お問い合わせに関しまして

f:id:fujimon_sas:20181025003912j:plain

当ブログ運営者へのお問い合わせ・お仕事のご依頼などはこちらからどうぞ。必要なモノに関しましてはメールでの回答という形を取らせていただきます。

尚、お仕事に関しまして、現在会社員として働いている事もあり、あくまでも私の可能な範囲でのご依頼のみお受けさせて頂く形になりますことをご了承ください。詳細は別途ご相談の上で、という形を取らせていただきます。

 

【コラムのようなもの】ラブソングって本当に多いんですか?

f:id:fujimon_sas:20181205222835j:plain

「(日本の)音楽はラブソングが多すぎる」ってよく見る言説じゃないですか。音楽好きで音楽に関する色んな人の言葉とかTwitterとか追ってると週イチくらいで見かけると思うんですけど。音楽アカあるある。

恋や愛をテーマにした楽曲は確かに沢山ある。ヒットチャートを賑わせる曲の多くはラブソング。仮に全ての音楽を「ラブソング」と「それ以外」に分別したら、6~7割は「ラブソング」に分類されるような気がする。わかんないけど。だからみんな「ラブソング」が多すぎる、と口を揃えて言うわけで。

でも、僕の体感では別にこんなもんだろ、と思ってしまう。むしろ少ないくらい。

恋愛感情って人が持つ感情の中でも一番普遍的なモノだと僕は思っていて。それはなぜなら人間が生まれて真っ先に抱いて、死ぬときまで抱いてる感情が「愛」だから。誰かを鼓舞する気持ちとか、社会を風刺したり皮肉るシニカルな態度よりも、「愛」って感情のほうが早い段階で生まれるし、多分死ぬまで持ち続けてる。子供が生まれて、段々母親や父親を認識して、まずは家族に愛情を持つようになって、年を重ねて、初めて他人に恋心を抱いて、振られたりまた別の人と付き合ったりして、最愛と思えるパートナーを見つけて、永遠を共に誓って。そうやって人間は齢を重ねて生きていく訳で。人間が持つ感情の原点が「愛」だと思うんです。

そんな人が持つ最も普遍的な「愛」という感情が最も世の中で歌われているのは自然だと思うのです。ミュージシャンだって人の子だから、自分の思ったこと、感じたことで音楽を作るのは当然で。

無論、人生の多様化が進む中で、恋愛も結婚もしないって人も沢山いて、そういう人にとって音楽シーンは「ラブソングだらけでつまらない」のかもしれないんだけど、その人たちにとっても「愛するもの」はあると思うし、自分の枠にハマるラブソングがきっとあると思うんですよね。

宇多田ヒカルの「ともだち」って曲が僕は心底大好きで、この前ライブを見た時もこの曲が見れてめちゃくちゃ嬉しかったんですけど。

この曲ってLGBTの人の歌って言われてて、この曲がリリースされた時はそういう側面で広まった曲なんですけど、この曲って別にLGBTの人"にしか" 刺さらない訳じゃない曲なんですよね。自分の生物的な性別と同じ心を持ってる人で、立場とかそういうもので片思いしか出来ないって人の歌としても解釈・共感して泣ける構造にちゃんとなってる。

こういう風に、色んな人に刺さる構造のラブソングがもっと増えて欲しいし、そういう時代がもう訪れようとしていると思うんです。もっと幅広い意味とか解釈が出来るラブソングが増えたらいいなと思います。愛は偉大なり。

あなたは現在の音楽シーンにラブソングが多いと思いますか?少ないと思いますか?ご意見等、お待ちしてます。Twitterから是非どうぞ。

最後に僕が1番今年聞いたラブソングを。

Love Story

Love Story

ホント、この曲泣けるんだよな...

美しい旋律、歌声、言葉。吉澤嘉代子「みつあみクインテットツアー」名古屋公演レポ!【ネタバレ含】

f:id:fujimon_sas:20181209194254j:image

12月7日に名古屋BOTTOM LINEで開催された、吉澤嘉代子「みつあみクインテットツアー」を見てきました。今年のライブ納め。

吉澤嘉代子のライブを見るのは、3月の「ウルトラスーパーミラクルツアー」CLUB QUATTRO以来。年内になんとかもう一度見ることが出来て嬉しい限り。

ツアータイトルの「みつあみクインテットツアー」が示す通り、今回のツアーは五重奏によるクインテット編成で行われる。思えば前々回の「お茶会ツアー」はギタリストと2人きりというシンプルな編成で、前回の「ウルトラスーパーミラクルツアー」はキーボード、ベース、ドラム、ギターに加えサックスとトランペットという豪華な編成で、そして今回はクインテット編成での開催。3回のツアーはいずれもレコ発ツアーでないツアーいうこともあり、どのツアーもそれぞれのツアーならではの特色を持つ。ツアー毎に編成が異なるという他に類を見ない彼女ならではのライブの在り方に、毎ライブ発表の段階から驚かされる。これは吉澤嘉代子というシンガーソングライターが持つ自由な発想と彼女の楽曲の魅力があってこそ行えることだろう。

