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雑記

カルチャーが好きなだけ。

詞の好きなミュージシャン

桑田佳祐サザンオールスターズ

やはりこの人の歌詞は素晴らしい。
その特徴の一つに「振り幅の大きさ」があると思う。爽やかな夏歌・エロス・社会風刺・応援ソング...他にも沢山。こんなに多岐に渡る楽曲を書けるのは長い長い日本の音楽の歴史の中でも彼くらいなものなのではないだろうか。
 
「コバルトブルーの涙の海で / 人魚のような恋に溺れたなら / 接吻より甘く永遠より永く / 濡れた身体に愛をください」(涙の海で抱かれたい~SEA OF LOVE~)
 
「ささやくだけでいい よがり声にはなえてく / まるで誰か知らぬ人と寝てるように / 振るまえりゃ / 指でさぐることなど辛い / In your socket」わすれじのレイド・バック
 
「外で遊べない Computer-Child / Oh,yeah Don't be wrong!! Don't be wrong!! / おとぎの国は Material-World / Oh,yeah Don't be wrong!! Don't be wrong!! 」(Computer Children)
 
「適当に手を抜いて行こうな 真面目に好きなようにやんな 我れ行く旅の途中は 予期せぬことばかり / 歩みを止めたきゃ言いな 悩み多き時こそ笑いな 我が胸の奥の葛藤や身を切るような絶望も Oh,yeah」(それ行けベイビー!!)
 
特に素晴らしいのはやはり「恋愛・失恋におけるダメ男」を描かせた時だろう。
 
「惚れてフラれた人の名を 酔ったフリして呼んでみた / あの日から大人になれなくて 独り身じゃ眠れない」(SEA SIDE WOMAN BLUES)
 
「情けない男で御免よ / 愚にもつかない俺だけど / 涙を拭いて 嗚呼 夜汽車に揺れながら」(祭りのあと)
 
「好きあうほど  何も構えずに  普通(ただ)の男でいたい」(LOVE AFFAIR~秘密のデート~)
 
なんて女々しいんだ。こういう歌詞にくっそ共感してしまう自分もまたダメ男なのだと悲観的になる。
 
彼の書く歌詞は一貫して私小説的。特にアルバム「新呼吸」〜「二十九歳」あたりの歌詞は凄かった。
 
「足りないものなど 何もないのに 足りてない / 本当に欲しいもの わかってないのに 足りない」(光蘚)
 
「定点観測した 僕の日常は / ありふれたであふれた つまらないもの / 偽物みたいな 食事を済ませたら / 見せかけの白いシャツを洗う / ただくり返すだけでさ すでに飽きてる /「ささやかな幸せこそ」/ それもわかってる」(新呼吸
 
「何も変わらない部屋の中 / 何も起きない夢を見てる / 夜の充満を察知して 空気清浄機が動いてる / 僕は目をあけて 見つめた 見えない天井 / 静けさの奥で 隙間をうめるように鳴る シンセサイザー」(kodoku no synthesizer)
 
また、Base Ball Bearの永遠のテーマの一つでもある「青春」の描写もとてもキレイだ。ただ綺麗事を並べるんじゃなくて「青春の痛み」とか「辛さ」も込みで描かれているからたまらない。
 
「ゼッケン5追いかけ 胸鳴りの夏 / 焼却炉 煙が少し悲しい秋 / 君に逢いたい 電飾の冬融かして / 誰よりも早く半袖を着たい春」(こどなの階段)
 
「風になびく 白いシャツが綺麗 / 青い空が どことなく哀しい / 二度と無い季節が 通り過ぎていくよ / 何も無い感覚 昇っていく階段」(17歳)
 
「青空を眺めては 説明できない気持ちをかざしてた / 何もなくすべてがある日々に、さようなら / 君におめでとう」「さぁ これから何処へ行こう 一人でさ / 若者のゆく先に光あれ / 君に、おめでとう」(若者のゆくえ)
 
詩集が出ているので是非手に取ってみて欲しい。
 
間の人―小出祐介詩集

間の人―小出祐介詩集

 

 

檸檬タージュ―小出祐介詩集

檸檬タージュ―小出祐介詩集

 

 

尾崎世界観クリープハイプ

彼の書く歌詞を語る時、外せない3つのことがある。
①エロティックな歌詞
②怒りによる歌詞
③切なさのある歌詞
これらが重なることで生活感の強い、例えるならワンルームの汚い部屋みたいな歌詞が出来上がっているのだと思う。
まず①。サザンオールスターズ桑田佳祐とは全く違うベクトルながら、エロティックな歌詞を多く書いている。
 
「蜂蜜みたいな味がするなんて / 嘘ついて 嘘ついて 嘘ついてくれてありがとうね / 蜂蜜みたいな味がするなんて 嘘ついて 嘘ついてくれた」(蜂蜜と風呂場)
 
「君は本当にうまいよなぁ 全く歯が立たないよ / 君は本当に狭いよなぁ 全く間が持たないよ」(エロ)
 
「出会ったあの日は 103です / それからの毎日は 307です / 別れたあの日は 403です / 一回位 減るもんでもないし」(ラブホテル)
 
