太陽光で音楽を楽しむ!!「中津川 THE SOLAR BUDOKAN」がとってもピースフルで愛に溢れたロックフェスだった件!!

2018年9月22日、23日の2日間に渡って岐阜県中津川市で開催された「中津川 THE SOLAR BUDOKAN」に参加してきました!!

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 今までも複数ミュージシャンが出演する音楽イベントは何度か参加しましたけど、実はこういう沢山ステージがあるようなフェスってはじめてで。ワンステージ制のイベントばかりだったので。めちゃくちゃドキドキしながら参加してきました。

この「中津川 THE SOLAR BUDOKAN」はシアターブルック佐藤タイジがオーガナイザーを務める「クリーンでピースフルなロックフェス」。その最大の特徴は「コンサート運営に関わる全ての電力を太陽光で賄う」点。東日本大震災以降、「電力」というライフラインはより一層シビアに扱われる物となりました。原発に反対するミュージシャンが沢山出てくる裏で「電気を使ってギターを鳴らしたり、スピーカーを使ってるミュージシャン風情が反対しても説得力が無い」といった意見もネット上では見られました。そんな中、佐藤タイジオーガナイズの元、2012年に日本武道館で「THE SOLAR BUDOKAN」が開催。翌年からは中津川に地を変え、以来6年間中津川の地を音楽で盛り上げ続けているロックフェスがこの「中津川 THE SOLAR BUDOKAN」なのです。

その「クリーンさ」へのこだわりは電力以外の場所にも感じられ、例えばイベント中フードコートで販売されるメニューには全てに線量を表示。食の安全にも配慮された本当にクリーンなフェス。

そんな「中津川 THE SOLAR BUDOKAN」、今回僕は2日目の9月23日公演に参加してきました!!今回はその模様を僕なりにレポしていきたいと思います。

 

朝9時前には中津川入り。ちなみに今回は音楽仲間と共に参加してきました。山々に囲まれたのどかでゆったりとした街を進み、指定の駐車場に停める。渋滞とかするのかなと思っていたけど、駐車場が分散されてたこともあってか車も人もそんなに多くなくて、この時点からかなり快適。

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バスで10分ほど走ると会場となる中津川公園は周りを山々や緑に囲まれたゆったりとした時間が流れる場所。会場に向かうと入口でチケットとリストバンドを交換し、さっそく中に進む。

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会場に入ってまず目にするのは大きな気球!1500円で乗ることも出来るこの気球、一日中このフェスの空を彩っていました。

早速10:00からメインステージの「REVOLUTION STAGE」ではDJダイノジのステージ!僕は最後の1曲だけチラッと見ただけだったけど、小沢健二の「強い気持ち・強い愛」で観客全員がワイパーをしている姿を見た大谷さんが「戦争から最も遠い景色だ!」と話していたのが印象的。

ここからは僕が見た各ライブのレポートを。

11:00~ REVOLUTION STAGE  ヤバイTシャツ屋さん

気の抜けた「始まるよ~」というSEと共に元気よく走って出てきたヤバTの3人。中津川ソーラー2日目の1発目のメインステージを飾るのはまさしく「げんきいっぱい」な彼ら。「テンション上げてけよ中津川!!!」というこやまの煽りがキマると、もりもとの4カウントが。「しゃっ!!しゃっ!!しゃ!しゃ!しゃ!」と始まったのはヤバTの代表曲「あつまれ!パーティピーポー」!!1曲目から超豪華だし一気に会場も隆起したかのような盛り上がり。更に「ヤバみ」「鬼POP激キャッチー最強ハイパーウルトラミュージック」と立て続けにシングル曲を連発する。怒涛とも言えるようなブチ上げソングの連発に朝イチなのに、その後も沢山控えてるのに、身体を動かし叫んでしまう。理性も何も吹っ飛ばすヤバTの今の勢い。

「雑!雑!!」というフレーズが印象的な、ユルユルだけど思わず吹き出してしまうような関西圏出身ならではな軽妙な3人(プラス観客)のMCが終わると、しばたボーカル曲の「L・O・V・E タオル」。様々な色、様々なバンドのタオルが一斉に振り回されるサビのなんと壮観なこと。

