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ネクストヒットの鍵は「男女デュエット」にある!?DAOKOやAwesome City Clubのヒットや作風に見る2018年音楽シーン最速予想

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2017年ももう僅か。今年も素晴らしい曲に溢れていた音楽シーンは、追っているだけでワクワクが止まらなかった。「現代の音楽シーンはつまらない」なんて、大して音楽が好きでもない人の言うことだなと改めて感じさせる、現役ならではの面白さを改めて感じさせる1年だったなと。...とはいえ、まだまだ2か月半もあるので、その間にもっと面白い音楽が出てくるかもしれない。そのあたりのことは追々「ベストソング2017」というタイトルで記事を上げるのでそちらを見ていただくとして。今回は少し早めの「2018年音楽シーン」を最近の流行から読み取っていこうと思います。

今年のヒットソングとして真っ先に挙げられるような曲の一つにDAOKO×米津玄師の「打上花火」がある。

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今年の夏を彩ったこの曲、映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の主題歌として新進気鋭の女性ラッパーDAOKOを、飛ぶ鳥を落とす勢いの米津玄師がプロデュースしたことで話題になった。映画の評価は決して良いモノではなかったが、この曲だけは様々な層から評価されていた。昨年のRADWIMPS前前前世」のヒットを彷彿とさせる流行がそこにはあった。

DAOKOはそこで留まらなかった。「打上花火」のヒットの名残も未だ続いている10月、DAOKO×岡村靖幸名義で新曲「ステップアップLOVE」を配信リリース。

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「打上花火」に引き続きのコラボ作品となったこの曲は、岡村靖幸とのコラボ作。前作に引き続きアニメ「決壊戦線&BEYOND」の主題歌となっていたり、MVには今をときめく振付師MIKIKOMIKIKO率いるELEVENPLAYが参加していたり、SMAP椎名林檎などのMVを手掛けた児玉裕一が監督を担当するなど、徹底したこだわりを感じさせる1作。ちなみに児玉裕一に関しては個人的にTwitterもお世話になっている滝野さんのこちらのブログ記事がとても素晴らしい解説をしてらっしゃるので是非読んでほしい。

fuurintakino.hatenablog.com

岡村靖幸をコラボ相手に選んだことも、MIKIKO児玉裕一ともMVを介してコラボしたのも「打上花火」でなんとなくついてしまったDAOKOのイメージを壊すためのものだろう。こうしたあたりに彼女の並々ならぬ勢いや、1発で終わらせないという意思を感じてしまったりする。

DAOKOのヒットは2018年のヒットチャートに大きな影響を与えるだろう。具体的に言うのであれば、2018年は「男女デュエットポップス」が流行すると僕は予想する。

男女デュエットソングといえば、「ロンリーチャップリン」とか「ふたりの愛ランド」あたりをイメージしがち(俺だけか?)である。端的に言えば、割と旧時代的なイメージがついてまわる。実際、近年男女デュエットで流行した曲、それも王道ポップスってそんなに思い浮かばないのである。EXILE倖田來未だって10年前だ。うっわアレ10年前なのか... あとはAAAだとか、じゃなきゃ加藤ミリアと清水翔太のコラボとその二番煎じくらいなもので、メインストリームではなかったのかな、というのが僕の考えである。

近年、DAOKOだけでなく王道ポップスを歌うデュエットソングが増えているのは間違いない。それが顕著なのがAwesome City Clubだ。

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彼らの大きな特徴は「シティ・ポップで男女デュエット」という点だろう。先ほど挙げた幾つかのグループやコラボのどれとも違う、シティ・ポップが再燃している現代ならではのデュエットソングであり、グループだろう。

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どこか切なさかついて離れない彼らのメロディ。勿論まだまだ彼らだって知名度的には低いし、メインストリームというにはほど遠いかもしれないが、2018年ネクストブレイクの最大勢力は彼らではないかと思っている。

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cinamonsとevening cinemaがコラボした男女デュエット曲「summertime」。この曲もシティ・ポップ感のある男女デュエット。急に個人的な話にはなるが、このMVを作った人が友人の友人だった。それがきっかけでこの曲を知ったのだが、めちゃくちゃ曲いい~と。残念なことに基本的にはバラバラで活動している2組なので今後どうこう、というのはなかなか厳しいかもしれないが、これも来年男女デュエットが流行する兆しのひとつだろうか。

つい数年前までは男女デュエットといえば若干のヤンキー臭、あるいはリア充感というか、ちょっとスクールカースト高そうな人たちの独占場だった(EXILE×倖田來未とかその頂点でしょ)のだが、ここに来て流行の兆しが確かにあるのが面白い。

さあ果たしてこの予測は当たるのか、はたまた大外れするのか。来年が楽しみだ。

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よく考えたらこの人たちも男女デュエットだなぁ...

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色々なご報告とか感謝とか

いつもは音楽やカルチャーの事を好き勝手に書き散らしている当ブログですが、今回はいつも読んでくださっている方へ2つのご報告を。

 

まずは、先日ある会社から内定を頂きました!

