今こそアイドルネッサンスについて語るネッサンス!

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日本には千差万別のアイドルが存在する。過去には松田聖子Winkおニャン子クラブモーニング娘。、そしてAKB48と現代に至るまで様々なアイドルが日本を元気づけてきた。その形は時勢に合わせて様々な変化を重ねてきた。例えば80年代は松田聖子小泉今日子と個人での活動が主流だったが、時代の変化していくにつれて複数人から大所帯へと変化し、今の48グループへ繋がっていった。コレは何もアイドルに関わらず、創作は絶対的な変化を伴うものである。そして欅坂46、中でも平手友梨奈のカリスマ的なメンバーの出現により、今度は逆に個人アイドルへの流れが出来上がるのかもしれない。

「変化を続けるアイドル文化」。そういう意味で、僕が今一番推したいアイドルグループである「アイドルネッサンス」について今回は語ることが出来ればと思う。

彼女たちの最大の特徴は、名前にもある「ルネサンス」にある。

「名曲ルネサンス」と題された新旧問わず選ばれる様々な邦楽のカバー。たとえば大江千里の「YOU」、スピッツの「スパイダー」、小泉今日子「木枯らしに抱かれて」、KANA-BOONの「シルエット」まで、アイドルらしい曲からそうでない曲まで実に新旧様々な楽曲をカバーしている。

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彼女達のカバーする楽曲のチョイスにはバイアスが存在しないというか、時代やジャンルや性別に囚われることなく選曲されている印象を受ける。強いて選曲の基準を見出すとするならば、彼女達の「アイドルネッサンスという世界観」を生み出す楽曲、というのが選定基準であり、とてもコンセプチュアルなアイドルだということがここから伺える。古今の楽曲を歌とダンスで再定義する様はまさに「ルネサンス」。自分たちのオリジナル楽曲ではなく、既存の楽曲に新しい解釈を加えることで自分たちの世界観を生み出す、というのはまさに、「今までにないアイドル文化」だろう。時代を超えて様々な曲がカバーされた彼女たちのアルバムは、聞き手の世代も超えさせる。個人的な話になるが、研究室で彼女たちのアルバムを流していたら他の研究生は勿論、卒論担当の教授、果てはたまたまウチの研究室に来ていた別の研究室の教授まで昔の曲のカバーを懐かしんで聴いていた。世代を超えるとはこういうことだよなぁ、と改めて思わされたし、その中心に「アイドルネッサンス」というアイドルがいることがとても面白いなと思わされる。

そんな彼女たちが先日、満を持して初のオリジナル楽曲をリリースした。

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「前髪がゆれる」と題されたミニアルバムには、4曲のオリジナル楽曲が収録されている。作詞作曲は、アイドルネッサンスの最初の「名曲ルネサンス」を飾った「17歳」の生みの親であり、アイドルネッサンスの立ち上げのひとつのキッカケにもなったとされるBase Ball Bear小出祐介

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アイドルネッサンスという「世界」のはじまりの「キッカケ」となった彼が、初のオリジナル曲という、アイドルネッサンスの新しい扉を開くための「キッカケ」に再びなっている所に物凄く運命めいたモノを感じずにはいられない。

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決まらない前髪を また風が乱してゆく

いつまでも私たちきっと

決まることなんてないのだろう

「変化」というものはなにかと認められないことの方が多い。変わることを悲しく思ったり、変わることに怒りを覚える人も多い。しかし、人は、街は、世界は変化し続けるからこそ美しい。それは「アイドル」である彼女達にも同じことが言えるだろう。平均年齢16歳の彼女たちはまさに「変化」のど真ん中。自らの「変化」を前髪に喩え、決まることのない=変化し続ける自分を肯定する歌詞にヒドく共感してしまうし、これこそアイドル文化的だな、とも思う。

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ここまで楽曲についてばかり書いてきたが、メンバーである本人達についても書いておきたい。

でんぱ組.incももいろクローバーZなど、10人以下の人数で構成される女性アイドルグループのメンバーにはイメージカラーをつけがちで、それはそれぞれのメンバーの認知度を高める上で有効的だ。しかしアイドルネッサンスは全員「白」を基調にした衣装で活動している。「白」はどんな色にも染まることができる色だ。ここにもまた、彼女たちの「変化への思い」「変化への姿勢」が伺える。アイドルネッサンスのコンセプトがここからも強く感じる。

メンバーがそれぞれに始めたTwitterや、インタビュー記事を読んでいると、皆それぞれが自分の色を探している最中に居ることが伺える。今後、彼女達が活動を重ねる事でどんな色に染まって行くのか、楽しみで仕方が無い。

最後に彼女たちのデビュー曲を。

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アイドルネッサンスの「檸檬が弾けるような日々」はまだまだ続く。次はどんな「変化」を魅せてくれるのだろう。

前髪がゆれる

前髪がゆれる