#ベストソング2016

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12月も半ばです。早いモノですね。今年もまた沢山の音楽を聴き、感じることが出来ました。毎年恒例のベストソング。今年も僕の独断と偏見で20曲+αをランキングしてみました。良ければお付き合いください。

20.「両成敗でいいじゃない」ゲスの極み乙女。

今年は何かと話題に事欠かさなかったゲスの極み乙女。不倫騒動と未成年飲酒騒動のダブルパンチで世間からは袋叩き。挙句12月4日のライブを以っての活動自粛が発表されている彼ら。丁度不倫騒動が表沙汰になった1月頃にこの曲はアルバムのリードトラックとしてリリースされた。その歌詞がやけに不倫騒動を彷彿とさせ、聞いた者の皆をドキッとさせたのではないだろうか。シンセサイザーの浮遊感のあるサウンドからの唸るようなギター。イントロだけでもゾクゾクとさせるような展開だ。既に新曲のMVも発表されていた彼らの活動自粛は残念だが、活動再開とリリースされるはずだったアルバムの再リリースを心待ちにしたい。


ゲスの極み乙女。 - 両成敗でいいじゃない

19.「ハルジオンが咲く頃乃木坂46

乃木坂46が3月にリリースした14枚目のシングル。明るさの中にある切なさは情緒すら感じさせる。「別れ」とは切なさや悲しみという感情を抱かせる瞬間だが、そこにあるのは未来への確かな希望。ハルジオンの花言葉は「追想の愛」。「過ぎた日のことを思い出す」という意味のその言葉はまさしくこの曲に込められたメッセージだろう。「今、話したい誰かがいる」「君の名は希望」といった彼女達の代表曲に勝るとも劣らない曲になっただろう。彼女たちにはこういう曲が似合う。


乃木坂46 『ハルジオンが咲く頃』Short Ver.

18.「さらば涙」ケツメイシ

その名の通り、涙を越えて幸せへと向かう人への応援歌。今までのケツメイシを総括しつつも、確かな未来を感じさせる喜びに溢れた曲だ。Ryojiの歌声は儚くもあり、温かさをも感じさせる。

「いつか泣いた数だけ幸せになる」

「まあ 生きてりゃいろいろあるからさ 上向いていこうか明日からは」

ド直球の応援歌、というのはどうも好きになれない僕だけど、この曲はスッと心に入り込んできた。

ミュージックビデオの鈴木ちなみも可愛い。


ケツメイシ / さらば涙 MV

17.「Feel like」[Alexandros]

 アルバム「EXIST!」からのリードトラック。そうじゃなくても今までだってオシャレさの塊みたいな音楽性とルックスでここまで来た彼らだけど、この楽曲はその最たるものではないだろうか。日本人離れした、つまりは明らか過ぎるほどに海外を見据えたサウンドからは[Alexandros]らしい「スマートさ」を感じさせる。初期はロックバンドらしいサウンド、「starrrrr」なんかはその好例だろうが、そこを越えて「Feel like」や「Girl A」、「NEW WALL」のような曲が作れるようになったのは素晴らしい。そのうちちゃんと聞きたいなと思う。


[Alexandros] - Feel like (MV)

16.「Paradise Has No Border」東京スカパラダイスオーケストラ

東京スカパラダイスオーケストラKen Yokoyamaという異色のコラボレーションとなった「道なき道、反骨の。」のカップリングとして収録された「Paradise Has No Border」。「氷結」CMソングとしてさかなクン志村けんともこの曲でコラボレーションしている。お茶の間でも定着している1曲なのではないだろうか。「スカ」というジャンルは日本にはあまり馴染みのあるものではないが、この曲の圧倒的なキャッチーさ、そして巧みな演奏技術はジャンルという枠を飛び越えて音楽ファン皆が感じることのできる部分だろう。様々な楽器が絡み合う様は他のバンドにはない彼らの持ち味なのではないだろうか。インストながら頭にこびりついて離れない。


東京スカパラダイスオーケストラ 「Paradise Has No Border」(Live Ver.)