「お前就職活動なんかしてたのか」というツッコミが入りそうですが、3月から続けてきた就活にやっと目処がつきました。ここまで時間がかかってしまい、同級生や叔父だけでなくネットで知り合ってお世話になってる様々な方からもご心配頂いていたのですが、なんとか良い報告が出来ました。ご心配をおかけした皆様、本当にありがとうございました。

元々マスコミ関係の会社に就こうと考えていて、そういう前提で活動を進めていたのですが、内情を知るにつれて「自分に本当に合っているのか」という疑問が生まれてきました。いくらこの先長い人生といえど、この重要な分岐点で入り込む組織に対して、不信感や疑問点を抱いたままというのはどうなんだろうと思い、就職活動の路線を大きく変更しました。結果的に内定を頂いたのは4年半以上勤めたバイト先の延長線上にあるような会社さんで、バイトの経験は勿論、今後の会社の展望を聞くと大学での知識も大いに活かせそうな会社で、まさに自分に合った会社なのかなと今は思っています。

この先でもしまた「マスコミ関係の会社に入りたい」と思うことがあれば、その時はまた挑戦してみてもいいかなと思ってます。まだまだきっと僕の人生は長いでしょう。その時その時に合った、或いは合っていると自分が信じることができるような人生の道をその都度選べることこそが、幸せなのかなと思います。今はまず、自分が今幸せだと思う道を進もうと思います。

 

そしてもう一つのご報告。

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当ブログが2周年を迎えることが出来ました。

記事の更新頻度もバラバラ、文体にも一貫性が無いような、他のブロガーさんの記事と比べるとどうしようもない記事ばかりのブログですが、なんとか2年続けることが出来ました。これもひとえにいつも読んでくださっている皆様のおかげです。本当に感謝しかありません。

ameba時代も含めると3年以上も下手くそな文章をネットの片隅に流し続けていることになりましょうか。読んでくれる人も開設当時とは比べ物にならないくらいに増えましたし、他の様々なブロガーさんの記事やTwitterのフォロワーさんのおすすめ音楽とそれに添えられた言葉を読み、当時とは比べ物にならないくらい好きな音楽も増えました。音楽の可能性、カルチャーの可能性、なにより言葉というものが秘める無限の力を感じては止まない日々でした。

 

今後も当ブログを、そして私めを暖かく見守っていただければと思います。どうぞよろしくお願い致します。

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吉澤嘉代子「残ってる」考察

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吉澤嘉代子の新曲、「残ってる」がリリースされた。2枚目のシングルである今作は、聞き手である僕たちを歌詞世界に没入させる、求心力の極地みたいな圧倒的な1曲になっている。歌詞を考察しながらこの作品を読み解いていこうと思う。

改札はよそよそしい顔で

朝帰りを責められた気がした

私はゆうべの服のままで

浮かれたワンピースがまぶしい

この作品の中の主人公はどうやら女性で、朝帰りをしたことがこの1節から分かる。ワンピースを着ていることから夏だということも推察できる。

風邪をひきそうな空

一夜にして 街は季節を越えたらしい

つい昨日までは夏の陽気だったのに、急に寒さが襲うことがよくある。ついこの前も僕自身そんな感じで半袖で出かけてしまって寒い!みたいな経験をした。けれどこの曲の中の主人公が憂いているこの1節からはそんな生易しいものではない何かを感じる。

まだ あなたが残ってる からだの奥に残ってる

ここもここもどこかしこも あなただけ

でも 忙しい朝が 連れて行っちゃうの

いかないで いかないで いかないで いかないで

私まだ 昨日を生きていたい

結論から言えばこの曲は「初体験」をテーマにしたものだろう。朝を迎えることでその瞬間が過去になってしまうことへのむなしさ、夜を共にした相手との別れへの寂しさ。「私まだ 昨日を生きていたい」にはそういった様々な要素がこもっている。

 一夜にして 街は季節を越えたらしい

 再度この歌詞に戻ると、この歌詞の解釈としては「街は季節を越えた」のではなく「主人公自身が季節を越えた」ことによって「街の季節すらも変わったように見えている」のである。この曲がメディアで紹介されるとき、「季節に取り残された女の子の歌」という紹介がされていたけど、僕はむしろその逆だと考えている。

誰かが煙草を消したけれど

私の火は のろしをあげて燃えつづく 

 季節を越えても、それどころか越えたからこそ彼女の心に灯った恋心という火は尚も燃え続けているのだ。

 

音楽の解釈は無限大である。「考察」なんて大見得を切ったが、この曲もそれは例外ではなく、僕は「初体験」をテーマにした歌だと解釈した上でこの考察記事を書いたし、シンプルに季節の移ろいに思いを馳せる歌という解釈もできるし、「初体験」を飛び越えて「ヤリ捨てられた女」という解釈すら出来るかもしれない。それは人によって様々だろう。貴方の「残ってる」の解釈はどんな色を、どんな形をしているだろう。

夏から秋への移り変わりのあの瞬間、あの一瞬をこんなにも美しく、儚く、抒情的に描いたこの曲は、今後の吉澤嘉代子の代表作になるだろうし、僕がいつか今年の夏を思い出すときは絶対にこの曲が思い浮かぶだろうし、僕にとっての大切な曲の1つになったことは間違いない。

吉澤嘉代子「残ってる」、おススメです!