早速本編の話を。まずはセットリストから。

1. 鏡

2. ユキカ

3. 月曜日戦争

4. 胃

5. えらばれし子供たちの密話

6. 地獄タクシー

7. 人魚

8. 女優

9. 残ってる

10. がらんどう

11. 泣き虫ジュゴン

12. 綺麗

Enc.

1. さらばシベリア鉄道[大瀧詠一]

2. 東京絶景

3. 一角獣

ピアノと弦楽器の五重奏は、師走のこの時期に聞くのに相応しいクラシカルな雰囲気を漂わせていて、リアレンジされた楽曲は同じ曲なのにひとつひとつの音が新鮮に響く。打ち込みや豪華なバンドサウンド、ギターの弾き語りなど、元来から彼女の楽曲は1曲1曲がそれぞれ違った音楽性であり、それぞれ違ったサウンドが鳴っているが、原曲からアレンジが変わることによって曲が原曲とはまた違った意味合いを持ったような鳴り方をしていた。

例えば2曲目に演奏された「ユキカ」は、原曲では煌めくような恋心の表れとして打ち込みサウンドが印象的な1曲となっていたが、今回のライブでは恋をするひとりの少女の内面世界の中に迷い込んだかのような、軽やかでありどこかシリアスな印象に。そのシリアスさが「ユキカ」の歌詞の中でもとりわけ印象的な「あなたが好き」というフレーズを一層引き立たせていた。楽器が変わるだけで印象も随分変わるんだなと驚いたし、それこそが彼女の1曲1曲が持つグラデーションであり奥深さだ。

そしてその新しいアレンジを巧みに乗りこなし、「歌心」のある声を届ける吉澤嘉代子自身に思わず惚れ惚れとする。曲間のMCの時の吉澤は、ひとつひとつの言葉をゆっくり推敲して発していて、その彼女の人間味というか、言葉が持つ底なしの影響力を理解しているからこそ慎重に言葉を選ぶ姿が印象的なのだが、曲になると柔らかだったり、時には熱烈な歌声を迷いなくホール中に響かせる。曲によって歌声の印象が全く違う彼女の歌は、まるで歌詞を自分に憑依させている様。その詞を憑依させた歌声を一人一人の観客に届ける様は僕が今まで見てきたどんな歌手のなかでも誠実さに満ちていた。

彼女の歌詞の中には鋭利な刃の様な言葉も、スノードームみたいなキラキラした言葉も、とにかくたくさんの言葉があって、そのどれもが彼女ならではのワードセンスに光っていて、油断してると彼女の詞世界から戻ってこれなくなりそうな気持ちになる。「残ってる」の生々しい描写も、「東京絶景」の日常を「美しい」と肯定する姿も、そのすべてが人間味にあまりにも溢れすぎていて、だからこそ彼女の詞世界は美しい。その美しさに思わず引き込まれ、思わず日常を忘れそうになるほどだ。彼女の人間味溢れる楽曲は、人間の酸いも甘いもすべてを映し出していて、それがどうにもリアルだ。小手先の生活感に紛れ込ませた人間味・日常味じゃない、一見するとフィクショナルな世界に人間の本質を紛れこませて、見せつけ、曝け出すからこそ、彼女の紡ぐ言葉は、歌は、美しい。そんな彼女の美しさが、五重奏によって一層引き立てられていたライブだった。

今回のツアーは「女優姉妹」のリリース後のツアーだが、今回のツアーはあくまでも『五重奏で演奏される吉澤嘉代子の楽曲』を存分に聞かせるというコンセプトであり、「女優姉妹」アルバム曲の演奏は数曲に留まった。「鏡」「女優」という「女優姉妹」の中でもハイライトとなるような2曲の演奏は、2月からの「女優ツアー」の前哨戦ともいえるようなものだった。月並みな言葉だが、「女優ツアー」も益々楽しみだ。

彼女にとって2018年は躍進の年だった。そんな彼女のライブで今年のライブを納めることができたのは僕としてもとても光栄だ。とっても贅沢で美しい2時間でした。もっともっと、吉澤嘉代子の音楽が世間に広まることを、来年も益々の彼女の躍進を祈ってこの記事を終える。

女優姉妹 (通常盤)

女優姉妹 (通常盤)

 

 

