新時代もロックンロールは鳴り止まないっ

平成が4月30日を以て終わり、5月1日より日本の元号は令和となった。それに伴って、Twitterの音楽界隈では#平成ベストソング なるタグが流行っていた。

平成6年生まれの僕にとって、平成の総括というのはイコール自分の史実でしかなく、#平成ベストソング を振り返ったところで自分の人生で好きになった曲の羅列にしかなりえない、結局これまでこのブログで取り上げてきたもの達の目減り版にしかならないと思い、ブログでもTwitterでもそういう企画には乗っかることはないだろうと思っていた。

 とはいえ音楽好きの端くれとして、そんなタグを見ると無性に選曲してみたくもなり、iPhoneのミュージックアプリを立ち上げてポチポチと選んでいった。まあやはりというか、サザンやらベボベやら、自分の人生に影響を与えた曲が並ぶ。それら自体は勿論大好きな曲だしコレだけ自分の人生に影響を与えている事に誇らしくもなるのだけど、それって散々色んな場所で言ってることでやっぱり今更わざわざ言う必要も無いよなぁ、と思っていると、ふとある曲名が目に付いた。

「ロックンロールは鳴り止まないっ」。

神聖かまってちゃん最大にして唯一のヒット曲、って言うとの子さんに怒られそうだ。沢山の音楽ファンにぶっ刺さりまくったこの1曲は、多分に漏れず当時高校生だった僕にもぶっ刺さりまくった。

美しいピアノのリフ、そこから流れ込む魂の叫びのようなギターのサウンド

昨日の夜 駅前TSUTAYAさんで

僕はビートルズを聞いた

セックス・ピストルズを聞いた

ロックンロールと言うやつだ

しかし 何がいいんだか全然分かりません

人間誰しも、どんなものにも偏見を抱えて過ごしている。音楽ひとつとってもそうだ。その偏見を抱えたまま、実物に触れたとしても、最初は凝り固まった視点故に、そしてこれまでのその視点を正当化したい無意識の欲が故に、文字通り「何がいいんだか全然わからない」となることもある。

夕暮れ時 部活の帰り道で

またもビートルズを聞いた

セックス・ピストルズを聞いた

何かが以前と違うんだ

MD取ってもイヤホン取っても

なんでだ全然鳴り止まねぇっ

でも、それでもその偏見や凝り固まった視点が、一瞬で取り払われて視界が開ける瞬間が音楽を聴いていると時々訪れることがある。ハマって、のめりこんでしまって、頭の中でひとつの音楽だけが鳴り続けてしまう瞬間がある。僕にとって知らない音楽に初めて触れることは、その瞬間を探す旅のようなモノだったりする。そして、そう思えるようになったきっかけがのひとつが、高校生の時に巡り合ったこの曲だ。

初めて気がついたあの時の衝撃を僕に

いつまでもいつまでもいつまでも

くれよ

いつまでも僕達は「あの時の衝撃」を探している。

 

この記事を書くにあたり、公式に神聖かまってちゃんが公開している最新の「ロックンロールは鳴りやまないっ」の映像を見た。

平成31年4月29日、神聖かまってちゃん平成最後のライブで、フロントマンのの子はこう叫んでいた。

お前そんなん令和とか関係ねえんだ

平成とかよ

時代はさ いい曲でもどんな曲でもさ

曲は時代を越えていくんだよ

の子がそう叫び散らすとあのピアノのメロディが鳴り始めた。

曲は時代も性別も国もジャンルも越えていく。昭和も平成も令和も、男も女もどれでもない人も、日本もアメリカも韓国も、ロックもアイドルもパンクもレゲエもポップスも越えてしまうとんでもない可能性の塊が音楽だ。その可能性が音楽に宿り続ける限り、音楽は、そしてロックンロールは何度時代を越えても鳴り止むことはないだろう。

友だちを殺してまで。

友だちを殺してまで。