「コンプレックスの歌を歌います」と言って始まったのは「肩 have a good day -2018 ver.-」ストリングスまで導入された、サウンドだけ聞くとガチガチのバラードなのに、歌詞を聞くと最初は脱力しそうになるほどに「肩幅」というフレーズの連発。そしてドラマーもりもとによる口笛タイム。思わず顔がほころびながらも、各々が抱えるコンプレックスを自らが受け入れ、個性として昇華させようという歌詞にはグッと来たりもして。疾走感のあって盛り上がるような曲だけに留まらず、こうやってバラードも積極的にフェスという場所で歌い上げることができる若手バンドって実はヤバTくらいなのではないだろうか。

ライブ後半、一気に畳み掛けるように「Tank-top of the world」「無線LANばり便利」と会場の体感温度を上昇させてしまうような曲を連発するヤバT。「無線LANばり便利」では観客のシンガロングも響き渡る。数日前に発売されたばかりのシングル「とってもうれしいたけ」からは披露無しという逆サプライズ(来年出演したらやります、とのこと)をしつつも、きっちり宣伝は欠かさない。そしてラストは「ハッピーウエディング前ソング」。ちょっぴりの毒っ気と、笑いという幸福と、一体感というエモーショナルを朝から胸いっぱいに感じさせるライブになった。

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11:45~ REDEMPTION STAGE Base Ball Bear

REVOLUTION STAGEを背に進むと3分もかからない距離にあるREDMPTION STAGE。40分までヤバTのステージが行われていたのにも関わらず、ベボベが始まる前には余裕でこちらのステージに着くことができた。REVOLUTION STAGEがメイン、REDEMPTION STAGEは2番目のステージになる。

いつも通りXTCの「Making Plans for Nigel」が流れ出すと、堀之内、小出、関根の順に袖から入ってくるBase Ball Bearメンバーの3人。昨年に引き続き、2年連続での出場。そして昨年の中津川は初めてBase Ball Bearが3人だけでライブを行った場所でもある。彼らにとっても思い入れの深いフェスであることは間違いないだろう。

堀之内の4カウントと共に小出の伸びやかな歌声がREDEMPTION STAGEに響き渡る。「BREEEEZE GIRL」。夏ももう終わるか終らないかという季節ではあるが、今日の中津川の天気はすっかり夏模様。青空に輝く太陽のキラキラとした日差しが気持ち良い。まさに「夏いね!」な天気にBase Ball Bearの楽曲はドンピシャ。「BREEEEEZE GIRL」に続いて演奏されたPERFECT BLUEも、まさに夏や青春のキラキラがグッと曲に詰め込まれた1曲だ。ずっと陽射しはこのステージを照りつけてるし、曲に合わせて動けば動く程暑さも増していくのだけど、時折掲げてる手にさらりと流れる風がとても気持ち良く感じる。勿論、単純に暑さが和らぐのも理由だろうが、それ以上にこの曲とこのシチュエーションがバッチリすぎて、このグッドシチュエーションにも気持ち良さを感じてしまうのだ。

2曲歌ってMC。前述の通り、昨年の中津川ソーラーが3人編成の初めてのライブだった話、そしてそれから1年を経て場数を踏んでレベルアップしたバンドを見てほしい、という言葉に思わず胸を掴まれる。その過程を知った上で、この中津川ソーラーの地に来れた事を1ファンとして本当に嬉しく思った。

「夏に媚びたセットリスト」をというMCの後に歌われたのは「17才」。もう17才なんてとっくに超えた僕だけど、今でもあの檸檬が弾けるような日々を忘れられずに生きている。

風になびく白いシャツが綺麗

青い空がどことなく悲しい

この曲もまた、このシチュエーションとバッチリだ。野外のベボベのライブは、日比谷野音なんかでも僕は経験のある事だが、夏の青空真っ盛りの中で聞くBase Ball Bearはまた一味もふた味も違って聞こえる。

そして「short hair」!そもそもこの曲、音源ではギターの音を何パートも重ねて録った事もあり、音像が立体感のあるものになっていた。それに対して1本のギターで演奏するのは本当なら不可能に近い事なのだろうが、ちゃんと曲として成り立っている。Base Ball Bearのツアー「Tour LIVE IN LIVE」の際にも感じたことだが、本来ならば4人で演奏していたことを3人に置き換え、それを4人体制の頃と可能な限り遜色無い様に作り替える、というのは並大抵の事では出来ない。3人がそれぞれ今のBase Ball Bearと真摯に向き合い、怖気る事無く果敢に挑戦を続けたからこそなせる技だ。

