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東京ソングから見る「東京」という街の魅力

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東京。TOKYO。日本の首都、2020年夏季オリンピック開催予定地、東京。

僕みたいなクソ田舎ファッ〇ン野郎にとっての憧れの地が何を隠そう東京だ。最近なにかと東京に行く機会が増えたが、新幹線に乗る度にワクワクしてしまう。早く着かないかな早く着かないかなとGoogle Mapで現在地を調べては「わ~まだ静岡だ~」とソワソワしてる。完全に5歳児のそれである。地域コンプレックス丸出しだ。「東京?人多くて苦手だな~」と話す地元の友人に「Why!信じらんねぇ!?東京最高やんけ!!」と厚切りジェイソンさながらに東京の素晴らしさを熱弁してる。僕の辞書に地元愛という文字は無いのかもしれない。だって東京なら終電とか日付跨いでも走ってるんだよ?ウチの街の終バス22時前だぜ。飲み会もオチオチ出来ねぇよ。

「東京」「TOKYO」「トウキョー」。表現は様々だが、邦楽には東京をモチーフにした楽曲が数多く存在する。これが果たして日本だけの事なのか、他国に首都をモチーフとした楽曲が多いのかは正直よく分からない。一応、「Washington D.C. タイトル 洋楽」で調べてみたが、曲のタイトルが出てくることは無かった。

そんな「東京ソング」、同じ「東京」がモチーフのはずなのに、その中身は実に多様だ。どうしてこうも同じ「東京」なのに歌う中身は様々なのだろう。今回はそんな様々な「東京ソング」を挙げながら、「東京」という街が持つ魅力を記していきたい。

 ①「ウナ・セラ・ディ東京ザ・ピーナッツ

個人的に「東京」と名のつく歌で一番古いのはこの曲だと(勝手に)思ってる。いや、多分もっと古い曲もあるんだろうけど、ちゃんと僕が知ってたり聞いたことがあるのは恐らくこの曲だと思う。恋人との別離の悲哀を歌ったこの曲の「東京」観は「街はいつでも 後姿の 幸せばかり」という歌詞に集約されているのではないだろうか。この曲がリリースされた1964年といえば(前回の)東京オリンピックの年。今以上に五輪に対する熱が強かったであろう当時の東京はきっと、キラキラして皆が幸せだったのではないだろうか。そんな中で何故自分だけがこんなにも、「あの人がいない」という事実だけで哀しいのだろう。寂しいのだろう。そんな「陽」としての東京と、「影」としての自分。

②「東京砂漠」内山田洋とクール・ファイブ

 「ウナ・セラ・ディ東京」で歌われたの『「陽」としての東京と、「影」としての自分』ならば、「東京砂漠」で歌われるのは『「影」としての東京と、「陽」としてのあなた』であろう。コンクリート・ジャングル東京、空は暗く、河のような 人々の流れは黒い。そんな中でも貴方がいれば、貴方と暮らせるならば幸せだと歌いきる。作詞の吉田旺は福岡の出身。地元から上京した人だからこそ描ける「東京観」なのではないだろうか。

③「東京」くるり

「上京したからこその東京観」といえばくるり、「東京」だろう。上京によって地元の「君」と離れ離れになった「僕」。なんてことのない、さもすれば「わけの解らないこと」の羅列のようで、でもその「わけの解らないこと」にこそ意味がある。そんな人間味の塊みたいな歌だ。

④「東京ハチミツオーケストラ」チャットモンチー

 こちらもまた「上京したからこその東京観」、というかもう完全に「上京ソング」だ。

スーツケース引きずってさ

地下鉄の地図 つっこんでさ

おろしたてのスニーカー

すぐに靴ずれ 頼りないなぁ

田舎からスーツケースを持ってやって来た女の子の、慣れない地下鉄に戸惑いつつピカピカのスニーカーを気にしながら歩く姿が目に浮かぶようだ。東京という街に憧れた女の子にこれから襲う困難と、その先にある夢を一挙に描いた、切なくも甘い「東京ソング」だ。

⑤「東京は夜の七時」 PIZZICATO FIVE

「嘘みたいに 輝く街」、ポップシティ・トーキョーの中で「あなた」に逢いに急ぐ「寂しい」私。そんなハッピーな曲なのに、どこか切なさや寂しさ、孤独さも感じるエレクトロ・ポップ。この2人はもう一生出会えないんじゃないかと感じてしまうのはきっと、この曲が持つ不思議な世界観故の事だろう。繰り返される「東京は夜の七時」が癖になる。リオ五輪閉会式での「東京は夜の七時-リオは朝の七時」も良かった。

⑥「東京」 桑田佳祐

ジャズ風味のビアノのリフ、唸るようなギター、楽器のように伸びやかな桑田佳祐の歌声。描かれるのはドス黒い雨の東京。いくら傘を差そうとも、心の窓には叩きつけるような雨。死後の世界であってもおかしくないような、夢も希望も何もかも棄てられた東京。去来する虚しさ。

Sg「ヨシ子さん」に収録された「Tokyo Big Band Session」バージョンの「東京」も絶品だ。めくるめく絶望の東京を貴方も堪能してほしい。

⑦「東京絶景」 吉澤嘉代子

ここまで色んな曲を挙げてきたが、「美しいキラキラした東京」と「生々しい現実の東京」、どちらも東京という街が持つ本質だろう。そのどちらをも歌詞に出すことで夢と現実の狭間のような空間を作り上げているのがこの「東京絶景」だ。まさに「光」と「影」。相反する2つの要素だが、この2つは片方が消えるともう片方も無くなってしまうように、東京という街に存在する「光」と「影」もまた、絶対的な関係なのかもしれない。

⑧「東京VICTORY」 サザンオールスターズ

2013年夏、それこそサザンオールスターズが復活ツアー真っ最中の頃、2020年に東京でオリンピックが開催されることが決定した。それからというもの日本中で2020年に向けた動きが活発化し、東京の街も様変わりした。それは外ヅラだけではなく、知事も、東京という街にいる人も、様々なモノが一斉に変化したように思う。

桑田佳祐という人は、35年以上東京という街に腰を据えて仕事をしている。(僕の記憶が定かなら)デビュー当時からスタジオは青山のビクタースタジオだ。やれ茅ヶ崎だ、やれ鎌倉だと、湘南なイメージの強い桑田だが、多分時間としては東京にいる時間の方が今や長いのだろう。そんな中で東京五輪の開催が決まり、彼自身思うところが沢山あったのではないだろうか。前回の東京五輪当時、桑田はまだ8歳。まだ物心付くか付かないかといった頃。それから50年近い年月が経った2014年、「東京」を「故郷」のモチーフとして扱った楽曲をリリースした。それがこの「東京VICTORY」だ。変わりゆく街、そして思いもよらなかった未来。みんなイロイロあるけどさ、頑張ろうぜ!桑田はきっとそんなことを思いながらこの曲を作ったんだろう。間違いなく、今の東京に、今の日本に捧げたい曲だ。

 

東京という街は、本当に様々な表情をする。電車で一駅走っただけでまるで別の街のような様相を見せることだってある。だからこそ、様々なミュージシャンは様々な思いを「東京」という街に込めることが出来る。貴方の好きな「東京」は、貴方の嫌いな「東京」は、どんな顔をしているだろう。