残ってる (初回限定盤)

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残ってる (通常盤)

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【ライブレビュー】Base Ball Bear、6回目の日比谷野音で吹かせた新しい風!!【ネタバレ含】

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9月30日に日比谷野外大音楽堂で開催されたBase Ball Bearの「Base Ball Bear Tour 日比谷ノンフィクションⅥ ~光源~」に参加してきました。

前回の野音は傷だらけの中、なんとか立ち上がろうともがく中で様々なギタリストに支えられ、転んでも屈しない姿を魅せたBase Ball Bear

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 今回は、前回のツアーに引き続き弓木絵梨乃がサポートギタリストとして出演することが決定しており、6月から始まった地方公演や夏フェスは彼女がサポートを勤めた。さらに一部の夏フェスは弓木さん無しのBase Ball Bear三名で出演するなど、活動の展開をひとつに絞らず、様々な展開を行うことで、これからの活動を見極めているような、あるいは自分たちのやれることの幅を広げているような、どちらにしても音楽家としてとても正しい形での活動を昨年以来続けている。既存の形に囚われず、様々な展開を魅せる、というのはクリエイターとしてのお手本のようだと思う。

Base Ball Bearにおいて「日比谷ノンフィクション」というシリーズライブは、本人たちにとってもファンである僕たちにとっても、とても思い入れのあるライブだ。特に近年の「日比谷ノンフィクション」は毎回毎回意欲的に新しい挑戦に挑んでいる。4回目の「日比谷ノンフィクションⅣ」では1曲目からRHYMESTERをゲストに迎えたり、前回のⅤでは様々なギタリストが入れ替わり立ち替わりサポートを務めるという、いずれもエンターテイメントに富んだ内容となっていた。果たして今回はどんなライブとなったのか。早速レビューしていこうと思う。ここからは今後のツアーのネタバレを含みます。「Tour 光源」参加予定の方でネタバレを見たくない方はお気をつけください。

 

 

18:00。9月の終わりということでもうこの時間になると外は暗くなる。日比谷野音という途轍もなく雰囲気のある会場にピッタリの夕闇になった頃、恒例の登場曲であるXTCの「Making Plans for Nigel」が日比谷野音に響きだす。本来であれば4人だけが登るはずの舞台には7人の人影が。どういうことなのか分からないまま、1曲目の「すべては君のせいで」がはじまる。そこで気付いたのだが、ツアー本編(筆者はツアー初日の浜松公演に参加しました)には無かった管楽器とキーボードが!「すべては君のせいで」の音源には無かった管楽器の音、そして音源にはあったもののツアーには無かったシンセの音が盛り込まれた「すべては君のせいで」は、今までのBase Ball Bearには無かった要素に溢れていて、聞いているだけでもドキドキしてしまう。

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続いて7人編成で鳴らされる「(LIKE A)TRANSFER GIRL」。秋めいてきた秋の夜空にピッタリな歌詞のひとつひとつが胸を衝く。

(LIKE A)TRANSFER GIRL

(LIKE A)TRANSFER GIRL

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ここでMC。サポートメンバーの紹介。SANABAGUNからトランペットの高橋紘一、サックスの谷本大河(オシャレポイントの高さ)。そしてキーボーディストのRyu Matsuyama(パリに留学していたからミラノ風ドリア作れる説)。そして今やお馴染みの弓木絵梨乃。強靭な技術を持つミュージシャンが揃った。メンバーも始めての編成に緊張しているのか、いつものキレのあるMCではなかったけれど(笑)これもまたノンフィクションらしさだろう。

MCもそこそこに披露されたのは「光源」から「Low Way」。これも7人編成での演奏。この曲も原曲ではホーンが取り入れられたもので、ついに完全版が聞ける喜び。終電を逃しひとりで歩いて家に帰る、というだけの歌なのにどうしてこうも叙情的で切なさがこみ上げるのだろう。ゆったりとしたサウンドが、少し早い秋風と合わせて心を締め付ける。

Low way

Low way

このまま7人編成で全曲演奏するのかと思っていたら、ここで管楽器とキーボードの3人は一旦引っ込む。そして演奏されるは「抱きしめたい」。初期の楽曲ながら、今だからこそのグルーヴや感慨がそこにはあり、彼らの成長と共に楽曲も成長していることを感じてしまう。

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そして「恋する感覚」!!ツアー本編でも歌われていた楽曲ではあるのだが、やはりこのサプライズに感動。歌うのはサポートギタリスト弓木絵梨乃とベース関根史織。2人のキュートな歌声、そして間奏で2人が向かい合わせでソロを弾く様に、まさに「きゅるり」。Cメロで一瞬堀くんがファルセットで歌っていたのには会場中が爆笑の嵐に(笑)。こんなキラッキラのアイドルソングのような曲を作ってしまう小出祐介の手腕に舌を巻いてしまう。

恋する感覚 -Feat. 花澤香菜-

恋する感覚 -Feat. 花澤香菜-

 そんな「青春の蒼さ」でいっぱいのまま、アオハルの極地のような「GIRL FRIEND」へ。小出がアルペジオに合わせてサビのフレーズを歌い、イントロに突入。このあたりはもう彼らの十八番といった感覚だろう。