「short hair」が終わると一転して熱量がグッと高まる「真夏の条件」へ!もうずっと夏い。この曲は髪を振り回し、目にかかる前髪を気にすることもなく、コーラスも叫ぶかのように歌っていたベース関根史織の演奏が印象的だった。2014年頃からの彼女は本当にバンドマンとしての腕をメキメキと上げているというか、演奏もコーラスもどんどん鋭利にカッコよくなっている。その癖、キュートにキメる所はとことんキュートなのだからまたそのギャップが良い。ソロ活動も充実し始めた彼女の今後に目が離せないな、とライブを見る度に思わされる。

「ギターバンド風情の僕が今からラップします!」と言って始まったのは「The Cut」!「Tour バンドBのすべて」そして「Tour LIVE IN LIVE」とワンマンツアーでもサプライズ的に演奏されていたこの曲、いよいよフェスでも演奏されるようになったのか!と驚きを隠せない。最初はドラムの音だけで始まり、続いてベース、そしてサビで一気に3人の音と歌が爆発する、原曲とは全く違う展開ながらこちらもまたゾクゾクする程カッコ良く、見ているこちらもその後もライブが山ほど控えてることなんか忘れて跳ね回ってしまう。

「The Cut」が終わると、おもむろに小出がギターのアルペジオを奏でながら「ここにいるみんなの夏がこんな感じになったらいいと思います」っと語り、歌った「ドラマチック」。夏はもう終わると言うのに、まるでその歌詞の如く「夏がスタート」するかのような熱気がREDEMPTION STAGEをうねるように包み込む。この曲が、この時間が、この夏が、永遠に終わらなければ良いのにと思わず未練がましくなるほどに燃えたBase Ball Bearのステージだった。

12:20~ REALIZE STAGE フルカワユタカ feat.原昌和(the band apart

Base Ball Bearのステージが12:25頃に終わると、僕は足早にREALIZE STAGEへと向かった。今やBase Ball Bearの師匠とも戦友とも言えるような存在のフルカワユタカのステージである。僕と同じようにベボベからフルカワさんのステージに直行する人が沢山居たのを見ても、ベボベにとっても、ベボベファンにとってもフルカワユタカ氏の存在の大きさが伺える。

やはりステージに着いた頃にはもうライブは始まっていて、「next to you」の演奏を終えようとする頃だった。

今回のステージはベーシストにthe band apartの原昌和を招いている。この2人は6月にフルカワユタカ feat.原昌和(the band apart)名義でシングル「ドナルドとウォルター」をリリースしている。その2人でのステージという事で、いつものロックスター・フルカワユタカとは違った姿に期待が高まる。

MC。「アイム ロックスター!!」と会場を煽るフルカワに対し、「ロックスターっていうのはさ、この会場をちゃんと埋めてこそのロックスターなんじゃないの」と、会場の入りが多少疎らな所をイジる原。その後もまるでお笑いコンビのような息の合った掛け合いが会場の笑いを誘う。僕自身、Base Ball Bearのサポートをしている時のフルカワ氏しか殆ど見ていないこともあり、こういう弄られ方をする彼がとても新鮮に写る。

続いて演奏された「days goes by」では、フルカワの事をじっと見つめる原に思わずフルカワが噴き出してしまい、曲を仕切り直すなんていう、なんだかとってもハートフルでおちゃめな2人のやり取りもあったり。2人の信頼関係の強さを感じさせるやり取りだ。

「踊ろうぜ中津川!!」とフルカワの雄叫びが響き渡った「I don't wanna dance」では、シャープで切れ味鋭いギターとゴリゴリと響くベースのうねりが気持ちの良いアンサンブルを生み出し、REALIZE STAGEは一気にダンスフロアに。そして一呼吸置いてフルカワのストローク1発で会場中が盛り上がったドーパン時代の名曲「Transient Happiness」。会場中のボルテージが一気に高まるのを肌で感じ、3人のロック然としたアンサンブルフルを全身で受け止める。カワユタカの「愛してるぜ!」の言葉も飛び出す。REALIZE STAGEの熱気は最高潮だ。

