【500文字レビュー】back number「大不正解」

今回の500文字レビューはback numberの「大不正解」です。

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僕らは完全無欠じゃない

誤解を恐れずに言えば、近年のback numberの楽曲はあまり好きではなかった。「ヒロイン」をキッカケに、ヒットメーカー・小林武史が編曲に参加した「クリスマスソング」「ハッピーエンド」「瞬き」といった楽曲群は、良くも悪くも...いや正直個人的にはあまりにも大味過ぎるアレンジで、元来のback numberの良さである素朴さやロックバンドらしさからは少し遠ざかってしまったような印象があった。
そんな中リリースが決まった新曲は映画「銀魂」の主題歌でタイトルは「大不正解」。これは...?となんとなく抱いていた期待通り、久々にロックバンド然としたback numberがこの曲には居た。
イントロ1秒から鳴らされる爆撃のような激しいギターリフは「ヒロイン」以降のback numberのイメージとは大きく乖離したもので、「スーパースターになったら」や「高嶺の花子さん」「青い春」といった「ヒロイン」以前のロック然とした楽曲を彷彿とさせたし、それらのどんな曲よりも「大不正解」はロックサウンドが光った1曲だろう。ドームツアーを開催できるくらい巨大な存在となったback numberというバンドが、バラードだけじゃなくてキチンとロックバンドであることを改めて提示、証明するサウンドだ。
歌詞はback numberらしい、或いは清水依与吏らしい「僕らは完全無欠じゃない」という歌詞から一気に引き込まれる。
誰になろうとしているんだ
最後はいつも自分を疑わないのに
と、いよいよ自分自身すらも疑いだす始末。でもそんな歌詞を書く清水依与吏という男がback numberというバンドに強烈な「人間らしさ」「泥臭さ」というエッセンスを足しているのだ。
勿論バラードはback numberというバンドの魅力だし、今後も作り続けてほしいが、同時にこういうロマンティックさ0、泥臭さ全開な彼らのロックサウンドも聞き続けたい。まだまだ完全無欠じゃない彼らの快進撃は止まらない。
大不正解(初回限定盤)(DVD付)

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