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さらに「LOVE MATHEMATICS」!!!代表曲を出し惜しみせずにぶち上げてくる彼らに、会場もヒートアップ。

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ここでMC。「日比谷野音公演は毎回晴れている」という話。流石晴れバンド。小出の「晴れ男ですみません(ドヤァ」みたいなMCと「9月開催ははじめてだけど、鈴虫の鳴き声とか銀杏の匂いに癒されてしまって面白いことが言えない」みたいなMC。緊張してる感じがやっぱり伝わってくる。

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SANABAGUNの2人とは、元々RHYMESTER主催のフェス「人間交差点」の際にコラボした、という話を挟んで新しいゲストを迎え入れることに。現れたのは元ズットズレテルズ、現KANDYTOWNの呂布!!!Base Ball Bear小出ともプライベートで仲良しの彼。今回は「人間交差点」でも披露したスクランブル」(まさに人間交差点!!)の特別バージョンを披露。SANABAGUNの二人も加えてグルーヴィな6人の演奏と呂布の言葉のマシンガンのようなリリックが日比谷の夜空にこだまする。まさにノンフィクション、まさに人間交差点。このスペシャル感、本当に来てよかったと始まった瞬間からずっと思わされてる。

スクランブル

 「スクランブル」を演奏し終わると舞台が暗転。暫くして舞台の真ん中1点だけにピンスポットが。小出がひとりでアコースティックギターを抱えている。弾き語りだ。

「Ryu Matsuyamaの作ったミラノ風ドリアをみんな食べに後ろに戻ってしまったのでひとりで歌います」というジョークも飛び出したところで歌ったのは「WHITE ROOM」。小説のようなストーリー性の強い歌詞に引き込まれるかのように、情景が頭の中に浮かんでくる。

White Room

White Room

続いて弾き語りで演奏されたのは「恋愛白書」。「恋愛の1ページ目に好きなんて言葉は出てこない」。という歌詞にハッとさせられる。思えばこの公演、ここに至るまでで既に総勢8名にも渡る大所帯での演奏からフロントマンの小出1人での弾き語りまで、実に様々な形態、編成での演奏を魅せている。その様はまるでカメレオンで、どんな体制もしっかりと魅せきってしまう彼らの音楽的テクニックの凄さを再認識させられる。

恋愛白書

恋愛白書

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再び舞台は暗転。奥に引っ込んでいたメンバー、そしてサポートのSANABAGUNの2人が現れ、寛解のイントロが。「WHITE ROOM」の続編のような歌詞に秘められた確かな一筋の希望をジリジリと感じる。スタンドマイクで歌う小出祐介の珍しさ。

寛解

寛解

 一転して重厚なハードロックサウンドが呻るような「リアリティーズ」。「学校」という社会の狭さ、そしてそんな小さな椅子取りゲームに固執する同級生、「外の世界」の広さに気付けない狭い部屋の中の自分。そんな小出自身の体験を踏まえて描かれた歌詞は、小学生時代の自分自身を思い出してキリキリと心が締め付けられるよう。この曲を当時の自分が聞いていればもう少し違う人生を歩んでいたのかもしれないな、なんて思いにふけってしまう。

リアリティーズ

リアリティーズ

ここで3度目のMC。周りのメンバーと「擦り合わせ」(楽屋でやれ)をしながら「音楽が楽しい、面白い」と語る小出祐介。「音楽をやる」「音楽をする」であった彼らがこの1年で「音を奏でる」「音と戯れる」に変化したと、ユーモラス(「真夜中のニャーゴ」で恒例になっていた海鮮丼へのブチ切れがここで出てくるとは...笑)で、でも真剣に語る。数年前、なんなら2年前の彼だったら決して出てこなかったフレーズだろう。青春時代の苦み・苦しみを音楽で取り戻そう、あの頃のあいつらを見返そうともがき苦しんでいたデビュー当時の彼、音楽シーンを俯瞰して、シーンと徹底的に戦おうともがきながら曲を作っていたつい数年前までの彼。そして一緒に歩んできた友との別れ、それによって今まで不文律として無理やりにも守り続けてきた「ルール」から結果として開放され、今一度改めて音楽と真剣に向き合い見出した「楽しさ」。今までのすべてが現在に繋がり続けている。いつだってBase Ball Bearは今に生きている。

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そんな「今まで」と「現在」の感覚を再認識するかのように「レモンスカッシュ感覚」のイントロが流れ出す。この曲の真っすぐなギターロックサウンドは今までの彼らそのものであり、まさに血肉となったギターロックを改めて定義すると同時に、いつだって彼らの真ん中には「一生求む感覚」がある事を宣言するような歌唱と演奏に、僕も突き動かされるような感覚を覚えた。

レモンスカッシュ感覚

レモンスカッシュ感覚

ライブはいよいよ佳境。「SHINE」「逆バタフライエフェクト」「CRAZY FOR YOUの季節」といった新旧のブチ上がり青春ギターロックの数々に会場のボルテージも最高潮に。「SHINE」は岡村靖幸、「逆バタフライエフェクト」はTRICERATOPSのエッセンスを色濃く含んだものであり、小出祐介の音楽的ルーツに触れたような気がした。「逆バタ」イントロの堀之内の煽りもシンプルにカッコよい!!!

