チャットモンチーが好きだからすだち酒で乾杯しよう
え~、ただいま9月27日水曜日の20時46分。いつもなら今頃愛知のバイト先で後輩を指導してるか店内のメンテナンスをしているころなのですが、今日はバイト先にいません。どころか愛知県にも居ません。四国は徳島県のあるビジネスホテルでお酒を飲みながらマッタリとこの記事を書いています。学校の用事で徳島に今日から2泊しています。とはいえ既に僕のやらなくてはならないことは終わらせてしまいましたので、明日からの2日間はほぼほぼ観光の予定です。どこ行くかなんにも考えてないけど。
音楽を中心に運営している当ブログ、あるいはその管理人である僕としては、徳島といえばチャットモンチーな訳でございまして。今日ここに来る深夜バスの中でもチャットを聞いてました。単純か。せっかく今日は徳島からこのブログを更新しますので、チャットモンチーについてマッタリとお話しようかなと。
それまでのガールズバンドって、プリンセスプリンセスとかJUDY AND MARYとか、あとはGO!GO!7718あたりですか。代表的にはそういったバンドが挙げられる訳なのですが、チャットはそのどれとも違ったんですよね。プリプリみたいにポップスに振り切った訳でも、GO!GO!みたいにロック色を強めつつも椎名林檎的なメロウな感覚のある感じでもない、真っ直ぐなギターポップを演じたのがチャットモンチーだった。
たとえば、代表曲の「シャングリラ」。
3ピースのサウンド、つまりロックバンドという枠組みの最低ラインの構成で作られた曲であるにも関わらず、ロックを飛び越えてポップスに行き着いているのがこの「シャングリラ」であり、ほかの様々なチャットソングな訳でありまして。
「とび魚のバタフライ」もそういう路線ですよね。バンドサウンドなはずなのに何故かどこまでもポップ。これがつまりギターポップな訳でございまして。
逆に「ポップなはずなのにロック」な曲もありますね。たとえば
「真夜中遊園地」。全編に渡ってBPM早めのロックサウンドといった感じなのに、どこかポップさを感じてしまう。ここまでくるともう感覚的なことだから共感してくれない人は共感してくれないだろうけど、逆にめちゃくちゃ共感してくれる人だっているはずだよね。ね。
この路線の最たるものといえばコレ。
「風吹けば恋」、大名曲だと思うんですよね。なんならもう一生歌い継がれていってほしいとすら思ってしまう。Bメロまでのライブハウスが似合う汗臭いロックからの、圧倒的なエモーショナルすら感じてしまうさわやか過ぎるサビ。
この曲もいいですねぇ。ガルバンならではのガールズソング。男には絶対歌えない歌。
隠れた名曲、「バスロマンス」。「あなたを好きでいてよかったな」ってささやかにつつましく、だけど力をこめて歌う橋本絵莉子の声に何度キュンとしただろうか。
まだまだ並べきれないほどたくさんの名曲があるチャットだけど、決して順風満帆な活動ではなかったのです。
2011年、ドラムの高橋久美子が脱退。彼女は「シャングリラ」や「風吹けば恋」といったチャット節な曲たちの作詞を担当していたこともあり、ドラマー、そして作詞の面においても痛手であった。なによりバンドとしては本来ギリギリの構成であった3人から1人抜けてしまうことで、バンドとしての活動としてもどうなっていくかまったく分からない状態になってしまった。
だが、彼女たちはそんなことで挫けずにバンドで在り続けた。
復活の狼煙のようにぶち上げた2人組になって初めてのシングル、「満月に吠えろ」はギターボーカルとドラム(それもベーシストであったはずの福岡がドラムを担当)のみという斬新な構成で制作されました。その後も手を変え品を変え、2人だけで様々な楽曲を作り、ついに2人編成でのアルバム「変身」をリリースするに至ったのです。
新しいシステムも積極的に導入して作り上げた「きらきらひかれ」なんかは、当時聞いて実に心躍ったことをよく覚えてます。
そして、えっちゃんの結婚・出産による休止期間を経て、様々なゲストミュージシャンを迎えて制作された「共鳴」もまた、チャットらしさを残しつつも新しい挑戦が眩しい作でした。
「きみがその気なら」の圧倒的な元祖チャット感。1周戻ってきた感。本当に素敵だと思います。
そして、現在。「共鳴」とは打って変わって打ち込みを駆使し、また2人だけで音楽を作り続ける様は本当にきらきらひかっている。
徳島時代から上京、そして現在地点の「マジョリティ」「マイノリティ」の狭間を歌うこの曲は、本当の意味ではじめて彼女たちが彼女たち自身について客観的にみつめなおし歌ったもの。
こうやって文章に起こすと、改めて彼女たちの音楽に対する意識の強さを感じる。何度転んでも、起き上がって新しいことに挑戦する彼女たちは、半端に売れてその路線の曲ばかりを作るそのへんのバンドよりよほど「ロック」だなと。
以前、当ブログで大雪の日のことについて書いたことがある。
この中に出てくる女の子について、もうひとつの思い出が。この大雪の日の半年ほど前、高校生になってはじめての文化祭。僕は自分のクラスの手伝い(といっても何をするでもないただ居るだけだったが)をコッソリと抜け出して、体育館へと向かった。(たぶん)当時はまだ(おそらく)彼氏が居なかった(きっと)彼女は、同じクラスの女の子と一緒にバンドを組んで体育館でミニライブに出演する、とのことで見に行ったのです。彼女はギターを担当。ちょっとした挨拶の後、おもむろにドラムのキックの音が体育館に響く。その曲こそが「シャングリラ」でした。だから「栞のテーマ」と「シャングリラ」を聞くとあの子のあの無邪気な笑顔を思い出してしまうのです。
と、まあ心地よい疲れといい感じの酔いに任せて色々書きなぐってみました。明確に意識していた訳ではなかったけど、あらためて彼女たちが自分にとってどういう立ち位置のバンドだったのかが改めて分かった気がします。
冒頭でお酒を飲んでいると書きましたが、飲んでいるのは徳島特産のすだち酒。めちゃくちゃ飲みやすくてとっても美味しいお酒。チャットの歌詞の中にも「すだち酒で乾杯!!」なんてフレーズが出てきたりします。チャットモンチーの次なる作品では、どんな新しい景色が見れるのだろう。すだち酒を飲みながら心待ちにしたいと思う。