「桑田佳祐 AAA 平成三十年度!第三回 ひとり紅白歌合戦」に見た日本歌謡の艶めきとこれからの「大衆歌手」の在り方とは?

f:id:fujimon_sas:20181203222615j:plain

24歳の僕が今思い返すと、物心つく頃に街で流れていた音楽は既に所謂「J-POP」というモノだったように思う。当時は宇多田ヒカル浜崎あゆみが既に中堅と言われるような存在で、大塚愛とかORANGE RANGE倖田來未辺りが若手として出てきたような、そういう時期から僕は音楽を意識的に触れるようになった。当時はそもそも「J-POP」という言葉も知らず、ましてや「歌謡曲」なんてものは自分の中の括りで言えば「演歌」に近いものだった。

あれから10年以上が経ち、自分の生まれた時代の終わりが近付く平成30年12月2日。音楽にのめり込んで、その過程で「J-POP」も「邦楽ロック」も、そして「歌謡曲」も聞くようになった僕は、僕自身の音楽的源流である桑田佳祐のライブビューイングを見ていた。

「平成三十年度!第三回 ひとり紅白歌合戦」と銘打たれたライブは、桑田佳祐のルーツミュージック、つまりそれは僕の音楽遍歴の”源流の源流”ということだが、である「歌謡曲」という大きなテーマが掲げられていた。桑田佳祐は日本語ロックを世に知らしめたボーカリストだが、彼のロックが世に認められたのは彼のロックが「歌謡曲とロック」のちゃんぽんだったから、と言われている。歌謡曲無くして桑田佳祐は無かった。

そんな彼の出自ともいえるようなテーマが掲げられた今回のライブは、「歌謡曲」という音楽ジャンルが持つ魅力を存分に体感出来る、そんな4時間だった。

f:id:fujimon_sas:20181203230152j:plain

続きを読む

ポストJ-POPバンド、cinnamonsの煌めきが止まらない!

cinnnamonsというバンドをご存知ですか?

f:id:fujimon_sas:20181127222743j:plain

昨年も何度かこのブログで取り上げたバンドなのですが、聞けば聞くほど好きになってしまってこうして改めてブログにその想いをしたためてしまっているのです。

2016年に結成されたcinnamonsは鈴木まりこ(vo,syn)、青山慎司(gt,cho)、あかねちん(ba)、eric(dr)からなる男女混成4人組バンド。タワーレコード新宿店限定でリリースした『a.m.e EP』が注目を集め、満員のフロアを沸かせたShimokitazawa SOUND CRUISING 2017を始め数々のサーキットフェスに出演。

「ポストJ-POPバンド」という名前が示す通り、彼女達の音楽性はどこまでもポップ。

続きを読む

宇多田ヒカル「Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour」に見た「希望」と「絶望」とは?【ネタバレ含】

f:id:fujimon_sas:20181123211427j:plain

 「希望」と「絶望」は、真逆なようでその実紙一重なモノ。希望を知らなければ絶望も知りえないし、その逆もまた然りである。

 宇多田ヒカルという日本を代表するシンガーが活動休止から復活した一昨年以降、彼女がリリースしたアルバム「Fantôme」、そして「初恋」。「Fantôme」は「死」という人類にとっての「絶望」を、そして「初恋」は誰かを想い続ける「希望」を描いた、宇多田ヒカルが「人間活動」のために休止した08年以降の彼女が経験した最愛の母の死と息子の誕生が作品にモロに反映された2作だった。

fujimon-sas.hatenadiary.jp

 そして歌手活動20周年を記念した、12年振りの日本国内全国ツアー「Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour」がこの秋から冬にかけて開催。11月22日の名古屋公演、幸運にもチケットを手にすることができた僕は、友人と共に名古屋ガイシホールへと足を運んだ。

続きを読む

「100万年の幸せ!!」に見る、さくらももこ先生の人間愛

桑田佳祐が2012年に発表した「100万年の幸せ!!」。アニメ「ちびまる子ちゃん」のエンディングテーマとして2017年まで使用され、音源としても12年リリースの「I LOVE YOU -now & forever-」に収録された1曲だ。

100万年の幸せ!!

100万年の幸せ!!

  • provided courtesy of iTunes
続きを読む

実験的?ポップ?マテリアルクラブ 1st AL「マテリアルクラブ」に見る新しい文法とは?

f:id:fujimon_sas:20181114204236j:plain

ソロでも、バンドでも、ユニットでも、グループでもない。Base Ball Bear小出祐介主宰、そして彼の盟友であるチャットモンチー済の福岡晃子という二人による「音楽プロジェクト」マテリアルクラブ。彼らのファーストアルバム「マテリアルクラブ」が11月7日にリリースされた。

続きを読む