWIMPSが担当。このアルバムはRADWIMPSのアルバムではなくあくまでも映画「君の名は。」のサウンドトラックとしてリリースされた。主題歌4作(「夢灯籠前前前世スパークル、なんでもないや」)もさながら、インストの出来も非常に良い。RADWIMPSとしてではなく、あくまでも「君の名は。」という作品に寄り添うような曲で占められている。ピアノやバイオリン・アコギがフューチャーされたインストは、ロックバンドの作品とは思えないようなものばかりで、映画音楽としてだけではなく、僕たちの生活のなかにもしっかりとマッチしそうな作風な点がとても素敵だなと思う。


「君の名は。」予告

⑧「世界観」クリープハイプ

今までのクリープハイプから抜け出し、新しいことに積極的に挑戦し、またその結果が如実に表れたのがこの「世界観」という作品なのではないだろうか。何故、尾崎世界観は自らの名前をこの作品に込めたのか。それはきっと変わり続けることこそ、進化をし続けることこそが自分であり、それをこの作品を以って体現したからだろう。次の作品が楽しみで仕方がない。

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クリープハイプ - 4th ALBUM「世界観」全曲トレーラー映像

⑦「YELLOW DANCER」星野源

ソウルやR&Bなどのブラックミュージックの要素をポップスに昇華したこの作品は、2016年初頭の邦楽界に革命的な衝撃を与えたのは間違いない。「地獄でなぜ悪い」「SUN」などのシングルヒット曲もさながら、「時よ」「Week End」「ミスユー」などのアルバム曲も全部キャッチー。その癖ブラックミュージック的な要素もあって一筋縄ではいかない。現代におけるTOP OF THE POPS桑田佳祐なら、彼こそ未来のポップススターではないだろうか。「恋」のヒットも記憶に新しい。次作は間違いなく傑作になる事だろう。

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⑥「COSMIC EXPLORERPerfume

前作「LEVEL 3」から早3年。Perfumeがアニバーサリーイヤーを超えてドロップした作品は、途轍もなくコンセプチュアルな、まさに「世界規模」「宇宙クラス」な作品だった。既にリリースされていたシングル曲以上に、披露はしていたモノの音源としては今回初収録となった「STORY」や映画主題歌となった「FLASH」、「Miracle Worker」などのアルバム曲の破壊力たるや。凄まじいことこの上ない。シングル曲もアルバム用にリミックスされたものばかりで、アルバムの世界観がより強固になっている。フィナーレとも呼びたくなる「Hold Your Hand」でのフィニッシュは涙なしでは聞けない。


[MV] Perfume 「FLASH」

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⑤「We love Tank-top」ヤバイTシャツ屋さん

1曲目の「We love Tank-top」の『演出』に大いに笑い、ラス前の「流行りのバンドのボーカルの男みんな声高い」でホロリとし、「ネコ飼いたい」で圧倒的なエモーショナルに包まれる。まさかヤバTに泣かされるとは思っていなかった。その理由はひとえに構造の巧みさだろう。笑いと感動は紙一重だ。次はどんなアクションを起こしてくれるのか。楽しみで仕方がない。

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④「藍色ミュージック」 indigo la End

indigo la Endは一貫して「恋愛における喪失の切なさ」を歌い続けてきたバンドだった。そこに加えてメジャー1stアルバムの「幸せが溢れたら」以降のindigoはそれに加えて「命の刹那さ」も歌ってきた。今回の「藍色ミュージック」はその要素がより強くなったように感じる。「ココロネ」「インディゴラブストーリー」などはまさに「生命の儚さ」を歌う楽曲だろう。indigo la Endというバンドが持つ切なさと相まって、よりいっそう儚さが増幅される。


indigo la End - 愛の逆流

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 ③「人間開花」 RAWIMPS

ドラマーの休養、「君の名は。」という作品との出会いを経たRADWIMPSが放ったのは圧倒的な明るさを宿した、RAD史上No.1にポジティブなアルバムだ。「前前前世」「スパークル」などの「君の名は。」の楽曲もアルバム仕様になって収録されているが、「光」「ヒトボシ」などのアルバム収録曲も圧倒的な感動を与えてくれる。勿論、明るさだけではなく、RADらしい鬱蒼さは秘めてはいるが、決して表立って出ては来ない。RADWIMPSからこんなポジティブな作品が出てくるとは思ってもみなかった。光に突き進むかのようなアルバム。


人間開花 ダイジェスト

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 ②「幸福」岡村靖幸

岡村靖幸12年ぶりのアルバムは「幸福」。まさにその名の通り、どこまでも幸福を感じさせるアルバムだ。幸せとは何か、幸福とは何か。それを見事にポップスに昇華した見事なアルバムだろう。一切の隙がない。


岡村靖幸 w 小出祐介「愛はおしゃれじゃない」

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①「Fantōme」宇多田ヒカル

宇多田ヒカルが復活する。その事実だけで「事件」なのに、配信シングルを出して、アルバムを出して、そのすべてが傑作。こんなことは他にないだろう。母親の死、自らの出産を越え、自分自身が母親になり、その全てを作品に還元することで、誰もが避けて通れない「生」と「死」が音楽になる瞬間。どこまでも内向的なのに、どこまでも壮大。


宇多田ヒカル「花束を君に」(Short Version)


宇多田ヒカル「二時間だけのバカンス featuring 椎名林檎」(Short Version)

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以下、アルバムまとめ

①「Fantōme」宇多田ヒカル

②「幸福」岡村靖幸

③「人間開花RADWIMPS

④「藍色ミュージック」indigo la End

⑤「We love Tank-top」ヤバイTシャツ屋さん

⑥「COSMIC EXPLORERPerfume

⑦「YELLOW DANCER」星野源

⑧「世界観」クリープハイプ

⑨「君の名は。RADWIMPS

⑩「SMAP 25 YEARS」SMAP

 

今年はアルバムも本当に良い作品ばかりでしたが、やはり宇多田ヒカルが圧倒的。素晴らしすぎた。何度でも聞きたくなるアルバムでした。