15.「できるだけ純情でいたい」岡村靖幸

岡村靖幸12年ぶりのオリジナルアルバムとなった「幸福」の1曲目を飾る「できるだけ純情でいたい」。不穏さのある雷鳴のSEから、ベースやギターが静かに唸る様や、岡村ちゃんの息を吐くような歌声はまさしく「岡村靖幸節」。12年の間に酸いも甘いも全部経験した彼の「復活の狼煙」のような感慨さえ感じさせる1曲だ。ギターソロがまた憎いくらいにエロみを感じさせる。やはり岡村靖幸の音楽はどこまでもセクシーだ。


岡村靖幸 映像作品「幸福2016」予告編

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14.「最後の将軍 feat,森の石松さん」レキシ

レキシの5thアルバム「Vキシ」の最後を飾る、松たか子をゲストボーカルに迎えた1曲。一応、徳川慶喜大政奉還がモチーフになってはいるものの、「将軍」「幕府」という2ワードを無くしてしまえば完全に恋愛ソングじゃねぇか!ってなくらい切ない歌詞が沁みる。

「はなればなれ運命(さだめ)ならば忘れてしまおう」

「こらえていた涙がほら流れてきたの」

なんてせつないのだ。ほんとにレキシかこれ。松たか子の歌声もまたいい味出してる。レキシネーム「我が家の家宝」こと女優、夏帆とレキシが演じるMVも良い。「SHIKIBU」のMVも良かったけど、僕はこのMVの生活感がとても好き。夏帆も可愛い。


レキシ - 「最後の将軍 feat. 森の石松さん」 Music Video+メイキング

13.「だんご三兄弟バックドロップシンデレラ

NHKおかあさんといっしょ」のオリジナルナンバーとしてあまりにも有名な「だんご三兄弟」を、インディーズロックバンド「バックドロップシンデレラ」がまさかのカバー。その意外っぷりに目をひん剥いた覚えがある。J-ROCKを中心に据えつつも世界中の民族音楽を取り込みながら楽曲を作る彼らと、いわば童謡に近いような「だんご三兄弟」が果たしてどれだけ噛み合うのかと疑いながら音源を聞いてみると、これがまあ見事なコラボレーション。テンポの凄まじい変化、バイオリンとドラムを中心のそれぞれの楽器が複雑に絡み合う巧みな演奏力。まさしく彼らが提唱する「ウンザウンザ」な「だんご三兄弟」。


バックドロップシンデレラ「だんご3兄弟」COVER

12.「majority blues」チャットモンチー

元徳島での主催フェス「チャットモンチーの徳島こなそんフェス2016」を大成功に収めた彼女達。春先から首都医校大阪医専名古屋医専のCMソングとしてオンエアされていた「majority blues」は、ギターとドラムが中心のサウンドと、しめやかながらも力強い橋本絵莉子の歌声が特徴的な楽曲。ここで歌われるのは100%の自分語り。バンドを組み始めた時のこと、上京したての時のこと。それらが鮮明に語られる。

「マママママジョリティー みんなと同じものが欲しいだけど」

「マジョリティ、マイノリティー みんなと違うものもほしい」

「自分とは何なのか」「自分が人と違う所は何なのか」と自分に問い続ける歌詞に僕はひどく共感してしまう。人類の永遠のテーマがここにあると僕は思う。みんな違う人間のはずなのに、なぜか人と合わせて生活してみたり、同じように過ごしてみようとしてしまう。その辛さ。


チャットモンチー 『majority blues』(Short Ver.)

11.「怒りをくれよ」GLIM SPANKY

某還暦バンドのボーカルが絶賛しまくっていたGLIM SPANKY。もうね。そら絶賛するわなってくらいめちゃくちゃカッコいい。ハスキーボイスの頂点みたいな松尾レミの声と、王道ど真ん中をぶち抜くようなロックサウンドがとんでもないくらいに相性抜群。今の邦ロックの主流とは大きく外れた音楽性だけど、これこそが純然たるロックバンド。歌詞もハードボイルド過ぎる。いしわたり淳治との共作とはいえ、25歳そこそこの女の子が書く歌詞じゃない。何にこの子は怒っているんだと不安すら覚える。でもそこがこの曲のカッコよさの大きな要因になっているのではないだろうか。これからどんどん売れていく気がする。ワン○ースの主題歌とかやってる場合じゃない。


GLIM SPANKY-「怒りをくれよ」Music Video(Short.ver)

