2019年ブレイク必至!NakamuraEmiの力強いHIPHOPは日本を救う。
あけましておめでとうございます!遅せぇ!本年も本サイト「Hello,CULTURE」をよろしくお願いします!今年は今まで以上に沢山のことをしたいと思ってます。頑張ります!
さてさて、やはり年明け一発目、音楽を主としてる当ブログとしては今年のヒット予想なんてものをしてみたいものでして。思えば昨年はたくさんのミュージシャンがブレイクした年でしたね。あいみょん、米津玄師、Official髭男dism、再ブレイクとしてのDA PUMP。バンド界隈でいえばもうKing Gnuなんてのは殆どブレイクしてるようなものですし、sumikaも昨年大きくブレイクしたバンドでしょう。挙げていけばもっと挙がりそうな程、ブレイクの基準をどこに置くか次第でもありますが、とはいえやはり昨年はブレイクミュージシャンが豊作な年でした。やっぱり若いミュージシャンが世間に浸透していくのを見ると嬉しいし、それが自分の好きなものだったり、自分が良いな!と思ってる人達だと益々嬉しいものです。
今年もそんなミュージシャンが出てくる事を祈って、僭越ながらふじもと的2019年ブレイク必至なミュージシャンをご紹介。
その名はNakamuraEmi!!
ヒップホップを源流としつつも、フォークやジャズの文脈も踏まえた彼女の独特な音楽性は、間違いなく唯一無二。彼女の紡ぐ、今までに聞いたことの無い音、歌、或いはフロウは熱量と批評性に満ちている。
例えば、彼女の代表曲とも言えるような、昨年末に僕もベストソングに選ばせて頂いた「かかってこいよ」。
殺気に満ちた勝手な言葉
会ったことなくても投げられる時代
「お前のかーちゃんデベソ」
くらい無責任な言葉だらけ
平成時代が産んだネット社会は個々の声を上げやすくした反面、無責任に人を傷つけ、罵り、心を殺す言葉が簡単に溢れるものになった。
目を合わせて争う厄介な痛み
相手を傷つけた嫌な余韻
そんなのも知らず戦争も知らず
電波にのって傷つけるだけ
対面して人を傷つけるよりも、画面の向こうの人かどうかも分からない「アカウント」をタコ殴りにする方が余程簡単で気も楽だ。
そんなネット社会に警鐘を鳴らす1番の一方、2番の歌詞では「対面が故」に起きる「○○ハラスメント」の本質は「信頼の有無」であると突きつける。ネット社会の弊害も、ハラスメントの連発も、現代日本が抱えてる大きな問題のひとつであり、何かを風刺するという意味でこの歌詞はヒップホップ的とも言えるかもしれない。
かかってこいよ 敵はそいつじゃない
かかってこいよ 敵は自分の弱さ
かかってこいよ 敵は自分自身
かかってこいよ でも誰かにいてほしい
これまでの歌詞を踏まえたサビでは、ここまでの数々の諸問題は人間ひとりひとり、それはこの文章を書いている僕も、あるいはこの歌詞を書いたNakamuraEmiすらもひっくるめた「自分自身」なのだと説く。
立ち上がるんだ 敵はそいつじゃない
立ち上がるんだ 傷が痛いけど
立ち上がるんだ 本当はおっかないけと
もう少しなんだ 守るものが出来そうなんだ
そして自らが立ち上がり、「自分自身」という敵と戦う事で、本当に大切なものを掴む歌詞は、否が応でも胸を掴まれる。社会に対するシニカルな批評性を持ちながら、最終的には普遍的に人を鼓舞する応援歌になっている。僕はきっと彼女の歌詞は今のこの国に足りていない何かを教えてくれる、救ってくれるものなのじゃないかと信じてしまう。
「かかってこいよ」に限らず、NakamuraEmiの楽曲の多くはアコースティックな編成で鳴らされる。アコースティックギターとドラム、或いはパーカッション。なのに彼女の作る曲、歌う歌にはとんでもないうねるようなグルーヴが生まれる。こんなにもメッセージ性の強い歌詞を歌う彼女の歌声も、歌声であると同時に曲の中ではひとつの楽器となっている。だからこそ、こんなにも彼女の曲はグルーヴィなのだ。
大人の言うことを聞け
決して言う通りにしろじゃない
光っていたら信じて 腐っていたら反面教師
聞いて 流して 信じて 捨てて
良くも悪くもお手本だ
未だに年功序列というか、大人の言うことを聞くのは当然、という文化は絶えることがない。無論、信用出来る大人もいれば、信用出来ない大人もいる。だからといって大人の全てを否定するのではなく、まず1度大人の言うことを飲み込んでみて、それから判断してみよう、という当たり前だけど皆が忘れてるようなことを改めて提示してしまう「大人の言うことを聞け」もグッとくる曲のひとつだ。現在彼女は36歳。自分より大人の人間も、自分より子供の人間も沢山いる彼女だからこそ紡ぐことの出来る歌詞だ。
他にも沢山オススメしたい曲は沢山あるのだけど、それより何より僕が皆さんに伝えたい彼女の魅力はライブパフォーマンスだ。
勿論これまで書いたような、物凄いグルーヴと熱量に満ちた楽曲がライブでも当然音源通りの、いやもう音源以上のものが連発される訳で、そりゃライブもスゲーだろうなって話なのだけど、ライブを見るとまず彼女の身長が148cmと随分小柄な事に驚く。そして歌い出すと小さな身体からこんな声量が出るのかとまた驚いてしまう。そして彼女の顔を見るとめちゃくちゃ笑顔。音楽を心の底から楽しんでます!と言わんばかりの表情で、観る者全てを圧倒するそのライブパフォーマンスは必見である。
そんなNakamuraEmi、今年は既にアルバムのリリースとツアーの開催が控えている。2019年、彼女の大躍進はもう既に決まったようなものだと僕は勝手に考えている。彼女の歌声が日本を救う。