僕にとっての「Tour 光源」

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Base Ball Bearが昨年6月から行っていた全国ツアー、「Tour 光源」が2月9日のZepp Tokyo追加公演を以て閉幕した。そこで大雑把に感想なんてものを。ライブレポというよりは、このツアーを通して僕が感じ取った様々なモノを書き散らす感じです。

今回のツアー、僕は6月の浜松、6月の日比谷野音、そして1月の名古屋と、初日、中盤の山場、そして後半と渡り、計3回見てきました。同じツアーなのに、そのすべてが印象深く、鮮明に焼きついている。

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僕にとっても、そしてBase Ball Bearメンバーにとっても、ファンにとってもツアーの初日だった浜松窓枠公演。当時の僕は就職活動真っただ中で、「内定が出るまではライブ禁しよう」と思い、2月以来ライブを控えていたのに、「もうやってられるかこんな生活」と上手くいかない就職活動に半ばブチ切れ気味にライブ前日にチケットを購入。母親を騙して浜松に向かった(良い子はマネしないでね)。

1曲目の「すべては君のせいで」、そして「LOVE MATHEMATICS」で会場のテンションは最高潮に。6月と既に両膝まで足を夏に突っ込んだような天気に加えて、空調の調子が悪かったこともあり、演者も観客もびしょ濡れになったことをよく覚えている。その暑さもまた、Base Ball Bearの「夏感」を温度そのものから感じてよかったりも。初日はやはり誰も彼もが何の情報もなしに見るということもあって、どれもこれも新鮮。関根史織弓木英梨乃による「恋する感覚」には度肝を抜かれつつもハートを撃ち抜かれてしまったし、小出ひとりでの「WHITE ROOM」「恋愛白書」の弾き語りには、こういうこともベボベは出来るようになったのか、という彼らのフットワークの軽さも感じた。MCも堀くんが弓木さんから貰った靴下を履いていたり、弓木さんは既にメンバーの一員と化していた印象。「光源」というアルバムが示した「瑞々しさ」「フレッシュさ」「キラキラ」をそこかしこに感じる(初日、というのもこの”らしさ”に繋がっているのだろうが)ライブだったのが印象深い。あと当時は小出恵介騒動の渦中にいた小出祐介さんですけど、そこに対する言及は無かったですね(そりゃあそうだ)。

そして2度目は日比谷野音

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ツアーの一環ながら、彼らのシリーズライブ「日比谷ノンフィクション」の側面も併せ持ったこの公演。ツアーとは違ったスペシャルな仕掛けが満載でした。この公演に関してはライブレポを書いたのでそちらを参考に。

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 僕の個人的な話をすれば、このライブの前日まで3日間徳島に学会で滞在し、徳島から愛知まで深夜バスで、そのまま直接新幹線で東京に向かうクソハードモードな日に結果としてなってしまったんですけども。ライブ前にはTwitterでお世話になっているフォロワーの方とお会いし、ライブ後は地元・愛知の中学の同級生と後輩と3人で呑みかわすという、移動距離といいネットで繋がった人と実際にお会いする感覚といい遥か彼方の愛知の友人と東京で飲むことといい、色んな意味で時空の歪んだ日になりました。でもこの日の僕と人とのつながりはすべて「Base Ball Bear」が起点となっていて。バンドをハブとして、様々な人たちに繋がっていく感覚のある一日というか、「これこそが音楽、そしてカルチャーの魅力なんだな」と改めて考えさせられた瞬間でした。そして、この日のライブにはチャットモンチー福岡晃子が出演していて、上記のライブレビューの通り、これからも頑張ろうぜ!という空気だったのだけれど、数か月後にはチャット解散の報せが。スゴク悲しかった反面、どこか腑に落ちてしまった自分も確かに居て。だからこそ、「クチビル・ディテクティヴ」をあの野音でやったのかな、とも思ったんですよ。ああいう編成だったからってのも勿論あるんだろうけどさ、それ以上に、何もない、誰も知らない、メンバーが蒸発したことを世間に公表しないまま出た「こなそんフェス」と同じように、世間には知られていないウェットにならない状態でチャットとベボベの競演を久しぶりに見せたかったのかなと。結果論だけど。この夏の「こなそん」にベボベが出演してくれたら嬉しいなと思って止まない。

そして僕にとって3度目の、最後の「Tour 光源」となった名古屋公演。

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浜松、そして野音とはまた違ったセトリに1曲目の「SHINE」からブチ上りっぱなし。ライブが盛り上がらないことで有名な名古屋だけど、ベボベの名古屋ライブは狂ったお客さんが多いことで有名。最近はそれでも大分落ち着いてきた(小出談)だったんだけど、こんかいのブチ上りっぷりは久々とのことで。勿論僕も堀之内コールを幾度となくしたりして(笑)本当に久々にライブハウスらしいライブ!って感覚で、(僕にとっての)ツアー最終日に相応しいライブでした。そしてここまで20公演以上こなしてきたこともあり、浜松の初々しさとは違った、文字通り血肉と化した演奏がとてもグルービィで心地よい。「「それって、for 誰?」part.1」や「ドラマチック」、弾き語りの「Transfer Girl」に「Stairway Generation」。浜松や野音の時には無かった曲も沢山聞くことが出来て。セットリストに様々な変化が加わることで、新たな発見や違った解釈も見つけることが出来て、これだけ長いツアーを複数回参加出来たのがこの発見に繋がっているのかなと。

改めて、8ヶ月にも渡る長期ツアー、大変お疲れ様でした。メンバーの皆さん、サポートしてくれた弓木さん、スタッフの皆さん。こうしてライブを長期的に、そしてかなりの回数で全国を廻ってくれるのは、皆様のご尽力あってこそだと思います。弓木さんは一旦これでサポートを終えられるということで、2回に渡るツアーでBase Ball Bearのサポートをして頂いてファンとしても感謝しかありません。本当にありがとうございました。Base Ball Bearをハブとして、弓木英梨乃という最高の音楽家と巡り会えた事は僕の音楽人生にとっても貴重な体験でした。メンバーの皆様、既に次のツアーが決まり、いよいよサポート無しで全国を廻られるということで期待しかありません。ツアー、そしてその先に控える新作。Base Ball Bearは動きを緩めるどころかきっとどんどん次のステージに駒を進めるんだと思います。楽しみにしています!

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