かなりディープで深い描かれ方をしていると思う。桑田佳祐のエロ歌詞が童貞的とするならば、尾崎世界観のエロ歌詞はヤ○チン的とでも言おうか。
 
②怒り。彼の制作のモチベーションは怒りが強いのだと思う。それくらい何かに怒っていることが多い。
 
「感情の波を掻き分けて愛情の海を泳いでる / 凄く大好きだったのにあのバンドのメジャーデビューシングルが / オリコン初登場7位その瞬間にあのバンドは終わった / だって私のこの気持ちは絶対シングルカットできないし
「曲も演奏も凄く良いのになんかあの声が受け付けない / もっと普通の声で歌えばいいのにもっと普通の恋を歌えばいいのに / でもどうしてもあんな声しか出せないからあんな声で歌ってるんなら / 可哀想だからもう少し我慢して聴いてあげようかなって / 余計なお世話だよ」「愛してる / 今も愛してる / 今も愛してる / 今も愛してる / 愛してる / 今も愛してる / 今も愛しているのよベイベー」(社会の窓
 
特にこの「社会の窓」の歌詞は絶品だ。自らのデビューに伴う見当違いな批判を真っ向から曲に仕上げてる。その上でサビで「愛してる」と連呼する様は狂気すら感じる。
 
そして③。切なさのある歌詞。
①、②とは真反対の要素ではあるが、この3つが揃ってこそクリープハイプの本質だと思う。①、②があるからこそ③が光るし、逆もまた然りなのだ。
 
「無理やり嘘にしないで答えてね / 今何考えてる? / あれからのことも これからのことも / 今何考えてる? / それなら それなら それでは さよなら / 鍵はポストに入れといたよ / これから これから いまから さよなら」(2LDK)
 
「終わったのは始まったから / 負けたのは戦ってたから / 別れたのは出会えたから / ってわかってるけど / 涙なんか邪魔になるだけで / 大事な物が見えなくなるから / 要らないのに出てくるから / 余計に悲しくなる」(百八円の恋)
 
「君の髪が白くなってもそばにいたいと思ってるよ / あたし髪が白くなる位ずっとそばにいたいよ」(寝癖)
 
彼はindigo la Endで失恋の喪失感を描かせたらピカイチだ。勿論、ゲスの極み乙女。で描かれる難解な歌詞も面白いが、やはり僕はindigo la Endの歌詞が好きだ。キレイだ。
 
「悲しくなる前に / あなたを忘れちゃわないと / 無理なのわかってるの / と夜更けに向かって走った / 涙が枯れたらさ / またあなたを思い出すの / 触れるか触れないかで / 心臓が揺れるよ / 抉るような声で / また呼びかけてよ」(悲しくなる前に)
 
「「もうあなたを忘れてしまう」 / 涙を浮かべた君は / 病のことをしどろもどろに」(幸せが溢れたら)
 
「一度だけあなたに恋をした / たったそれだけの話です / 僕は星の数のほどの記憶を / 忘れそうになっては思い出す / バイトのユニフォームの / ポケットから出てきた / 何てことない手紙であなたを好きになったんだ」(夜明けの街でサヨナラを)
 
⑤大澤敦史(打首獄門同好会)
彼は一貫して歌のテーマにしないようなモノをテーマに曲作りをしている。それは彼自身が好きな物を曲にしているからだ。これぞ究極のラブソングであり、彼の作る曲はホンモノの愛に溢れている。
 
「私を 二郎に連れてって / でもきっと 全部は食べきれないけど / あなたが 二郎に連れてって くれるなら / 私が力尽きても 残りの分は食べてね / 私を二郎に連れてって」(私を二郎に連れてって)
 
「ベリーうまい棒アイラブうまい棒 据え置き10円ミラクルプライス / ザッツうまい棒デリシャスうまい棒 変わらぬおいしさマジカルテイスト」(デリシャススティック)
 
「炭火の煙に巻かれた部屋で / とりどりの鶏を串に眺め / タレ塩山椒柚子胡椒 /  願わくば今晩もビール片手に / I LOVE 焼鳥」(ヤキトリズム)
 
「お風呂最高 お風呂最高 お風呂最高/温泉の素も入れたらいいじゃん / お風呂最高 お風呂最高 お風呂最高 / 百まで数えてのぼせりゃいいじゃんよ」(フローネル)
 
彼もまた私小説的な歌詞を書くアーティストの一人だ。「RADWIMPS 4」の頃までは恋愛をモチーフにした楽曲が多かった。「アルコトロニーの定理」以降、死生観や哲学といったものをモチーフにした楽曲が増えた。しかしそのどちらも一貫して高いクオリティを維持しているのは素晴らしい。
 
「もしも...本当にもしも... / 君も僕の事を思ってくれてたら / なんて考えてる僕を / どうか叱ってやってくれないか」(もしも)
 
「君の愛も 僕の意固地も / 明日を越えてゆけるかなぁ / 世界最終日その日の午後に残ってる方を 勝者として / この世でいざ今無敵なのは / 被害者敗者復活の時 / 自分消滅の3秒前に笑うのはそう僕のほうさ」(DARMA GRAND PRIX)
 