SHINE

SHINE

逆バタフライ・エフェクト

逆バタフライ・エフェクト

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「ありがとう、Base Ball Bearでした」のキメ台詞と共にはじまった本編最後の曲は「Darling」。幾度となく季節を超えた先にあった「希望」。「時間」という女神が与えてくれる「救済」。所詮ただの物質でしかない人間の人智を超えたところにある「概念」をこんなにも美しく描く歌詞に、自分や、Base Ball Bearというバンドや、この世界の未来すらをも考えてしまった。

Darling

Darling

そしてアンコール。サポートメンバーを改めて紹介。そしてスペシャルゲストとして「スクランブル」を披露した呂布を呼び込むと「このメンバーが揃ったらあの曲をやるしかないでしょう」と小出。「僕のディーヴァ!!チャットモンチー福岡晃子!!」という紹介とともにチャットのあっこが登場!!日比谷ノンフィクションならではの超特大級のサプライズに会場も大盛り上がり。「今日もかわいいかよ~おまえ~」というこちらがにやけてしまうふたりの絡みも良かったけど、そもそもこのタイミングでこの二組が揃うことに意義があるというか。元々ずっと同期で仲の良い二組であったこともさながら、チャットモンチーもメンバーの脱退を経験しているし、Base Ball Bearも昨年の脱退劇を公に公表する前にチャット主催の「こなそんフェス」に「体調不良」という名目で湯浅を抜きに出演した経緯が(本当はその時点で彼は蒸発してしまっていたのだが)あった。そういう経緯を踏まえてウルウルしながら彼らの絡みを見ていると、あっこが「お互いメンバーが増えたり減ったりだねぇ(笑)」という言葉を。僕号泣。どんなに転んでも起き上がって新しい音楽のカタチを探し続けるこの2組の仲が良いのは絶対的な運命だったのかな、なんて思ってみたり。

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勿論このメンバーで演奏するのは「クチビル・ディテクティヴ」!!!堀くんのツリーチャイムが新鮮すぎて。まるで深夜のカラオケのように、和気藹々と遊んでいるかのように演奏や歌唱を楽しむ9人にこちらも思わず身体が動いてしまう。なんでも5年ぶりの演奏とのこと。イイもの見れたなー!!

 楽しかった時間もあっという間。あっこ・呂布、そしてホーン隊とキーボードの5名が舞台を降りると、最後に4人で演奏されるのは「十字架You and I」!「C2」でスキルアップした各メンバーのテクニックや弓木絵梨乃の超絶ギターに加え、すっかり暗くなった野音の雰囲気も相まって、妖しさ満点。会場中が思い思いに踊っている様は圧巻のひとこと。そんなこんなで6回目の日比谷は幕を下ろした。

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十字架You and I

十字架You and I

 今回の「日比谷ノンフィクションⅥ」、圧倒的なサプライズの連打で見ているこちらも驚きの連続でクラクラしてしまうほどだった。これこそ「ノンフィクション」。そのサプライズも小手先でゲストを呼ぶだけみたいなチンケなものではなく、ちゃんとそれぞれに理由付けがしてあるのもなんとも彼ららしい。前回の野音では「今後はカメレオンのように形を変えていくかもしれないけれど、僕たちはあくまでロックバンドなんで」と話していた小出だったが、1人編成から9人編成まで展開した今回の野音はまさにカメレオンのようで、しっかりと有言実行しているところに頼もしさすら感じてしまった。

ツアーはまだまだ続く。この「光源」というアルバム、そして9か月にも渡るツアー、今回の日比谷公演を経たBase Ball Bearが次はどういうカタチで僕たちの予想や期待をいい意味で裏切ってくれるのか。いや、最早どんなカタチでも良いモノを描き切ってくれることは間違いないとまで断言してしまいたくなるほどに、今回の公演は素晴らしいモノだった。ツアーにも、これからの活動にも期待したいと思う。

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何より、改めて僕は彼らのことや彼らが創り出す音楽がどうしようもなく好きなんだと再確認させられた公演だった。海鮮丼が嫌いすぎるボーカルと、キャラをせき止めてしまうドラマーと、女の子なのにおじさんって呼ばれてるベーシストと。そんな彼らがまたひとつ好きになった。これからも僕にとって大切な大切なバンドで在り続けてほしいな、僕自身もそう在りたいなと思う。

光源(通常盤)

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日比谷ノンフィクションV ~LIVE BY THE C2~ [Blu-ray]

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チャットモンチーが好きだからすだち酒で乾杯しよう

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え~、ただいま9月27日水曜日の20時46分。いつもなら今頃愛知のバイト先で後輩を指導してるか店内のメンテナンスをしているころなのですが、今日はバイト先にいません。どころか愛知県にも居ません。四国は徳島県のあるビジネスホテルでお酒を飲みながらマッタリとこの記事を書いています。学校の用事で徳島に今日から2泊しています。とはいえ既に僕のやらなくてはならないことは終わらせてしまいましたので、明日からの2日間はほぼほぼ観光の予定です。どこ行くかなんにも考えてないけど。

