私の好きな音楽~クリープハイプ編~

fujimon-sas.hatenadiary.jp

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この企画、自分ではそれなりに気に入っているのだが、果たして需要があるのかは甚だ疑問ではある。。。

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クリープハイプを認識したのは2012年にリリースされた「おやすみ泣き声、さよなら歌姫」のPVをたまたまYouTubeで見た時だった気がする。

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今となってはもう見れないが、当時はフルでの視聴が可能だったように思う。高校3年生だった僕に、薔薇の花びらの中で狂ったように歌う尾崎世界観がとても淫靡というか、「見てはいけないモノ」として映っていた。

2012年末、ラジオ番組「桑田佳祐やさしい夜遊び」にて「桑田佳祐の選ぶ邦楽ベスト20」が放送された。「おやすみ泣き声、さよなら歌姫」が8位にランクインした。自分が尊敬して止まない桑田佳祐が認めたバンド、という事実だけで僕が彼らの音楽に興味を持つ理由としては十分過ぎた。

2013年、クリープハイプに初のタイアップがついた。「憂、燦々」。アネッサの日焼け止めCMソングという、夏うたの登竜門的なCMに彼らが抜擢される、ということは世間的にも割と衝撃的だったのではないだろうか。彼らのことを忘れかけていた僕もこのCMで再びクリープハイプというバンドと巡り合うことになった。

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「愛しいだけじゃ足りないし 嬉しいだけじゃ不安だし 優しいだけじゃ意味ないし」

「連れて行ってあげるから 憂、燦々」

「離さないでいてくれるなら 何でも叶えてあげるから」

「憎しみだけじゃキリないし 悲しいだけじゃ不満だし 厳しいだけじゃ笑みないし」

「連れて行ってあげるから こっちにおいでよダーリン」

「離さないでいてくれるなら いつでも許してあげるから」

 

 

衝撃的だった。CMへの抜擢じゃない。曲そのものが衝撃的だったのだ。明るいのに影があって、幸せなのに切ない。胸がチクチクと痛んで、泣きそうになる感覚。

8月、MUSIC STATIONクリープハイプが「憂、燦々」で出演することになった。同じ回にはサザンオールスターズが出演した。「おやすみ泣き声、さよなら歌姫」を褒めていた桑田と尾崎が共演しているのを見て興奮したことを覚えている。パフォーマンスは決して100点と言えるものではなかった。歌詞はトチってたし、音程も余り好調ではないように聞こえた。それでも、初めて見る彼らの演奏姿に心打たれた。

それからしばらくしてTSUTAYAで彼らのCDをすべて借りてきた。とはいえ、当時大学1年の僕はそれなりに忙しく、ゆっくり聞いている余裕はあまりなかった。ウォークマンに入れるだけ入れたままにしていた。

10月26日、名古屋商科大学で開催されたBase Ball Bearの文化祭ライブに参加した。名商大は片道2時間ほどかかるような距離にあり、帰り道は誰も乗っていないようなローカル線にずっと揺られていた。そんな時、ふとクリープハイプのアルバムを再生してみた。インディーズ時代の作品のヒリヒリとした焦燥感、汗の匂いがしてきそうな生活感の漂う歌詞、今まで聞いてきたどんな曲とも違った。大学生になって自分でお金を稼いでライブに行く生活が徐々に始まっていた僕にとって、彼らの曲は大人になるための薬のようだった。

当時、気になっていた女の子と2人でよくカラオケに行っていた。お互いに歌うことが好きで、気になる曲を(結果的にだが)教えあったりもした。「憂、燦々」を聞いた彼女はとても気に入ってくれていた。それ以来、「憂、燦々」は僕にとって特別な曲になった。

2014年、突如ベスト盤のリリースが発表された。発表といってもビクターのサイトのみで発表されていて、クリープハイプの公式HPは沈黙を貫いていた。その時点で割と違和感を覚えていたが、尾崎世界観のツイートによってその違和感の理由が明らかになった。

 

どうしても伝えた事があるので1回だけツイートします。 音楽を聴く人の力を信じてます。http://t.co/RMaOA7L0Vj

https://twitter.com/ozakisekaikan/status/433571195699482624

 

残念なことにリンク切れしているようなので彼らの発表を画像にしたものを載せておく。

 

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残酷だ。大人の世界はどこまでも残酷だった。本人達の思いもしないところで平気でこんな事をする。反吐が出そうだった。

この発表からしばらくして、突如Ustreamクリープハイプから重大な発表をすることとなった。開始時間を不安な気持ちで待ったことを覚えている。定刻、僕の小さなiPhoneの画面に、小さなライブハウスに立つメンバー4人が映し出された。尾崎世界観がおもむろに喋りだしたと思えば、ビクターからユニバーサルへの移籍を正式に発表した。そして発表されたベスト盤通りのセットリストで演奏を始めた。彼らの執念というか、転んでも全くヘコたれない精神に心を打たれた。

その年の5月、上記した女の子の誕生日にそのベスト盤をプレゼントした。勿論、買うことには抵抗があった。しかし曲に罪は無いと思ったのだ。色んな曲を聴いてほしかった。それ以上の意味はそこになかった。彼女はとても喜んでくれた。それだけで満足だった。

14年夏、初めてクリープハイプのライブに参加することになった。名古屋は金山にあるフォレストホール。ドキドキしながら向かったことを覚えている。ヒリヒリとした焦燥感に加え、愛を感じる彼らの曲、そして声にどこまでも惚れ込んでいた。

 

その後も曲は追い続けてるし、ライブにも精力的に参加している(最近行けてないけど)。もうすぐアルバムが発売される。彼らの存在は僕にとって大人への階段であり、彼らの楽曲の本質を理解することこそが大人になった証だと思っている。色んな事があったバンドだし、色々なことを言われているバンドだけれど、彼らの持つ愛情の深さは他のバンドを圧倒的に凌駕すると思っている。次のアルバムはどんなことを僕に教えてくれるのだろう。

 

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