「Transient Happiness」が終わると、原がおもむろに「フルカワユタカは勘違いされている男だ」と話す。

「ほんと素晴らしい人なので、これからも温かく見守ってほしい」

という原の言葉には思わずウルウルとしてしまう。

最後に演奏されるのは勿論「ドナルドとウォルター」フュージョンの要素も含みつつも、何処か可愛らさとか牧歌的な、ゆったりとしたサウンドな今までのフルカワユタカとは一味違った音楽性だ。2人の関係性を深くは知らないままこのステージに来てしまったが、2人が演奏する姿(と、半ばカップルのイチャツキのようにも見えてくる掛け合い)を見ていただけなのに、2人の絆を深く感じたし、曲が終わる頃にはこの「ドナルドとウォルター」がこういうサウンドになった理由がなんとなく分かった気がした。

いつでもカッコ良いロックスターの、ちょっと可愛らしい部分が見えたステージだった。そしてフルカワユタカという人の人間味を音で感じるステージでもあった。

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13:00~ RADIO BOOTH ZIP-FM「FIND OUT」公開収録 Music Navigater:白井奈津 Guest: Yogee New Waves、ヤバイTシャツ屋さん

14:40からのNakamuraEmiまで特に見たいアクトが無かったので、会場内の建物の一角に特設されたラジオブースへ。4月から新しい職場で仕事を初めた関係でラジオを聞く機会が以前よりも格段に増えた。特に東海三県が配信エリアになってるZIP-FMをよく聞くんだけど、色々聞いてると自然に好きなパーソナリティ(ちなみにZIP-FMラジオパーソナリティの事をミュージックナビゲーターと称します)が出来てくるんですよね。そんな中で中津川ソーラーに僕の好きなパーソナリティの白井奈津さんが番組の公開収録にやってくる、しかもゲストの1組にはヤバT!という事でこれは見に行かなくてはと思い参加を決めたのです。

僕がラジオブースに着く頃には既に超満員。声だけは聞こえてくるもののパーソナリティやゲストの姿は一切見えない状況で。そんな中でまずはYogee New Wavesの公開収録。内容は割愛するが(というか殆ど途中参加で見えない中だったので内容を思い出せない...)20分程収録を行い、記念撮影を済ませると次はヤバT。時報の挨拶、直前に行われたライブの感想、発売されたニューシングルの話など、実に様々な話をしてるのに、その全ての話が最終的に思わず笑ってしまうところが実にヤバTらしいなと。あと6~7歳くらいの女の子が3人の姿を一目見ようとなんとか前に出ようとして、それを大人達も優しく通してあげていたのがなんとも印象深い。こんな小さな女の子にも彼らの魅力が伝わっているんだな、と感心した。あとミュージックナビゲーターの白井奈津ことなっちゃんも元気いっぱい!って感じで可愛かったなぁ。

ラジオの公開収録が終わると、14時。一緒に来た友人(彼は公開収録の裏でライブをしていたCreepy Nutsを見ようとしていたみたいなのだが、人が多すぎて断念して休憩場で寝ていたとのこと)と合流してお昼ご飯。お店が沢山あって悩ましかったのだが、彼はカレーを、僕はソースカツ丼を食べる。

まだまだ時間があるので、タバコの試飲ブースへ。他のフェスでも多いのだろうけど、喫煙所と抱き合わせでこういう試飲ブースが設置されている。この中津川ソーラーではアメリカンスピリットの試飲が出来るようになっている。元々アメスピのメンソールを愛飲していた僕だったが、今回はレギュラーを。数あるタバコのブランドの中でも、無添加がウリのアメスピの試飲という辺りに何とも中津川ソーラーらしさを感じる。特典として、首に下げれるポーチ、携帯灰皿、少し大きめのポーチを頂く。

ワンマンライブとは違って、こういうライブ以外の催しも積極的に行われていて、そのどれもが魅力的なのもフェスの大きな魅力だと再認識した。これ以外にも熱気球乗車体験だとか、フリーマーケットのような雰囲気の屋台が並ぶエリアだとか、様々なライブ以外のコンテンツが盛んに開かれいた。