スポットライト①「Little Bee」里咲りさ

ランクインとはならなかったものの、是非推したい1曲としてスポットライト枠を2つ用意させていただきました。1つ目は里咲りさ「Little Bee」。アイドル上がりだからこその自己プロデュース力の高さが素晴らしい。普通に曲良い。可愛い。文句なしかよ。

「きっと言い慣れているその言葉 一人占めしたくって」

歌詞すらもキュートすぎる。可愛すぎかよ。

いわゆる「女性シンガーソングライター曲」としてとても優秀なのではないだろうか。社長かわいいよ社長。


里咲りさ-Little Bee

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10.「鬼」クリープハイプ

今までのクリープではない、新しいクリープハイプを提示した1曲。電子音っぽさのあるギターサウンドが新鮮。ニューアルバム「世界観」の曲はどの曲も新しいサウンドに挑戦していて、それ故に今までのクリープを想像していると面食らってしまう部分もあるのだけれど、根底にはクリープハイプらしさが残っているのがまた素晴らしい。歌詞は小説「祐介」の執筆によってますます切れ味が増した生活感もさることながら、色んな解釈が出来るある種のミステリアスさの漂う感じも素晴らしい。「自分とはなんなのか」という自己への問いかけ・葛藤の歌と取るか、ホラー的な歌詞と取るか、アイデンティティの歪みと取るか。どう解釈するかは聞き手次第ではないだろうか。


クリープハイプ -「鬼」MUSIC VIDEO (藤原竜也主演ドラマ「そして、誰もいなくなった」主題歌) & 短編映画「ゆーことぴあ」トレーラー映像

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9.「サイレントマジョリティー」欅坂46

欅坂46のデビュー曲「サイレントマジョリティー」。「声を上げない者は賛同している」という「どこかの国の大統領」がいつの日か口にした言葉は、現在の日本の現状にも大きくつながるところがあるだろう。「政治的」な曲だという意見も散見するが、なにもこれは政治に限ったことではない。何事においても「声を上げる」ことに対しては否定的ではなく、肯定的であるべきだが、とりわけ若者が声を上げることに大人たちが否定的なスタンスを取ることは良く見る光景だ。少子高齢化が進む中で、世間において若者は絶対的にマジョリティになってしまう。それでも声を上げよう。自分という殻から抜け出し、つまらない見栄やプライドでベタベタに塗り固められた大人に負けるなと若者、果ては世間を鼓舞する曲であろう。若干14歳にしてセンターを務める平手友梨奈のキレッキレの表情やダンスも見所。ヒトラー衣装問題で騒動になった欅坂だけど、まだまだデビューしたて。これからもその攻め攻めな楽曲や活動スタンスを維持してほしい。アイドルの新しい形をどんどん創り出してほしい。


欅坂46 『サイレントマジョリティー』

8.「MUSIC VIDEO」岡崎体育

「今年ブレイクしたミュージシャン」は例年より豊作だった。欅坂もそうだし、ピコ太郎やRADIOFISHなどの芸人枠もそうだろう。僕が一番ブレイクしたなぁと思っているのがこの岡崎体育だ。打ち込みのキレキレ楽曲に乗っかるのは「ミュージックビデオあるある」。バカバカしいことこの上ないのだが、それがまた人々の共感に次ぐ共感を呼んだ結果がこの2016年最大のブレイクに繋がった。ハッキリ言って音楽性としては邪道も邪道なのだが、このガラパゴス化が激しい音楽業界にとってこの邪道さは大きな武器になる。Mステでの「Voice of Heart」のパフォーマンスも大好評だった。ポケモンの主題歌にも抜擢された。他のどんなアーティストよりもこの先が楽しみなミュージシャンだ。


岡崎体育 「MUSIC VIDEO」Music Video

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7.「藍色好きさ」indigo la End

今年はSg「心雨」を経て、Al「藍色ミュージック」をリリースしたindigo la End。Drumの佐藤栄太郎の加入によってグルーヴが一層強化されたindigo。フロントマン川谷絵音の歌詞はますます「切なさの境地」へと歩を進め、楽曲から漂う風格は最早大御所バンドのそれだ。この「藍色好きさ」もまた、ドラム先行で始まるイントロから今のindigoのモードを感じさせるし、「君が好きだってこと以外はこの際どうだっていい」という歌詞からはやはり、今の若手の中じゃ川谷絵音だけにしか出来ないような表現の巧みさを感じずにはいられない。ゲス乙女同様、彼らもまた自粛期間に突入した。毎アルバムが傑作の連鎖だっただけに、この空白期間は実に勿体無いとどうしても思ってしまうが、帰ってきた暁にはまた涙してしまうような名曲を僕たちに聞かせてほしい。