音楽を中心に運営している当ブログ、あるいはその管理人である僕としては、徳島といえばチャットモンチーな訳でございまして。今日ここに来る深夜バスの中でもチャットを聞いてました。単純か。せっかく今日は徳島からこのブログを更新しますので、チャットモンチーについてマッタリとお話しようかなと。

それまでのガールズバンドって、プリンセスプリンセスとかJUDY AND MARYとか、あとはGO!GO!7718あたりですか。代表的にはそういったバンドが挙げられる訳なのですが、チャットはそのどれとも違ったんですよね。プリプリみたいにポップスに振り切った訳でも、GO!GO!みたいにロック色を強めつつも椎名林檎的なメロウな感覚のある感じでもない、真っ直ぐなギターポップを演じたのがチャットモンチーだった。

たとえば、代表曲の「シャングリラ」。

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3ピースのサウンド、つまりロックバンドという枠組みの最低ラインの構成で作られた曲であるにも関わらず、ロックを飛び越えてポップスに行き着いているのがこの「シャングリラ」であり、ほかの様々なチャットソングな訳でありまして。

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「とび魚のバタフライ」もそういう路線ですよね。バンドサウンドなはずなのに何故かどこまでもポップ。これがつまりギターポップな訳でございまして。

逆に「ポップなはずなのにロック」な曲もありますね。たとえば

 「真夜中遊園地」。全編に渡ってBPM早めのロックサウンドといった感じなのに、どこかポップさを感じてしまう。ここまでくるともう感覚的なことだから共感してくれない人は共感してくれないだろうけど、逆にめちゃくちゃ共感してくれる人だっているはずだよね。ね。

この路線の最たるものといえばコレ。

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「風吹けば恋」、大名曲だと思うんですよね。なんならもう一生歌い継がれていってほしいとすら思ってしまう。Bメロまでのライブハウスが似合う汗臭いロックからの、圧倒的なエモーショナルすら感じてしまうさわやか過ぎるサビ。

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この曲もいいですねぇ。ガルバンならではのガールズソング。男には絶対歌えない歌。

 隠れた名曲、「バスロマンス」。「あなたを好きでいてよかったな」ってささやかにつつましく、だけど力をこめて歌う橋本絵莉子の声に何度キュンとしただろうか。

まだまだ並べきれないほどたくさんの名曲があるチャットだけど、決して順風満帆な活動ではなかったのです。

2011年、ドラムの高橋久美子が脱退。彼女は「シャングリラ」や「風吹けば恋」といったチャット節な曲たちの作詞を担当していたこともあり、ドラマー、そして作詞の面においても痛手であった。なによりバンドとしては本来ギリギリの構成であった3人から1人抜けてしまうことで、バンドとしての活動としてもどうなっていくかまったく分からない状態になってしまった。

だが、彼女たちはそんなことで挫けずにバンドで在り続けた。

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復活の狼煙のようにぶち上げた2人組になって初めてのシングル、「満月に吠えろ」はギターボーカルとドラム(それもベーシストであったはずの福岡がドラムを担当)のみという斬新な構成で制作されました。その後も手を変え品を変え、2人だけで様々な楽曲を作り、ついに2人編成でのアルバム「変身」をリリースするに至ったのです。

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新しいシステムも積極的に導入して作り上げた「きらきらひかれ」なんかは、当時聞いて実に心躍ったことをよく覚えてます。

そして、えっちゃんの結婚・出産による休止期間を経て、様々なゲストミュージシャンを迎えて制作された「共鳴」もまた、チャットらしさを残しつつも新しい挑戦が眩しい作でした。

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「きみがその気なら」の圧倒的な元祖チャット感。1周戻ってきた感。本当に素敵だと思います。

そして、現在。「共鳴」とは打って変わって打ち込みを駆使し、また2人だけで音楽を作り続ける様は本当にきらきらひかっている。

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徳島時代から上京、そして現在地点の「マジョリティ」「マイノリティ」の狭間を歌うこの曲は、本当の意味ではじめて彼女たちが彼女たち自身について客観的にみつめなおし歌ったもの。

こうやって文章に起こすと、改めて彼女たちの音楽に対する意識の強さを感じる。何度転んでも、起き上がって新しいことに挑戦する彼女たちは、半端に売れてその路線の曲ばかりを作るそのへんのバンドよりよほど「ロック」だなと。

 以前、当ブログで大雪の日のことについて書いたことがある。

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この中に出てくる女の子について、もうひとつの思い出が。この大雪の日の半年ほど前、高校生になってはじめての文化祭。僕は自分のクラスの手伝い(といっても何をするでもないただ居るだけだったが)をコッソリと抜け出して、体育館へと向かった。(たぶん)当時はまだ(おそらく)彼氏が居なかった(きっと)彼女は、同じクラスの女の子と一緒にバンドを組んで体育館でミニライブに出演する、とのことで見に行ったのです。彼女はギターを担当。ちょっとした挨拶の後、おもむろにドラムのキックの音が体育館に響く。その曲こそが「シャングリラ」でした。だから「栞のテーマ」と「シャングリラ」を聞くとあの子のあの無邪気な笑顔を思い出してしまうのです。