14:40~ REALIZE STAGE NakamuraEmi

タバコの試飲エリアでのんびりとしてると遠くからNakamuraEmiの歌声が聞こえてくる。リハーサルが始まってしまったようだ。フェスではよく見る光景となっている本人が出てきてのリハーサル。Twitterユーザーのフェスレポなんかにはリハーサルの模様やセットリストも併せて書かれていたりする。自身の楽曲を歌うのが定番だが、今回のNakamuraEmiスチャダラパーの「今夜はブギーバック」や安室奈美恵の「SWEET 19 BLUES」をあの熱量の篭った歌声で歌い上げている。遠くからでもその熱量に思わず全身の毛が逆立ちそうになるほど。急いでREALIZE STAGEに向かう。

ステージに僕が到着すると、殆ど同時にライブ本編がスタートする。1曲目は「YAMABIKO」!!舞台上にはNakamura本人とドラマーとギターだけ。なのに、とんでもないグルーヴがそこには生まれていて。NakamuraEmiはずっと気になっていたミュージシャンの1人で、今回初めてライブを見たのだが、楽器ふたつと歌だけでこんなにも身体を動かしたくなる曲が作れるのかと衝撃を受けた。

続いて「大人の言うことを聞け」、そして「かかってこいよ」とキレキレでな楽曲が序盤から並ぶ。「大人の言うことを聞け」では「大人が正解なわけじゃない」という前提の上で、大人の言うことを聞いた上で聞き手の君たちがその大人から何を学ぶのか判断しろ、という彼女のメッセージが、そして「かかってこいよ」ではネット社会の悪い部分や増え続けるハラスメントとその解決方法への彼女が抱く違和感が込められていた。

ソウルフルな歌声とシャープで音数が少ない筈なのにそんな気がしないサウンド。それに乗っかる彼女の怒りや違和感やメッセージが込められた歌詞。ここまでも既に彼女のこんな魅力が存分に発揮されたステージングなのだが、ここからもっと続いていく。「スケボーマン」「新聞」と、テンポが抑えられたゆったりとして曲が並ぶが、それも全て根底には彼女の魅力がぎっしりと詰まっている。思わずクラクラしたのは、太陽の光が強かっただけじゃなく、彼女のこういう魅力に僕がやられてしまったからだろう。

事務所の竹原ピストルのライブを見て書いたという「痛ぇ」を経て、ライブは終盤戦。またまたテンポの良い曲たちが並ぶ。ラストとして演奏された「モチベーション」は曲間でギターソロとドラムソロの掛け合い→そしてそのふたつが一気に混在していくうねりのような演奏を魅せる。その間肝心のNakamuraはと言うと、めちゃくちゃノリノリになりながらめちゃくちゃiPhoneで写真を撮っているのである。その圧倒的なフリーダムさが、この唯一無二なサウンドや楽曲を生み出しているのだと膝を打ったような気分になった。

狂騒とも言えるような「モチベーション」でNakamuraEmiのアクトは終わった。...が、少し時間が余ったとのことで記念撮影。ふとNakamura本人の顔をまじまじと見てみると、ものすっごい笑顔。思えば演奏中も一貫してまるで少女のような破顔で、音に合わせて身体を動かし、そして時には淑やかに時には魂を焦がすような歌声を僕ら観客に聞かせていた。これからの彼女にも大注目だ。

ここで少し時間がまた出来たのでLEGO BIG MORLシシド・カフカのアクトを遠目に見てみたり、会場内のフリーマーケットを覗いたりする。LEGO BIG MORLがライブを行ったRESPECT STAGEは坂になっていて、ちょっとライブを見るには疲れてしまうような気もするが、その分演奏している姿はとても見やすくなっていた。演奏をゆっくりと聞きながら、ひと休憩。こういう感じで肩肘張らずにちょっと覗いてみる、というのもフェスの魅力。ワンマンライブじゃこういう見方は出来ないし、しないよなぁと。

16:50~ RESILIENCE STAGE チアキ(ex.赤い公園

一通りブラブラしたり、ながら見が終わると、この中津川ソーラーの中でも1番小さくて、そして1番高い位置にあるRESILIENCE STAGEへと足を向ける。気付けば陽が傾いてきて、中津川ソーラーの会場はサンセットの暖かく優しい日差しに包まれる。太陽光発電によって開催されているこのフェスを、こうして楽しめているのも太陽のお陰だなと、感謝をしながら夕陽を眺めつつ、ステージへと急ぐ。