indigo la End - 藍色好きさ

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6.「あつまれ!パーティピーポー」ヤバイTシャツ屋さん

「今年一番ブレイクしたミュージシャン」が岡崎体育だとすれば、こちらは「今年一番ハマったバンド」だ。ヤバイTシャツ屋さん。笑いとは常に批評的な視点と深い関係性を持っていて、それを最も巧みに使いこなすバンドが彼らだ。「あつまれ!パーティピーポー」もまた、その批評性の巧みさが面白さに繋がっている1曲だろう。「ショートカットでツーブロックの女は大体ダンス上手い」ホントかよ!?って思いつつも妙に納得してしまうのは僕だけではないだろう。


ヤバイTシャツ屋さん - 「あつまれ!パーティーピーポー」Music Video[メジャー版]

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スポットライト②「祭りのあと(2016 ver)」Base Ball Bear

Base Ball Bearが3人体制になって初めての音源リリースは、彼らの音楽の原点であるNUMBER GIRLのギタリスト田渕ひさ子をギタリストに招き、1stアルバム「C」から「祭りのあと」の再録版となった。この曲は所謂「化け曲」というか、ライブで演奏するたびどんどん進化した楽曲だ。それ故に、ライブ版の音源とCD音源に大きな差(主にテンポ感において)が出来ていた。今回、再録にあたってテンポ感が元の音源とライブアレンジの中間程度にとられていて、元のCD音源と比べると爽快感や疾走感をより感じるアレンジになっている。なにより特筆すべきは田渕ひさ子の演奏だろう。中盤に配置されたギターソロなんかはむき出しの音がかたまりにになって聞いている僕達に襲い掛かってくるような感覚。NUMBER GIRLをはじめとした長い経験を、その姿に憧れて音楽を始めた後輩に還元している様を見ると、まだまだ音楽業界も捨てたもんじゃないなと思わされる。なによりも、ギタリストというバンドの片腕を失い、田渕ひさ子の音楽に当てられた彼らの今後の作品が楽しみで仕方ない。


Base Ball Bear - 360度版「祭りのあと」(2016ver.)

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5.「FLASHPerfume

映画「ちはやふる」の主題歌として、そしてAl「COSMIC EXPORER」のリード曲として配信リリースされた1曲。映画「ちはやふる」の和や協議かるたの世界観をモチーフとしつつも、彼女たちのライブそのものやライブに対する思いやスタンスとも捉えれそうな歌詞が俊逸。アルバムリミックスは正直イマイチだが、配信ver(主題歌ver)は新しいPerfumeメゾットの新機軸という感じで、今後も彼女たちの代表曲として歌われていくだろう。実際のライブでの盛り上がりも圧倒的だった。


[MV] Perfume 「FLASH」

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4.「ヨシ子さん」桑田佳祐

昨年、サザンとして「葡萄」という金字塔を打ち立てた桑田佳祐。2月に還暦を迎えた彼がソロとしてリリースしたのは「前代未聞」とすら言いたくなるような奇抜な1曲だった。「ヨシ子さん」という名を関したこの曲は、打ち込み中心ながらも無国籍さの漂うサウンドに意味があるようでないような歌詞が乗る、それまでの「葡萄」や他に公開されていたソロ新曲とは明らかに趣が異なる楽曲がシングルのA面としてリリースされることの衝撃たるや。桑田ファンに留まらず、すべての音楽ファンの度肝を抜いたこの「ヨシ子さん」。「意味がない」という「意味」を2016年の音楽シーンに打ち立てたこの曲の意義は大きい。


桑田佳祐 - ヨシ子さん

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3.「花束を君に宇多田ヒカル

2010年以降、「人間活動」のために活動を休止していた宇多田ヒカル。春先に突如活動再開を宣言。同時に彼女がNHK朝ドラのために発表したのがこの「花束を君に」だ。それまでの宇多田ヒカル作品とは明らかに趣の違う、宇多田ヒカルの生の感情がそのままドロップされたような歌詞には、彼女に起きた「人間活動」期のすべてが詰まっている。母親の死、そして自らが母親になるということ。この2つを同時期に経験したからこその「花束を君に」、そして「Fantôme」これからの宇多田ヒカルに期待しかない。


