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駅メロが、好きだ。 〜鉄道の音楽の話〜

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小学校に上がる直前まで横浜の端っこに住んでいた僕は、電車が大好きな幼稚園児だった。東海道線横須賀線京浜東北線京急横浜市営地下鉄。この辺りの電車に幾度となく乗車したし、乗らない電車のことだってそれなりに知っていた。車両を見れば路線名がポンと出てくる、というのはこれくらいの歳の子供にしてはまあまあな「鉄オタ」だろう。

小学校に上がり、愛知県の片田舎に引っ越した僕は衝撃を受ける。路線に関わらず同じ顔、同じ色の電車。横浜じゃ当たり前のように10両編成だった車両はたったの3両。たくさんの路線がひしめき合っていた横浜に対して、こっちじゃJRと私鉄の2社だけ。大人になった今でこそ愛知の鉄道にも「ならでは」な面白さがあることは承知しているのだが、小学校の僕にはどう見たってそれらが「スケールダウン」、端的に言えば「クソしょぼい」モノにしか見えなかった。何より愛知県はあの世界的超絶怒涛の大企業、No.1クルマメーカー、トヨタ自動車のお膝元ということもあり、そもそも鉄道を利用する文化が殆ど存在しなかった(だからこそJR東海は在来線に金を使わず、徹底して金のなる木である東海道新幹線に金を注ぎ込む。在来線が路線に関わらず同じ顔や色の車両ばかりであることの理由がここにある)のだ。実際、中学3年になって東京に修学旅行に行った時は、帰宅ラッシュで満員の湘南新宿ラインの車内で床に座り込む同級生が。それにしたってどうしようもない奴等だとは思うけど、無理もない。電車の乗り方をそもそも彼らは知らないのだ。文化が無いから。愛知に来てはじめて乗った電車だった名古屋鉄道のホームと車両の間が広く、足をその間に突っ込んであやうく落ちてしまう寸前だったという超絶トラウマも相まって、僕の鉄オタライフは小学校への進級と共に終わりを告げた。

とはいえ、当時の断片的な(幼稚園の頃の記憶にしては鮮明過ぎるほどの)記憶は今でも僕の深層心理の中に深く刻まれているようで、旅行は車より鉄道派だし(車もいいんだけどね)、新幹線に乗ればテンション5割増しになるし、ドクターイエローを見かければ絶対に写真を撮るし、YouTubeで鉄道に関する動画を見てしまう。

そんな中で、最終的に行き着くのが駅メロ動画。

これもまあ、愛知県あるあるなのだが、こっちでマトモに駅メロを聞く瞬間はほとんど無い。普通のベルだ。名鉄にはミュージックホーンがあるけど、駅メロはやはり無い。横浜を離れた当初はその違いに気付いていなかったけど、今こうして「元鉄道好き」的な視点、あるいは一端の音楽好きとして東海圏の在来線に乗るとやはり寂しさを感じがちだし、東京で在来線に乗車するときに駅メロを耳にするとテンションが上がる。

すっかり前置きが長くなった。という訳で今回は「鉄道のポップス」こと、駅メロをご紹介しよう。

まずはこのブログで駅メロを紹介するなら欠かせない、この駅の駅メロ。

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JR茅ヶ崎駅発車メロディーサザンオールスターズの「希望の轍」。2000年にサザンが茅ヶ崎でライブを行った際、市民の間で発車メロディーに導入しようという活動が盛んになった。しかしこの際は「スムーズな乗り降りに支障をきたす」として導入は見送りに。そして2014年、署名活動を経てついにこの楽曲が茅ヶ崎駅発車メロディーに用いられることになった。僕自身も2度ほど実際の駅で聞かせてもらったが、やはり格別だ。茅ヶ崎=サザン、ということが改めて実証されたのがこの駅メロ導入だろう。他にも、大阪ではaiko大塚愛やしきたかじん、川島英五と様々なミュージシャンの楽曲を駅メロとして採用している路線があったり、いきものがかり小田急の本厚木と海老名で使われていたり、「ブルーライト・ヨコハマ」が京急横浜駅の駅メロになっていたりと、僕らにも馴染みのあるミュージシャンの楽曲が駅メロとして採用されている例が沢山ある。

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とはいえ、これらは「駅メロ界隈」では恐らく邪道な例ではないだろうか。「駅メロの王道」といえば個人的にはコレを推したい。

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JR-SHシリーズ。特に関東圏でJRを利用する機会が多い方には耳馴染みのある曲が多いことだろう。個人的には「JR-SH1」「JR-SH2」が特に好き。圧倒的駅メロ。駅メロの王者といえばこの2曲だろう。

続いて「Verde Rayo」シリーズ。

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「JR-SH」シリーズが駅メロの王者だとすれば、こちらは駅メロの女王と言ったところか。こちらも関東のJR利用者の方は耳馴染みのある曲だろう。全体的にしなやかな印象のある曲。

同じ「JR-SH」、あるいは「Verde Rayo」でも様々なパターンがあり、さらにテンポ感や音の高低でより細分化されたパターンがあるのが駅メロの面白いところだろうか。「Verde Rayo」は6パターンも存在する。楽曲のアレンジ違い、というのは普通のミュージシャンでもよく見る光景だ。

 

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近未来、あるいは宇宙を感じさせる「Cielo Estrellado」。

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シンプルで心地よさを感じさせる「春」。

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丸みのある音が特徴的な「せせらぎ」。

こうして様々な曲を挙げてみても、実に多種多様な駅メロが存在することがわかる。ちなみにコレ全部JR東日本で利用されているもの。JR東日本だけでもこれだけの曲が顔を揃えているのだから、私鉄、第三セクター、そして全国へと視野を広げていけば行くほど、数え切れないくらい沢山の駅メロがそれぞれの駅で今日も鳴らされている...のかもしれない。我が愛知県のように鳴らされていないのかもしれない。

ただ単に聞くための音楽として世に放たれたモノだけではなく、生活の足を少し止めて耳を傾ければ、駅メロのように日常の中には様々な音楽が鳴っている。貴方のお気に入りの駅メロは、どんな曲だろう。

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