と、まあ心地よい疲れといい感じの酔いに任せて色々書きなぐってみました。明確に意識していた訳ではなかったけど、あらためて彼女たちが自分にとってどういう立ち位置のバンドだったのかが改めて分かった気がします。

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冒頭でお酒を飲んでいると書きましたが、飲んでいるのは徳島特産のすだち酒。めちゃくちゃ飲みやすくてとっても美味しいお酒。チャットの歌詞の中にも「すだち酒で乾杯!!」なんてフレーズが出てきたりします。チャットモンチーの次なる作品では、どんな新しい景色が見れるのだろう。すだち酒を飲みながら心待ちにしたいと思う。

安室奈美恵の引退とかSMAPの3人とかたつき監督とか

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9月はすっかり忙しさにかまけてブログの更新をしませんでした。この忙しさは明日以降もまだまだ続くのです。今日は26日の火曜日ですが、次に我が家に帰宅するのは来週の月曜日です。生きろ。

最近芸能界が騒がしいですね。安室奈美恵の引退だとか、元SMAPの3人が事務所を退社して以来の本格的な活動が動き出したり、アニメ「けものフレンズ」の監督が2期の監督を圧力によって外されたり。まあ良くも悪くも昨年からの「大人の事情」的な流れがより拡大している印象です。

まずは安室奈美恵さんの引退。「辞めないで!」というファンの発言も多いし、皆多かれ少なかれ驚いていた印象ですが、「いい去り際」だなんていう人も多かったですね。僕も最初はそういう印象でしたが、よく考えたらやっぱり勿体無いなと。そういう中で色々調べてみたら2015年に彼女は独立しているんですね。デビュー以来在籍していたライジングを退社し、エイベックス内のプライベートレーベルに。独立から2年しか経っていないのにこのタイミングでの引退は、違和感を感じずには正直いられないんですよね。そういう報道もよく調べたらチラホラ見つかるし、それを信頼するしないに関わらず、実際にどういうことが裏で起こっているのかはやはり気になるのです。

SMAP...もとい「新しい地図」に関しては、もう言わずもがな芸能界の「大人の事情」の最たるものでしょう。コレに関してはもうわざわざ言うのも却ってアレですが。

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 そして「けものフレンズ」。コレに関しては明確に本人の口からそういう「大人の事情」、端的に言えば「圧力」がかかったことが告げられています。

KADOKAWAがどういう理由で彼を降ろす「お達し」を出したかは不明だけれど、ここまでのけもフレブームには間違いなく彼の力が必要だった、ということは番組を一切見なかった僕ですらもなんとなく伝わってきました。

これらは何も、今だから起きてることではない。昔からあったことなんじゃないかと想います。しかし、SNSの発達によって「隠し切れなく」なっています。と、同時にこれからは、というかむしろ遅いくらいですが、芸能界はSNSを活用していく必要があると思います。

たとえば「新しい地図」はAbema TVを1発目の活動の場に選んで、さらに3者がそれぞれ担当のSNSを活用していく旨を発表しました。これは結果的にこういう形に落ち着いたと考えるほうが自然ですが。今までのジャニーズと各メディアの関係を見る限り、どう考えてもテレビ局がすぐに彼らをブッキングするとは考えにくいです。いわゆる「干され」というやつでしょうか。だけど彼らはSNSというジャニーズの力が及ばない場所を当面の活動の場にしたことで「干され」を回避しようとしているのではないでしょうか。それどころかテレビが落ち目の今、むしろSNSを中心に活動していくことのほうがよほど上手いやり口だと言えると思います。むしろここまでネットを忌み嫌ったジャニーズの今後のほうが怪しいと。

たつき監督に関しても、KADOKAWAへの抗議の署名が既に2万も集まっています。

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ネットを活用してファンたちの声を届けることが出来る、あるいはファンたちに声を届けることが出来る。そういう時代においてもはやファンを置き去りにした「大人の事情」はもはや通用しない。ネットを上手く活用することで芸能界がよりクリーンになっていけばいいなぁと思います。

駅メロが、好きだ。 〜鉄道の音楽の話〜

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小学校に上がる直前まで横浜の端っこに住んでいた僕は、電車が大好きな幼稚園児だった。東海道線横須賀線京浜東北線京急横浜市営地下鉄。この辺りの電車に幾度となく乗車したし、乗らない電車のことだってそれなりに知っていた。車両を見れば路線名がポンと出てくる、というのはこれくらいの歳の子供にしてはまあまあな「鉄オタ」だろう。