開演20分前にはもうリハーサルは始まっていた。元赤い公園ボーカルの佐藤千明こと、チアキのステージだ。先程のNakamuraEmiのように歌うわけではなく、彼女のリハーサルは声を出しながら音の出を確認するに留まった。力強い迫力も、流れるような美しさも併せ持つ彼女の歌声。リハーサルの時点でそんな彼女の歌声に篭った魅力の片鱗が顔を覗かせていて、期待は否応もなく高まる。

昨年夏のライブを最後に赤い公園を脱退して以降、ソロ歌手としての活動もこれから増やしていくという感覚でやってることもあって人も決して多い方では無いが、赤い公園時代から彼女を知っていた人が見に来ているのかなと。

定刻になるとRESILIENCE STAGEに一人の男性が姿を現し、ステージ中央右に置かれたキーボードの前に座る。夕陽の中で聞くのにはピッタリな、柔らかくあたたかさを感じるようなピアノの音色がRESILIENCE STAGEを包む。キーボードを務めるのはチャンポンタウン、溺れたエビ!のメンバーで、チアキのバックを務めるチアキバンドのメンバーでもある赤松憲。彼の演奏と共に、既に出てくる時から楽しそうにステージに立ったチアキ。一礼すると、おもむろに歌い始める。

彼女のソロとしての音源はまだどんな媒体でもリリースされていない。だが、今回演奏した4曲はどれもポップで、なおかつ今までの赤い公園としての佐藤千明ではなく、いちミュージシャンとしてのチアキの魅力が存分に詰まったものだった、ということだけは明確にここに記したいと思う。天まで届きそうなほど伸びやかで気持ちの良い唄声と、ピアノゆったりとした音色と、この夕陽に包み込まれたステージと。その全てがここまでの疲れや、それ以前からの仕事や人間関係による疲労もストレスも何もかもを浄化させてくれるような。そんなステージだった。

今回はピアノ伴奏によるアレンジだったが、音源化された時にどんな歌になるんだろう。今回の中津川での彼女のステージは、彼女の新しい活動を心待ちにしたいと思えるアクトだった。

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17:20~ REALIZE STAGE 土岐麻子×Rei

RESILIENCE STAGEのある高台から一気に(そして安全に気をつけながら)駆け下りて、REALIZE STAGEへ。ギリギリ滑り込みで土岐麻子×Reiのステージを見る。

辺りが暗くなりだした17:20の定刻通りにバックバンド、そして土岐麻子Reiの両名が姿を現す。同じ音楽事務所に所属し、元々両者の親交も深かった2人だが、こういったコラボでのステージは初とのこと。そして僕自身も土岐麻子Reiもライブを見るのは初めて。今回初めてステージを見るミュージシャンが実は沢山いて、そういういい意味でつまみ食い的に音楽を楽しむのも良いなと思うのだ。そしてハマるミュージシャンが居れば、ワンマンというフルコースを食べに行けば良い。

そんな土岐麻子×Rei、1曲目は「Mister Sandman」。50年代洋楽のコピーであるこの曲は、2人とバンドメンバーのハーモニーが特徴的な1曲。ちょっとアダルティというか、美しい大人な雰囲気がREALIZE STAGEに漂う。

Reiの英語と、それを翻訳する土岐麻子という形式での挨拶が終わると、1度土岐麻子は舞台袖へ。Reiによるオールド感のあるロックンロール・サウンドが特徴的な「JUMP」へ。先程までの「Mister Sandman」とは全く趣の違う楽曲に思わず舌を巻く。

「JUMP」が終わると今度はReiが舞台袖へ。代わりに土岐麻子が再度ステージに上がると、mellow yellowを淑やかに演じる。情景描写豊かなこの曲に、思わず自分や自分にとっての「きみ」を重ね合わせたオーディエンスも沢山いた事だろう。

土岐麻子Reiの出会い(Reiは元々土岐麻子の楽曲をいちファンとして聞いてたのだとか)に続いて、「もっとお互いを知るために好きなものしりとりを」と歌われたのは土岐麻子「私のお気に入り」。様々な心躍る言葉たちが休みなく展開されるこの曲の2人の掛け合いがなんともピッタリで、本当にコンビとして今までのやってきていたかのような貫禄のようななにかすら感じさせた。