「この眼が二つだけでよかったなぁ / 世界の悲しみがすべて見えてしまったら / 僕は到底生きていけはしないから / うまいことできた世界だ 嫌になるほど」(狭心症
 
彼女の書く歌詞はどこか暗さを抱えていて、それが曲にも上手く反映されているのがとっても心地よい。デビュー当時16歳で「最後のkissはタバコのFlavorがした ニガくて切ない思い」とまで言ってしまう辺りやっぱり一流だし天才何だろうなと思わされる。
 
「ありがとう、と君に言われると/なんだかせつない / さようならの後も解けぬ魔法/淡くほろ苦い / The flavor of Life」
「信じたいと願えば願うほど/なんだかせつない / 「愛してるよ」よりも「大好き」の方が君らしいんじゃない? / The flavor of Life」(Flavor Of Life)
 
「青い空が見えぬなら青い傘広げて / いいじゃないか キャンパスは君のもの / 白い旗はあきらめたときにだけかざすの / 今は真っ赤に 誘う闘牛士のように」
「オレンジ色の夕日を隣で見てるだけで / よかったのになぁ 口は災いの元 / 黒い服は死者に祈る時にだけ着るの / わざと真っ赤に残したルージュの痕」(COLORS)
 
「言いたいことなんかない  ただもう一度会いたい / 言いたいこと言えない 根性無しかもしれない / それでいいけど」(Beautiful World)
 
彼もまた、私小説的な歌詞を書くことが非常に得意なアーティストのひとりだ。ポルノグラフィティは基本的に作詞作曲をどちらも行っているのだが、初期作品は特に彼の作詞が光っていたように感じる。
 
「清らかな、その心は穢れもせず罪を重ねる。 / 天国も地獄さえも、ここよりマシなら喜んでいこう。 / 「人は皆平等などと、どこのペテン師のセリフだか知らないけど」」(カルマの坂)
 
「温かいスープをひとすくい口へと運んで / 多分幸せはこんな味付けなんだろうって / いつもくだらない悩みで空腹を満たそうとしていた」(オニオンスープ)
 
「あなたを想うあまり 夜ごと僕を誘う甘い刹那 / 人は儚いものに なぜかこんな惹かれ続けてしまう」(渦)
 
「意味の無い嘘なんてつかない方がいい / 君を見てるとそんな風に思うよ / ラビュー・ラビュー・ラビュー・ラビュー・オー・マイ・ダーリン / この世界の 憂うつを消してくれ」(ラビュー・ラビュー)
 
チャットモンチーの元ドラマー。残念なことに脱退してしまったものの、チャットモンチーのくすぐったくなるようないいなぁと思える女の子らしい歌詞は彼女が書いていることが多かったと記憶している。
 
「家族写真はいつだって 和やかに色あせず / ひとりで暮らす部屋の中 微笑んでいるのです / 妹を抱いた母親と真面目すぎる父親と / まるで昨日のことのよう まるで昨日のことのよう」(親知らず)
 
「走り出した足が止まらない / 行け!行け!あの人のところまで / 誰にも負けたくないんだ / 風!風!背中を押してよ」(風吹けば恋)
 
「月を見て綺麗だねと言ったけど/あなたしか見えてなかった / あの光はね 私たちの闇を照らすため / 真っ黒な画用紙に空けた穴」(8cmのピンヒール)
 
脱退は実に残念だったけど、何らかの機会があればチャットモンチーに関わって欲しいなと思う。
 
Perfumeきゃりーぱみゅぱみゅはじめ、沢山のアーティストをプロデュースしてきた今や大ベテランプロデューサーである。彼は実に女の人の気持ちを歌にすることが得意だと思うし、彼のそういう歌詞はめちゃくちゃ好きだ。
 
「君をどんなに思い続けても / 私に出来ることなんかなくて / 夕焼けみたいに沈む気持ちを胸にしまい込む」
「願うなら さよならと笑えるより / 寂しいねっていってくれるよな そんなふたりがいい」(I still love U)
 
「太陽の日差しも恋する / キミの笑顔のキラメキは / 視線と視線合わせられない / 今すぐ逃げ出したいほどだから / きっと きっと 叶わない恋だから」(恋は前傾姿勢)
 
「これくらいの感じで いつまでもいたいよね / どれくらいの感じを寄り添って過ごせるの? / これくらいの感じで たぶんちょうどいいよね/わからないことだらけ でも安心できるの」(マカロニ)
 
 
まとめ
自分の好きな歌詞は割と一貫して「私小説的」で「切なさのある」歌詞が多い。是非こういったアーティストがもっといれば発掘していきたいし、こういうアーティストがもっと増えればいいと感じる。
 
最後に人生で一番好きな歌詞を。
 
「四六時中も好きと言って / 夢の中へ連れて行って / 忘れれない Heart and Soul / 声にならない」「こんな夜は涙見せずに また逢えると言って欲しい  忘れられない Heart and Soul 涙の果実よ」(真夏の果実