挑戦者と11年 ~Perfumeデビュー15周年に寄せて~

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Perfumeと僕が出会ったのは、2008年のこと。

 2008年、というのは分かっているのだが、その年の何がキッカケだったのかは正直覚えていない。時系列で言えば、当時大好きで仕方が無かったポルノグラフィティの「痛い立ち位置」のPVにPerfumeの3人が出演した事がキッカケのような気がしているのだが、ハッキリしない。

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今でも鮮明に残っている最初のPerfumeの記憶は、夏休みに同級生と地元の大型スーパーに意味も無く出かけた時に、スーパーの中にあったCDショップで「love the world」を手にしていたことだ。同級生に誰が好きなのか、と聞かれた僕は、熟考の末にのっちと答えたことを、今でもハッキリと覚えている。

 

あれから11年が経った。

 

あっという間だった、と言いたいところだけど、少なくとも僕にとってこの11年は決して短いものではなかったし、きっとPerfumeも僕と同じなのではないかと思う。

当時女子大生だったPerfumeの3人は30歳を超えた。14歳だった僕は25歳になった。

Perfumeと自分を並べてモノを話すのもおこがましいが、お互い歳を重ねたし、経験も重ねて来た筈だ。

 

Perfumeが今秋リリースしたベストアルバム「P Cube」。そこに収録された新曲のタイトルは「Challenger」。

デビュー前から存在していたというこの曲をこのタイミングで世に放つに辺り、改めて書き直されたという歌詞は、これまでのPerfumeの道のりと現在、そしてその先に待つ未来を予感させる。

夢を見捨てないで 涙で未来がぼやけても

 

思えばPerfumeはデビュー以来、ずっと「挑戦者」だった。


テクノポップというデビュー当時の日本の音楽シーンには馴染みの無い、アンダーグラウンドな音楽ジャンルとアイドルを掛け合わせ、テクノポップ1本でやっていくという「挑戦」。

解散説まで囁かれていた中で「チョコレイト・ディスコ」「ポリリズム」という、当時流行していたポップスと比べたらあまりにも難解な、でも結果としてJ-POP史の金字塔となってしまった楽曲をリリースするという「挑戦」。

最先端の技術を活用した新しいライブの在り方を提案する「挑戦」。

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メジャーデビュー5周年を迎え、東京ドーム公演を開催する「挑戦」。

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当時はまだアイドルグループとしては異色だったロックフェスへの積極的な出演、ワールドツアー、ドームツアー、アメリカツアー、ドラマ・映画出演に紅白歌合戦への連続出演。どれもこれも彼女たちが挑み、達成してきた「挑戦」だ。

 

最高を求めて 終わりのない旅をするのは

きっと僕らが生きている証拠だから

 

 11年前、彼女達がスターダムにのし上がろうかとしていた2008年にリリースされた「Dream Fighter」にはこんな一節がある。その歌詞は、長年ライブで披露され続け、彼女達の『Perfumeであること』『挑戦し続けること』という終わらない旅を表した曲としてファンの間で定着した。

 

僕はそんな彼女達の「終わりのない旅」を見つめながら生きてきた。

その姿を見ながら、大人になっていった。

 

彼女たちに比べたら、自分なんて何もしていないと言ったっていいくらいだ。怠け、努力もせず、妥協ばかりの日々だった。結実した夢なんて殆ど何もない。惨めな人生だ。

だからこそ、彼女達が活動の中で一度たりとも妥協せず、ただただ上を見つめ、駆け上がり、挑戦し続ける様は僕の胸に刺さった。自分に無い何かを求め、彼女達の姿を追い続けた。

 

あれから11年が経った。

Perfumeの3人は30歳を超えた。14歳だった僕は25歳になった。

 

Perfumeのデビュー記念日に生放送されたNHK「SONGS」。

15周年記念日に放送されたこの回ではPerfumeメンバーが自らを「30歳のいい大人」と称したり、年齢を重ねて良かったことしかない、良かったことばかりだと、大人になった喜びを3人が語り合っていた。

そしてデビュー当時はテレビ番組で披露することなど無かった「リニアモーターカーガール」を満開の笑顔、新曲「ナナナナイロ」を大人ならではの落ち着きのある、でもどこか茶目っ気のある笑顔で踊っていた。

共に(何て言うとやっぱりおこがましい気持ちになるが)年を重ねてきた彼女たちの姿は、場所も形も何もかも違うのにどこか共に戦ってきた(おこがましいが)戦友のような気分になる。

Perfumeはまだまだ終わらない。「SONGS」はそれを予感させる1時間だった。同時に、そんな彼女達にもいつか終わりがやってくる。何故なら、何事にも終わりは必ずやってくるからだ。でもその瞬間も、きっと彼女たちは肩を組んで笑っていることだろう。

その日まで、彼女達と共に生きたいと思う。

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