
やはりこの曲からスタート。フルカワさん、名古屋公演以上に自分の色をはっきりと出したギタープレイをしている印象。お客さん全員がサビに合わせて腕を振る姿は圧巻。
やっぱりここかー。と。野外ってこともあるから夜聞きたかったけどなー。既に4人の演奏にアドレナリン出まくり。汗でへばりついた僕の髪も、初夏の風が剥がしていった気がした。
ここで「C2」キラートラック「曖してる」!!!やっぱりツアーとは違ったセトリになることを確信。「ベース関根史織!!」カッコよすぎかよ!!関根嬢のニューベースもブリッブリに鳴ってる。どこまでもファンク。ファンキー。既にライブのピークみたいな盛り上がり方。
「ギター 田渕ひさ子!!」の小出の一言で、イントロのあの音が響き渡る。ツアーには無かった楽曲。うねる様なギターの音像がこの曲をよりキラキラと、そして青春の初期衝動感をより強く感じさせる。どこまでも蒼い。どこまでも夏い。曲が終わると、「田渕ひさ子さんでしたー!!!かわいいー!!!」ここが田渕ゾーンだったのかと納得。しかしこいちゃん、もう普通にただのファン丸出しだったな...w まあねー。そりゃあそうなるよなーとか思ってるうちに田渕さん捌ける。しかしドラムのリズムは止まらない。
「続いてのゲストギタリスト、ハヤシ君です!!」の紹介に合わせてPOLYSICSのハヤシ氏が入場。いつものツナギと バイザー姿。そのまま「ぼくらのfrai awei」!!!ここめっちゃテンション上がった。というかもうずっとクライマックス。気の抜ける、しかしちょっと胸が痛くなるような歌詞と、キャッチーなメロディに惹き込まれる。照明も今日1で鮮やか。飛び跳ねっぱなし。
「若干キツい言い方かもしれないけど、今のBase Ball Bearは側から見ると、片腕を失ったバンドだと思うんです」と言及したのち「メンバーが両手両足だとしたら、Base Ball Bearというものは頭なんです。『片腕失って本体のBase Ball Bearどうする?』っていうときに、『作りたいこともやりたいこともあるし、ここでやめるわけにはいかないな』っていうのが3人の共通の意識で。今までは絶対に4人だけで!っていう強い気持ちがあったんですけど、これからはカメレオンのようにやっていきたい。でも僕らの上に乗っている頭は、あくまでもロックバンドですので! これからもよろしくお願いします」(ナタリーより引用 トイス!DISCO!ギタリスト4人が彩ったベボベ決意の日比谷野音公演 - 音楽ナタリー )
片腕を失った状態、というのはかなり的を得た表現だと思う。「ギターロックを4人で演奏する」ということをずっと不文律として続けてきたバンドからギタリストが脱退する、ということが指す意味は想像に容易い。それでも、片腕に義手を嵌めながらこのツアー、そして日比谷野音公演を完遂した。そこには転んでも屈しない精神だったり、「それでも何かあるような気がしてる」が故のことなんじゃないだろうか。「まだまだ何かある、まだやらなきゃいけないことがある」という強い気持ちがこのツアーや日比谷公演を中止や延期にする、という選択肢ではなく、完走する、絶対に終わらせる、という選択肢を彼らが選んだ動機ではないだろうか。
⑰HUMAN
そんなMCを挟んで、本編最後の曲へ。丁寧に丁寧に演奏されたこの曲は、強い現実味を帯びて演奏された。僕たちもこの曲に出てくる1人でしかない。「人間味」なんてひどくつまらなく、鬱蒼なもので、でもこの人間味と一生僕たちは付き合っていかなければならない。現実味と付き合っていくことこそが人間味なのかもしれない。
この曲で印象的だったのが、照明の光線が「C」や「C2」などのジャケットに使われた「電波塔」モチーフのようになっていたところ。
勿論、まんまこれ、という訳ではなかったが、それが何か切なくて、でも感動してしまった。演奏後、舞台袖にメンバーは捌けていった。
Enc.
アンコールはツアーと同じく3人での演奏。舞台に上がってきた小出は
「今回湯浅の脱退があったけど、ミュージシャンの皆さんやお客さんがこんなにもBase Ball Bearを心配してくれるんだ。考えてくれる人がいっぱいいるんだっていうことに、本当に救われました」(ナタリーより)
と感謝を述べ、アルバムやツアーも行う宣言をした。
⑱「それって、for 誰?」part.2
3人での演奏。勿論音源に比べたら物足りなさは感じるが、それ以上に3人の気迫を強く感じる1曲だった。
⑲The End
「終わりは そう終わりじゃない」。ベボベ第2章の始まりを予感させる幕開けの様な歌。まだまだ彼らのバンド活動は終わらない。
今回のライブのハイライトは上記したようにやはりゲストギタリストの皆さんではないだろうか。Base Ball Bearのピンチを支えるためにこれだけの有名どころが集まった、というところにファンとしては嬉しさしかないし、こんな機会が無ければ見れなかったであろうギタリストを自分の好きなバンドの曲の演奏で聞くことが出来る。こんなに貴重な機会はないだろう。telephonesやPOLYSICSは、「名前は知ってるけどなかなか聞く機会が無かった」バンドだったのでこれを機に聞こうかなと思う。
そして私事で恐縮だが、このライブの後、田渕ひさ子さんにTwitterでリプを送ってみたところ、なんと返信をいただいた。
@fujimon_music めちゃんこ嬉しいです!
— 田渕ひさ子 (@__hisako) 2016年4月30日
ありがとうございましたー!!
こんなに嬉しいことはない。これを糧にまだまだ頑張って行きたい。
このライブを最後にBase Ball Bearは新しいステージに突入していくと思う。今回のライブはそのステージに突入する直前の「今のBase Ball Bearでの最後のステージ」だったのではないだろうか。それを現場で体験できたというだけで感無量だ。
Base Ball Bearの音を日比谷野音で体験できたのもうれしい。そりゃあ今回のライブは今までの「日比谷ノンフィクション」シリーズとは全く違う構造だし趣旨だった。それでも「short hair」や「PERFECT BLUE」、「17才」のような歌たちをあの日比谷野音という独特の空間で聴けたということにめちゃくちゃ意義があったんじゃないかと思う。すごく良い雰囲気のライブ会場だった。特にベボベとの親和性は半端じゃないなと思う。是非「日比谷ノンフィションⅥ」も見に行けたらなと思う。
ツアー名古屋公演のレポも併せてどうぞ。

- アーティスト: Base Ball Bear,小出祐介,玉井健二
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
- 発売日: 2015/11/11
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