ポルノの新曲「カメレオン・レンズ」が最高にカッコ良かったので午前3時からレビュー書きます
最近ポルノ熱が自分の中で再燃しているんですよね。研究室の同期が結構なポルノ好きだったり、同年代のフォロワーさんとポルノ話に花が咲いたりして。
そんなこともあって、新作の「カメレオン・レンズ」もどんな作品になるのかなぁと思ってたらちょっと度肝を抜かれたので簡単ではあるもののレビューのようなものを。
早速本題に入る前に、まずは最近のポルノについて僕がどういうスタンスだったか。3年前に「オー!リバル」が出た時は久々にやったな!という印象を持って。得意分野のラテンでここまで期待値の上を行く作品が作れるのかと。歴代のラテン曲、たとえば「アゲハ蝶」なんかと比べても同じかそれ以上の出来だなとビックリしたくらいで。だからこそ「RHINOCEROS」の出来にはガッカリもしたんですよね。なんか煮え切らない感覚があって。
で、その後「THE DAY」「LiAR」「真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ」「Montage」と悉く僕好みのシングルを連発してくれて。「THE DAY」「真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ」はポルノ的アニソンロック感、「LiAR」は「オー!リバル」のラテン感をよりアップデートしたような電子ラテン調という新機軸、「Montage」のデジタルロック感と、まあとにかく新鮮かつポルノ節もしっかり効いている作風の作品が立て続けに連発していて。ただ「キング&クイーン」は結構最悪の部類だったかなぁ。なんぼなんでも王道を狙い過ぎているというか。「ギフト」とか「君は100%」をより濃厚にしたみたいなサウンドと歌詞には正直辟易としたりした。もうよくないこういう路線?と(好きな人が読んでたら本当にごめんなさい)。
で、リリースされた「BUTTERFLY EFFECT」は前作「RHINOCEROS」より数段いい作品にやっぱりなっていて。無骨なロックなのに印象深いポップっぽさもある「Working men blues」とか切ないのに明るい「クリスマスのHide&Seek」とか印象深い作品が沢山あって。その中でも特にビックリしたのが「MICROWAVE」。遊び心の塊みたいな歌詞もだけど、それを聞いている分には全く気にさせないアレンジ。かなり洋楽的というか。イントロとか間奏で女の人みたいな加工された声がぶつ切りで聞こえてる感じとか全然日本的じゃない。完全に洋楽のEDM的なサウンド。初聴の時ビックリし過ぎて声出た。ポルノまだまだこんな隠し玉持ってんだな、と。
ここから本題。今回の「カメレオン・レンズ」は上記した「MICROWAVE」的なEDM・打ち込み路線をよりアップデートした、ポルノグラフィティの新しい扉を開く曲になったなと。
まずはもう特筆するべきはイントロ。最初に再生した時オースティンマホーンでも間違えて再生したのかと思った。最早全く日本的なアレンジではなくて、洋楽のソレ。あと似ているとこで言うと宇多田ヒカルの「道」のイントロにも似てる。あの人だってR&Bを得意としてて日本に住んでるんだか住んでないんだか分からないくらいの人だし、洋楽的な志向なのは間違いないなと。
Aメロで岡野昭仁が歌いだすと途端にアダルトな雰囲気が増す。昭仁さんの歌声は大人的にも幼い感じも醸し出せるし、歌えば唯一無二のポルノグラフィティの歌声になるからスゴイなと。例えば「THE DAY」なら血気盛んな感じだけど、この曲は力が抜けつつも要所で力をいい塩梅でグッと込めた歌い方をしていて、それがよりこの曲のアダルティな雰囲気を強くしてるなと。
前述したように全編に渡って「MICROWAVE」のEDM的なサウンドを踏まえつつもより大人なアレンジ。今迄の曲で似たような曲を挙げようと思っても挙げられないくらい、今間でのポルノにはなかった新しいアレンジなのではないだろうか。Bメロになると途端に流れ出すシンプルなピアノの旋律とかホントドギマギする。アゲるところはアゲつつも、抑えるところはしっかり抑えるアレンジのエロさ。Bメロ終わりで一旦音が全部止まるとかスゴク良い。後曲の間中ずっと遠くの方で鳴っている跳ねるようなシンセっぽい打ち込みの音とか本当最高な。。。
歌詞も良いんだなぁこれが。
せめて同じ空を見れたらと
君の肩を引き寄せては見ても
そこには2つの月が並ぶ
お互いを知らないまま
2つの月は一人ひとりにそれぞれ持つべき世界があって、その存在をお互いは知らないことの比喩。ドラマのタイアップ先を考えても、これは不倫と考えるのがベターだけど、人間関係にも同じことが言えると思う。いくら相手のことを考えている振りをしても、その先の自分は知らない相手だけが持つ世界を考えなければ、タダの身勝手。
分かりあおうとすればする程なぜ
僕達は傷つけあってしまう
痛みがたったひとつだけの
通じ合えるもの わかりあえるものかな
このあたりの歌詞からもスゴク人間関係の歪さを感じてゾクゾクする。分かり合いたいと思う先に唯一通じ合えるモノが「痛み」だと錯誤してしまう程、お互いに傷つけあったというストーリーに恐怖すら感じてしまう。
正直、つい数時間前にYouTuneにショートバージョンが公開されて、1回見た衝撃でiTunesでDLして、他のレビューなんかを読んだりしつつ書いたレビューなので付け焼刃ではあるが、自分の中での久々のポルノ大ヒットかもしれない。何度となく聞いて、よりこの歌に対する理解をアップデートしていこうと思う。おススメです!
ちなみに余談として。
日頃から楽しく読ませて頂いているかんそうさんのこのレビューで、間奏とアウトロに関する記述として「サザンオールスターズの愛の言霊のオマージュ感」という部分を読んで以来完全に愛の言霊にしか聞こえなくなってしまった。こちらのレビューはよりポルノ愛に詰まっているものになっているのでぜひ一読あれ。