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星野源「Family Song」感想

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星野源の8/16発売の新曲「Family Song」のMVが8/1にYouTubeにて公開された。

逃げるは恥だが役に立つ」そして「恋」で、完全に「国民的」という冠が付くまでに至ったシンガーソングライターが、遂に「恋」以来の新曲を発表する。ということで前々から期待値は高かったが、公開するや否やTwitterトレンドランキング1位、YouTube急上昇ランキング1位と、「数字」としても注目度の圧倒的な高さを知らしめた。

 

「じゃあ曲としてはどうなんだ?」

 

音楽は数字じゃねぇ!!そこにどんな魂がこめられているかだろうが!!...とまでは言わないけど、注目度ばかりが先に立って音楽性が蔑ろにされてしまうのは勿体無い。実際どんなもんなんじゃい!と言うことで早速聞いてみましたよ。

 

早速個人的な話をして恐縮なんですけど、「家族愛」みたいなの僕スゲー嫌いで。「家族は大切にしましょう」っていう、まあある種で当たり前の事だけど、その「大切」の加減ってそれぞれの家庭でてんでバラバラにも関わらず、それを画一化されるような気分がして非常に不愉快なんですよ。「はい、家族愛とはこういうものですね」っていう定規を誰かが勝手に作って、そこから外れてる僕(=我が家)は「異常」ってレッテルを張られてる気がしてクッソムカつくというか。「家族愛」を歌ったり描いたりしてる人は多分そんな気は更々無いんだろうけどさ。分かっててもイライラするというか。分かるかなこの気持ち。

だから星野源の新曲タイトルが「Family Song」って聞いた時、正直に言えばちょっとだけゲンナリしたんですよ。「恋」という日本ポップス史に残り続けるであろう作品とリアルタイムで触れ合えて、そんな曲の次の作品に期待してたのは僕だって同じだったので。その期待値に対して(個人的に)苦手なテーマが来るって所にちょっと「ウッ...」ってなるみたいな、そんな感覚があって。そんな感じで不安多めな感じで聞いてみたんですけど

 

「めっちゃ名曲やんけ...」

 

本当に素敵な歌でした。

 

そもそも、「SUN」や「恋」の星野源は限りなく大衆向けの星野源で、元々「ばかのうた」や「エピソード」の頃の星野源ってもうちょっとこう、ブラックミュージック的な要素は混ぜ込まれつつも、シックで落ち着いた曲調のものが多かったんですけど。「Stranger」でポップスへの萌芽が芽生えて、「YELLOW DANCER」でポップスとブラックミュージックを完全に融合させて、「恋」でポップスの極地に行き着いた、というのが僕の持論です。微妙な差はあるかもしれないけど、星野源を前々から聞いていた人、あるいはブーム以降改めて1stから追っていった人なら結構分かってくれる論調だと思いますが。

www.youtube.com

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で、「恋」で行き着いた「ポップさ」が「Family Song」では「大衆性」に転換されたな!って。「あたたかみ」の強いサウンド、メロディ、歌詞。まずイントロのメロディ。「テレテレテ~」でもう結構この曲5億点!って感じ。爆裂に盛り上がるようなメロじゃなくて、落ち着いてはいるんだけど人情とか温かみもキチンと感じさせるような、体温のあるメロディ。そんなメロディをピアノとドラムでリズミカルかつシックに鳴らしてるのも良い。

全編に渡ってピアノとドラムを中心に流れていくサウンドは、やはり彼の音楽のルーツであるブラックミュージック的なのだけど、同時に「歌謡曲らしさ」みたいなものも感じてしまう。上でイントロを絶賛したけど、こことかスゴク歌謡的だなって思う。「悲しい色やね」とかに通じるものがあるというか。ここが「大衆性」を感じさせる要因なのだろうけど。少なくとも2017年的なサウンドやメロディではなくて、旧年代的なのだけど、何故か新鮮味もある。「ポップス」以上に大衆的。

何より歌詞。「Family Song」ってタイトルだけど、「家族愛押し付け系」な歌じゃなくて、素直に「あなた」を想い、「あなた」と幸せを見つけ続けたいと願う歌。「くだらないの中に」にも「恋」にも、つまり星野源の歌詞に共通して言えることなのだけど「日常」の切り取り方がまあ上手い。

遠きビルに 日がはねて
帰り道を 照らすように
街灯の メロディに
祈り乗せて 届けてくれないか

創作物って、結局共感されてナンボなところがあって、だからこそキュウソとかヤバTみたいな「世間にぶち切れ系バンド」が今売れてる(=世間もぶち切れてるから)のだけど、星野源はどれだけ売れてどれだけヒットを重ねてどれだけいい思い(であろうこと)をしても普通の人の視点で在り続けてくれる。多分彼は本当に普通の人なんだろうなって。だってa〇koと付き合って振って新垣〇衣と恋人役のドラマやってんだぜあいつ。こんなもん普通なら敵じゃん。(各位ファンの方ホントにすみません)あくまでも等身大の一人の人間として曲を作ってくれて、そこに皆共感してしまう。歌手だから、俳優だからと特別なことなど何もないのだということを教えてくれてるような気持ちになる。

「恋」そして「Family Song」。全く違う曲でありながら根底には等身大の人間の日常が存在する傑作。ずっと星野源星野源らしく活動してくれる。なんて幸福なことだろう。次はいよいよアルバムかな。この2曲を経た星野源のアルバムに注目!