土岐麻子「SUNNY SIDE」でREALIZE STAGEをジャジーなウットリとしてしまう雰囲気にすると、続いて演奏されたのはRei「Route 246」そしてCOCOA。バンドのグルーヴがどんどん高まっていく高揚感と、Reiの巧みなギターテクニックと、まだまだ25歳という若さが爆発したかのような見ているこちらまで元気を貰えそうな熱演に、思わずこちらのテンションも上がってしまう。

そして「STRIPE」土岐麻子の楽曲はReiとは良い意味で真逆で、大人の余裕や大人ならではの視点を感じて仕方が無い。まさに夏の終わりの季節に相応しいこの曲、この場で初めて聞いたのにも関わらずまるで今年の夏がフラッシュバックするような気持ちにさせられた。

時折別のステージから(DJダイノジ)聞こえてくる音に思わず笑ってしまいながらも「名残惜しい」と話す2人。最後に演奏されたのはMichael Jacksonのカバーで「Human Nature」。カバーで始まりカバーで終わったこのライブ、なんだか全編にわたってポップスにある平和性みたいなものをとても顕著に感じさせた。

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土岐麻子×Reiのライブが終わると、DJダイノジをチラ見(1番小さなRESILIENCE STAGEなのにめちゃくちゃ人が溢れてた)しつつ、藤巻亮太のステージを遠くからのんびりと聞く。レミオロメンのボーカルとしてデビューし、今はバンドは活動休止中でソロ活動を積極的に行っている藤巻亮太。ソロとしての出演だったが、レミオロメンとしてのナンバーである「太陽の下」「南風」「雨上がり」「3月9日」そして「粉雪」を惜しげも無く連発するセットリストで、レミオロメン世代と言っても良いくらいに当時流行の中にいた僕としては、思わずテンションが上がらずにはいられなかった。

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19:30~ REDEMPTION STAGE 打首獄門同好会

藤巻亮太のライブが終わる頃には辺り一面真っ暗。ここまでこのフェスを支えてくれた太陽に感謝をしつつ、本日2度目のREDEMPTION STAGEに向かう。初出演にして、ステージとしては2番目の大きさを誇るREDEMPTION STAGEのトリを任されたのは打首獄門同好会。生活密着型ラウドロックバンドの彼ら、今年の3月には日本武道館公演も大成功に収め、最も勢いのあるバンドの1組と言える。

というわけで始まる前から溢れんばかりの観客がREDEMPTION STAGEに集まっている。僕が着く頃には既にリハが始まっていて、「カモン諭吉」や「まごパワー」などの、2~3年前ならライブのハイライトになったであろう曲を既にリハの段階から演奏しているのだから、彼らのここ数年の破竹の勢いを感じずにはいられない。思えば僕がキャバ100とか200のライブハウスで彼らのライブを見ていた3、4年前がもはや懐かしい。その何倍もの人が今、このREDEMPTION STAGEに集まって、彼らのライブを今か今かと待っている。それだけで僕はもうなんだか泣きそうになってしまうのである。

定刻になると彼らの入場恒例のバックドロップシンデレラ「池袋のマニア化を防がNIGHT」のイントロと共に勢いよくメンバー3人が入ってくる。ボーカルギターの大澤会長、ドラマーの河本あす香、ベースのJunko、その裏には2人のVJ。そしてステージには大きな画面。この辺りの映像演出と、それに伴う「VJ」と言う役回りも彼らの大きな特徴だ。

リハの時に配られていた(個人的にここでの観客のマナーが悪過ぎてかなり辟易とした)「光らないエコなペンライト」こと「うまい棒」。ということはもちろん演奏するのは「デリシャススティック」!!矢継ぎ早にうまい棒の味の応酬に、思わず観客全員顔がほころぶ。なのにサウンドはバッキバキにゴリッゴリのラウドロックなのだから、頭がおかしくなりそうだ。

「会場で熱気球が飛んでいたから、僕らもああいうのを飛ばしたい」と言って歌われたのは「島国DNA」。観客の頭上を、まるで本当に生きている魚のように飛び回る魚型の浮き輪、そして「魚(うお)!!魚(うお)!!」「貝!貝!」コールが地鳴りのように巻き起こる。

