絶対に推していきたい吉澤嘉代子の「魔法的」で「多面的」な名曲10選
連日のように吉澤嘉代子の歌を聴いている。行きつけのTSUTAYAには彼女の作品がすべて揃っているわけではなかったので、取り寄せレンタルまでした。店にもよるのかもしれないが、僕が行ったTSUTAYAでは検索機に自分のメールアドレスや電話番号を入力しなければならず、5枚借りようとしたら5回同じ情報を入力しなくてはならなかった。それが苦にならない程度には、彼女の歌が聞きたくて仕方がなかった。一応、今現状で手にはいる彼女の音源はすべて揃えて一通り聞いてみた。
そんなファンになりたてホヤホヤなふじもとがお送りする「絶対に推していきたい吉澤嘉代子の「魔法的」で「多面的」な名曲10選」。なるべくネット上で聞ける曲を中心にチョイスしてみました。是非彼女の様々な色・景色・表情を楽しんでください。
ものがたりは今日はじまるの feat.サンボマスター
サンボマスターとのコラボレーション楽曲。元々吉澤はサンボマスターに恋焦がれ、サンボマスターに会いたくて歌手になったと公言していることもあり、念願のコラボレーション。曲はサンボマスター節前回のメロディと歌詞。アレンジはかなり吉澤嘉代子らしい感じにはなっているが、それでもサンボマスター感がむちゃくちゃ強い。なのに彼女が歌うと途端に吉澤嘉代子の世界観にガッチリとハマってしまうという、彼女の持つ多面性が改めてよくわかる1曲。MVの吉岡里帆もよい味が出ている。自分の物語は、いつ、どんなキッカケで、どこで始めたってかまわないことが強く胸に焼き付けられるよう。
未成年の主張
アイドル歌謡全開な1曲。誰かを好きになったときの瑞々しい感覚、自分の気持ちを言いたくて仕方ないけど、いざ相手を目の前にしたら言いよどんでしまうあの感覚。余計な表現や寄り道をせず、まっすぐ「あなたが好き」な女の子の気持ちがストレートに書かれた歌詞は聞いていて気持ちよさすら覚えてしまう。もう大人になったら忘れてしまうような「未成年の主張」がこの曲にはこめられている。
泣き虫ジュゴン
打ち込みサウンドと歌詞の「海」というテーマが絡み合うように耳に溶け込んでいく。不甲斐ない自分を嘆きたいときに聞いたらスゴク泣いてしまいそう。
夢に滲んだ涙なら 茶化されたって構わない
涙の果てに夢があるならば、その涙も美しいものである。
綺麗
こちらも80年代歌謡曲のエッセンスを色濃く含んだ彼女の代表曲。ホーンが鳴り響く、万華鏡の世界に飛び込んだみたいなキラキラした唯一無二のポップサウンドからは、彼女がポップシンガーとして生きていく覚悟みたいなものすら感じてしまう。
硝子色の時間 封じ込めて
貴方のまばたきで
街灯に浮かんだ 恋する私を ああ
硝子色の時間 封じ込めて
私を綺麗だって 思ってくれてたなら
いいないいな
言葉もキラキラと輝いているよう。恋する女性の気持ちが純度100%で言葉になっているような。自分のことだけを綺麗と思ってほしい、というのはエゴのようだけど、そのエゴも含めて愛してしまいたくなるような1曲。
movie
「泣き虫ジュゴン」と同じように、こちらも打ち込みが印象的な1曲。
ゆるやかな地獄が日常の顔をして
くるんだ毛布のぬくもりを奪い去る
哲学的な歌詞の中でも特に印象的なフレーズ。「地獄」はいつだって日常の中に潜んでいる。「日常」がテーマのアルバム「東京絶景」の1曲目がこの歌、というのもゾクゾクしてしまう。
ユキカ
「初恋」の気持ちを瑞々しく、素直なフレーズで描いた、まさにドラマチックな1曲。
「未成年の主張」をより煌びやかに、より日常的にしたのがこの曲だろうか。
自信なんて奪われて それでも私は
このフレーズがスゴク良い。何気なく聞いてるとスルーしちゃいそうな一節ではあるのだけど、恋愛してるときの「自分と相手は釣り合っているのか否か」みたいなところからはじまる「自分の自信の喪失」って物凄くあるあるというか、恋愛してる時の気持ちがココに集約されているよなぁと思う。
ストッキング
若手ピアノロックバンドの新曲のような、躍動感のあるイントロ。子供の頃は大人になりたかったハズの大人が、少女時代を想い描く歌詞。この歌に「ストッキング」というタイトルを掲げるところもスゴクいい。
うそつき
弦楽器のシリアスなハーモニーから生まれる歌謡チックな雰囲気と、禁断の恋をしてしまった少女の物語を紡ぐ歌詞。
教室は道徳の檻
という一節にハッとさせられる。学校、あるいは各教師が考える「道徳」というモノに縛り付けられる生徒は、まさしく檻に閉じ込められた罪人のようである。
許されないのなら いっそ
あなたの恋人に抱かれたいと思った
この辺のちょっと発想が飛躍し過ぎてる感じも学生ならではな感じがしてよい。
えらばれし子供たちの密話
最新作「屋根裏獣」からの1曲。ソウルフルで、なおかつラップのような韻を踏む歌詞はそれまでの吉澤作品にはあまり見られなかったソレである。サスペンスのような歌詞に物凄くドキドキとしてしまう。「連絡網を使って、2人で親を殺して楽園へ行こう」なんてストーリーを設定して、音に乗せて曲にして、あろうことかポップスに仕上げるなんて、吉澤嘉代子にしか出来ないだろう。
残ってる
最新作にして最高傑作。触れただけで割れてしまいそうなガラス玉みたいな歌声と、女性ならでは、吉澤嘉代子ならではの繊細で豊かな情景描写。揺れ動く感情をありのままに、だからこそ美しく聞こえるこの歌は、間違いなく吉澤嘉代子史上最高傑作であり、吉澤嘉代子のこれからの活動に欠かせない楽曲になるだろう。
如何でしたでしょうか。僕が今年1番ハマったミュージシャンが吉澤嘉代子でした。何本記事書いたんだろうなぁ。彼女が生み出す世界観、曲によって変化する歌声。その全てにハマったと言っても過言ではない。まだ聞いたことがない、なんていう人がいるならば是非聞いてみてほしい。本当に色んな人にお勧めしたいミュージシャンです。