宇多田ヒカル「花束を君に」(30s Version)

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2.「前前前世RADWIMPS

今年最大の大ヒットを記録した映画「君の名は。」の主題歌こそがこの「前前前世」。映画の世界観とモロに合致した底抜けすぎるほどにポジティブな歌詞。前作までのRADからは到底考えられなかったような歌詞だ。そしてサウンドも又、1周回って王道ギターサウンドに着地した、といった感慨。その2つの要素が重なったときに、2016年の邦楽でも随一のキャッチーさに溢れたこの「前前前世」が完成したのだ。何度聞いてもこのキャッチーさに心を撃ち抜かれてしまう。間違いなく今後のRADWIMPSにとってかけがえのない1曲になると同時に、邦楽ロック、果ては日本音楽界にとっても大切な曲になるのではないだろうか。


前前前世 (movie ver.) RADWIMPS MV

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1.「恋」星野源

今年最大の大ヒット映画が「君の名は。」ならば、今年最大の大ヒットドラマは「逃げるは恥だが役に立つ」であろう。ガッキーの可愛さ、軽快な作品なようでそこに込められた日本に蔓延する社会問題に対する回答、そして星野源の草食系男子の完成形のような演技、そして彼自身が歌う主題歌「恋」。世間では「恋ダンス」ばかりが取りざたされているようで、実際振付師はPerfumeリオ五輪閉会式の振り付けを担当したMIKIKOということで、振り付けそのものも複雑だけど覚えやすくて、曲に込められたものもキチンと振り付けに昇華されていて、なによりポップで素晴らしいのだけれど。僕がこの曲を何故1位にしたのかってそれはこの曲が果てしなくキャッチーだからだ。イントロの中華風のメロディとサウンドにはじまり、星野が得意とするブラックミュージックの要素をちりばめながらも、Aメロ、Bメロ、サビ、大サビに至る全てが果てしなくキャッチー。ポップスとして大優秀で大傑作である。「前前前世」も「恋」も、キャッチーだから売れた、というのが僕の持論。勿論最高のタイアップがついたことも要素としてはあるだろうが、例え良いタイアップが付いたとしても売れないものは売れない。各々の特色はキチンと盛り込みつつも、最終的な帰結が大衆への求心力の高いキャッチーなポップスだったからこそ「前前前世」も「恋」も売れたのだ。


星野 源 - 恋 【MUSIC VIDEO & 特典DVD予告編】

 

改めてランキングはこちら。

1.「恋」星野源

2.「前前前世RADWIMPS

3.「花束を君に宇多田ヒカル

4.「ヨシ子さん」桑田佳祐

5.「FLASHPerfume

6.「あつまれ!パーティーピーポー」ヤバイTシャツ屋さん

7.「藍色好きさ」indigo la End

8.「MUSIC VIDEO」岡崎体育

9.「サイレントマジョリティー」欅坂46

10.「鬼」クリープハイプ

11.「怒りをくれよ」GLIM SPANKY

12.「majority blues」チャットモンチー

13.「だんご三兄弟バックドロップシンデレラ

14.「最後の将軍 feat.森の石松さん」レキシ

15.「出来るだけ純情でいたい」岡村靖幸

16.「Paradise Has No Border」東京スカパラダイスオーケストラ

17.「Feel,like」[Alexandros]

18.「さらば涙」ケツメイシ

19.「ハルジオンが咲く頃乃木坂46

20.「両成敗でいいじゃない」ゲスの極み乙女。

スポットライト①「Little Bee」里咲りさ

スポットライト②「祭りのあと(2016 ver)」Base Ball Bear

 

今年はやけにミーハーなランキングになってしまった感がある。トップ3はいずれも全て世間的にも大ブレイクしたとされる曲たちだ。だけどそれらは皆キチンと良質な音楽だったと思う。日本の音楽市場は衰退した、なんて去年までなにかと言われていた事だけど、もしそうだったとするならば1周してまた「良いものが売れる」ようになったのかなと思わされた年だった。

来年はどんな年になるのだろう。既に色々なミュージシャンたちが新作を作っている。それらのリリースを心待ちにしたい。来年も良い作品で溢れることを期待している。