小学校に上がり、愛知県の片田舎に引っ越した僕は衝撃を受ける。路線に関わらず同じ顔、同じ色の電車。横浜じゃ当たり前のように10両編成だった車両はたったの3両。たくさんの路線がひしめき合っていた横浜に対して、こっちじゃJRと私鉄の2社だけ。大人になった今でこそ愛知の鉄道にも「ならでは」な面白さがあることは承知しているのだが、小学校の僕にはどう見たってそれらが「スケールダウン」、端的に言えば「クソしょぼい」モノにしか見えなかった。何より愛知県はあの世界的超絶怒涛の大企業、No.1クルマメーカー、トヨタ自動車のお膝元ということもあり、そもそも鉄道を利用する文化が殆ど存在しなかった(だからこそJR東海は在来線に金を使わず、徹底して金のなる木である東海道新幹線に金を注ぎ込む。在来線が路線に関わらず同じ顔や色の車両ばかりであることの理由がここにある)のだ。実際、中学3年になって東京に修学旅行に行った時は、帰宅ラッシュで満員の湘南新宿ラインの車内で床に座り込む同級生が。それにしたってどうしようもない奴等だとは思うけど、無理もない。電車の乗り方をそもそも彼らは知らないのだ。文化が無いから。愛知に来てはじめて乗った電車だった名古屋鉄道のホームと車両の間が広く、足をその間に突っ込んであやうく落ちてしまう寸前だったという超絶トラウマも相まって、僕の鉄オタライフは小学校への進級と共に終わりを告げた。

とはいえ、当時の断片的な(幼稚園の頃の記憶にしては鮮明過ぎるほどの)記憶は今でも僕の深層心理の中に深く刻まれているようで、旅行は車より鉄道派だし(車もいいんだけどね)、新幹線に乗ればテンション5割増しになるし、ドクターイエローを見かければ絶対に写真を撮るし、YouTubeで鉄道に関する動画を見てしまう。

そんな中で、最終的に行き着くのが駅メロ動画。

これもまあ、愛知県あるあるなのだが、こっちでマトモに駅メロを聞く瞬間はほとんど無い。普通のベルだ。名鉄にはミュージックホーンがあるけど、駅メロはやはり無い。横浜を離れた当初はその違いに気付いていなかったけど、今こうして「元鉄道好き」的な視点、あるいは一端の音楽好きとして東海圏の在来線に乗るとやはり寂しさを感じがちだし、東京で在来線に乗車するときに駅メロを耳にするとテンションが上がる。

すっかり前置きが長くなった。という訳で今回は「鉄道のポップス」こと、駅メロをご紹介しよう。

まずはこのブログで駅メロを紹介するなら欠かせない、この駅の駅メロ。

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JR茅ヶ崎駅発車メロディーサザンオールスターズの「希望の轍」。2000年にサザンが茅ヶ崎でライブを行った際、市民の間で発車メロディーに導入しようという活動が盛んになった。しかしこの際は「スムーズな乗り降りに支障をきたす」として導入は見送りに。そして2014年、署名活動を経てついにこの楽曲が茅ヶ崎駅発車メロディーに用いられることになった。僕自身も2度ほど実際の駅で聞かせてもらったが、やはり格別だ。茅ヶ崎=サザン、ということが改めて実証されたのがこの駅メロ導入だろう。他にも、大阪ではaiko大塚愛やしきたかじん、川島英五と様々なミュージシャンの楽曲を駅メロとして採用している路線があったり、いきものがかり小田急の本厚木と海老名で使われていたり、「ブルーライト・ヨコハマ」が京急横浜駅の駅メロになっていたりと、僕らにも馴染みのあるミュージシャンの楽曲が駅メロとして採用されている例が沢山ある。

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とはいえ、これらは「駅メロ界隈」では恐らく邪道な例ではないだろうか。「駅メロの王道」といえば個人的にはコレを推したい。

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JR-SHシリーズ。特に関東圏でJRを利用する機会が多い方には耳馴染みのある曲が多いことだろう。個人的には「JR-SH1」「JR-SH2」が特に好き。圧倒的駅メロ。駅メロの王者といえばこの2曲だろう。

続いて「Verde Rayo」シリーズ。

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「JR-SH」シリーズが駅メロの王者だとすれば、こちらは駅メロの女王と言ったところか。こちらも関東のJR利用者の方は耳馴染みのある曲だろう。全体的にしなやかな印象のある曲。

同じ「JR-SH」、あるいは「Verde Rayo」でも様々なパターンがあり、さらにテンポ感や音の高低でより細分化されたパターンがあるのが駅メロの面白いところだろうか。「Verde Rayo」は6パターンも存在する。楽曲のアレンジ違い、というのは普通のミュージシャンでもよく見る光景だ。

 

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近未来、あるいは宇宙を感じさせる「Cielo Estrellado」。

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シンプルで心地よさを感じさせる「春」。

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丸みのある音が特徴的な「せせらぎ」。

こうして様々な曲を挙げてみても、実に多種多様な駅メロが存在することがわかる。ちなみにコレ全部JR東日本で利用されているもの。JR東日本だけでもこれだけの曲が顔を揃えているのだから、私鉄、第三セクター、そして全国へと視野を広げていけば行くほど、数え切れないくらい沢山の駅メロがそれぞれの駅で今日も鳴らされている...のかもしれない。我が愛知県のように鳴らされていないのかもしれない。

ただ単に聞くための音楽として世に放たれたモノだけではなく、生活の足を少し止めて耳を傾ければ、駅メロのように日常の中には様々な音楽が鳴っている。貴方のお気に入りの駅メロは、どんな曲だろう。

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