「1970年代から続く日本最大の内戦の物語」という前フリから歌われたのは「きのこたけのこ戦争」。なるほど確かにアレは内戦だ、と思いながら見ていると前方ではウォールオブデス。真ん中で分かれてカウントのタイミングでぶつかり合うアレを「きのこたけのこ戦争の最前線」と銘打って行われる。僕は割と後方で見ていた(正直この段階で体力はほぼ0でした...)のでその最前線をゆっくり見守っていました。曲のテーマに対するライブのお約束の組み込み方が上手すぎるなと思わず感心。

「エコなペンライト」うまい棒に引き続き「エコなエンターテインメント」という触れ込みでメンバーはおもむろにピンク色の被り物を被り出す。岩下の新生姜こと「New Gingeration」だ。曲のテーマだけでなくフェスのテーマにもキチンとコミットしてくる打首獄門同好会と、それにしっかりとノッかり、笑うところは大いに笑う観客(ここまであまり書いてこなかったが、MC中も曲間も基本的にずっと爆笑の声が聞こえてる状態)と、ライブ全体の雰囲気も良い。

新曲なのにもうすっかりライブに定着している「はたらきたくない」に200万%の共感を覚えつつ、大澤会長の「人を共感させてしまうテーマ作り」の人間離れした巧みさに思わず舌を巻く。音楽が人に好かれる為には共感してもらうのが正攻法だが、その中でもめちゃくちゃ邪道なのにめちゃくちゃど真ん中という、矛盾しているようだけどこの言葉でしか説明できない何かを体現してしまう打首獄門同好会、やっぱりすごい人たちだ。

新曲に続いて歌われるのは大ヒット曲、そして彼らの推しも押されぬ代表作「日本の米は世界一」!日本に、米に、美味しい食卓に、感謝を捧げるこの曲は、きっと日本国民誰もがその大小を問わずストンと胸に落ちる何かを感じてくれる事だろう。観客のボルテージもまさに最高潮。「世界一!!」という日本の米への賛美が中津川の夜空にこだました。

普段だったらここで終わるであろうライブだが、会長は舞台を降りようとしない。翌日が振替休日で休みであることを踏まえ、このフェスで遊び疲れ果てるであろう皆さんのライブ後に捧げる歌、と言って始まったのは「フローネル」!風呂はいって速攻寝る!!明日は休みだから二度寝する!!という、もう人間のDNAに刻み込まれているであろう欲望がそのまんま曲になった、みたいな歌だ。ライブ後、そして明日の朝に思いを馳せながら、僕の中津川ソーラーはこの曲で幕を閉じた。

まとめ

僕自身、こういう複数ステージ制のフェスは初めてで。それはきっと自分の中のどっかで無意識的にフェスという場所への偏見も多かれ少なかれ存在したんだろうけど、そんなものは全く気にならなくて、むしろホントにずーっと1日中楽しむことが出来ました。音楽がずっとどこかで鳴っているっていう、その環境が僕みたいな音楽好き・音楽バカにはもう幸せ以外の何物でもなくて。音楽好きだけどフェスに偏見持ってる人も1度飛び込んでみた方がいいなぁって思ったりしました。フェスも段々ジャンルで棲み分けされ始めたから、きっと貴方にピッタリのフェスがあるはず。

中津川ソーラーに関して言えば、フェスそのものの趣旨も、実際の雰囲気も、もう全てが途轍なくピースフル。小さい子が遊んでたりして、家族連れでも気軽に来れるフェスって良いなと思ったし、音楽以外のコンテンツやフードも充実してたし、そのどれもがやっぱりピースフルで。ホントにド頭のDJダイノジの大谷さんの「戦争から最も遠い景色だ!」って言ってたのがもうこのフェスの全てを物語ってたんだなと。めちゃくちゃオシャレでめちゃくちゃ楽しくてクリーンで、誇張じゃなくてちゃんとお祭りって感じで本当に楽しみました!クリーンで、ピースフルで、愛に溢れた音楽フェス、それが「中津川 THE SOLAR BUDOKAN」でした。

また来年、中津川に帰れることを、夏のシメは中津川で迎えれることを楽しみにしています。

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