SMAP解散に寄せて

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国民的アイドルグループ、SMAP。物心ついた時には彼らの存在は当たり前のものだったし、楽曲、バラエティ番組、ドラマ、映画と日本の様々なジャンルの大衆芸能においてその存在は必要不可欠なものだった。

この解散劇には様々な「大人の事情」が混在し複雑に絡み合い、また騒動や解散における報道にも「大人の事情」が顕著に現れていた。ファンや彼らの活動を楽しみにしてる大衆には全く関係の無い所で起こった問題が原因で彼らの活動にピリオドが打たれた事は非常に虚しい。

なんて、誰でも書けそうな事を書いても仕方ない。僕なりの文面で、僕が感じていたSMAPへの思いを簡単に書いてみようと思う。

 

僕がSMAPというグループのメンバーをハッキリ認識したのは恐らく、ドラマ「人にやさしく」だろう。主演は香取慎吾極楽とんぼの加藤やまだ小学生だった須賀健太などが出演していた所謂ホームドラマ。本来バラバラの人生を歩んでいた男3人と子供1人が同じ屋根の下で暮らしていく、といった作品だった。当時小学校1年生だった僕はこのドラマが途轍もなく好きだった。同世代の須賀くんの存在も大きかったが、香取くんの演じる馬鹿だけど愛おしくなるようなキャラクターがとても好きだった。

世界に一つだけの花」が小学校の合唱歌(所謂、「今月のうた」というやつ)になったこともあった。分かりやすい普遍的な言葉で確かな幸福を祈る歌詞は、小学生だった僕に「いい曲」とは何たるかを教えてくれた。誰かと比べて善し悪しではなく人それぞれが持つ個性を伸ばしていけばいい、という歌詞には今でも胸が打たれる。

夏のフジテレビの風物詩である27時間テレビ。誕生日と放送日が近い、夏休みだからある程度の夜更しが認められることもあり、よく見ていた。特に僕は「さんま・中居の今夜も眠れない」のコーナーが好きだった。お笑い怪獣の明石家さんまと何でもこなすオールマイティな中居くん。普段ではあまり見られない組み合わせだけど、その掛け合いが堪らなく面白い。好きで好きで堪らないコーナーだった。

ドラマの撮影中だった草彅くんを生で1度見たことがある。小学校5年生のゴールデンウイークに家族で東京旅行に行ったのだけど、宿泊先のホテルの目の前で「恋に落ちたら」のロケをしていた。僕が「東京ってスゴイ場所なんだ」とハッキリ認識した瞬間でもあった。

自分の好きなバンドのボーカルが彼らに楽曲提供をした時があった。クリープハイプ尾崎世界観。「ハロー」という曲だ。彼らがTBS「音楽の日」に出演した際、中居くんが「ハロー」がとても好きだ、と彼らにキラキラした笑顔で話していた。尾崎は照れた笑顔を浮かべていた。スゴくいいなぁと思った。SMAPに楽曲を提供する、ということがソングライターにとって如何に名誉な事だったかは想像に容易い。

「HERO」もよく見ていた。僕は1期の雨宮とのコンビが好きだった。大学生になってからは木村くんの吸うマルボロに少し憧れたりもしたし実際吸っていた時期もあった。吸い方がカッコよかったんだ。2期の放送が決まって、主題歌の「Can you keep a secret?」を改めて聞いて宇多田ヒカルの才能に気付かされたりもした。

メンバー個々の活動で言えば、「『ぷっ』すま」はよく見ていた。ジャニーズメンバーの冠番組とは思えないほどくだらない、お下劣な(死語か?)番組だったけど、あの番組で見せる草彅くんの自然な笑顔やユースケ・サンタマリアとの絡みが好きだった。草彅くんが不祥事を起こした際、ユースケの「ツヨシがやらかしましてね」という番組冒頭のコメントに、何故かホッとしたというか、彼なりの応援なんだろうと思ったりもした。

SMAP×SMAPもよく見てた。毎回というわけではなかったけど、好きな俳優がビストロSMAPに出てたりしたら見てた。大泉洋が出ていた時に吾郎ちゃんと天パの話で盛り上がっている所が好きだった。ビストロ然り、S!LIVE然り、多数の俳優やミュージシャンと分け隔てなく、愛情を持って接することの出来る彼らは芸能人としての確かな才能を持っていたように思う。

 

とまあ、大したファンでもないこの僕でもこれだけのことが書けるってだけで彼らが日本の大衆芸能に残してきたモノの凄味がわかる。それぞれのメンバーにそれぞれの思い入れがある。大したファンでも無いくせに、だ。彼らの存在は日本人にとって当たり前のものであったし、それがこんな簡単に終わってしまうという事への違和感は計り知れない。

 

「ドラマと違ってバラエティには終わりがない。明確なゴールが無い。残酷なことだ。」笑っていいともが終了する際、中居くんはこんな言葉を残している。これはバラエティに限った事ではない。アイドルにしてもバンドにしても、ハッピーエンドは少ない。SMAPのような、グループそのものが事務所の大プロジェクトならなおさらだ。「何万枚売り上げたから解禁します」「ドーム単独達成したので解散します」なんてこと、簡単にはできない。

その癖大きなグループ、大きなプロジェクトになればなるほど「大人の事情」が付いて回る。芸能界に夢や理想などなく、在るのはドロドロとした泥沼のような現実ばかりな気さえしてくる。これは何もSMAPに限ったことではない。脱退した後にクスリで捕まった元ギタリストをまるで居なかった者のように扱うサザンオールスターズや、移籍に伴うベスト盤騒動が勃発したクリープハイプ、メンバーが蒸発したBase Ball Bear、メジャーデビューに伴い改名を余儀なくされたPerfume。自分の好きなグループだけでこれだけの「大人の事情」を挙げることが出来る。SMAPだけではなく、芸能界には今こうしている間にも大人の事情が渦巻いているのだろう。

 

今回のSMAPの解散は、事務所の派閥、独立を企てたマネージャーと4人のメンバー、それを1人だけ反故にした木村拓哉、それによって起きたメンバー間の確執。そして解散へと繋がっていった。誰が悪いということでもない。事務所だって赤の他人である飯島マネージャーより、身内を大切にするだろう。傍から見たらそれはとても奇妙で嘆かわしいことだけど、他人より身内を大切にする、ということだけ見たら僕のすぐ傍でだって起きていることだ。木村くんにだって木村くんなりの考えや立場があったのだろう。メンバー唯一の既婚者として、家庭の事を考える必要があったのだろう。本当の事が報道されているのかも怪しい今の現状で、誰が悪いと断定は出来ないし、するだけ無駄だろう。

でも、はっきりと言える事は「大人の事情が拗れに拗れた結果の解散」であり、「ハッピーエンドではなかった」ということだ。

これだけのグループがこんな事で解散してしまったのは、日本の大きな損失だと言わざるを得ない。そろそろ芸能界もクリーンになっていく必要があるのでは無いだろうか。芸能を蔑ろにするのではなく、国全体でよりよい芸能界を作る。そりゃ一般の人が何かしたら簡単に変わるなんてものではないだろうが、何かやれる事や変えれる事はあるのではないだろうか。過去を嘆くばかりでなく、未来をどう変えるか。芸能界に限らず、全てのことに応用できることである。

 

メンバーはこれから個人活動に入る。どんな事をするのかはまだ未知数だし、場合によっては表舞台から居なくなる人もいるかもしれない。ただ、彼らの今までの功績は讃えたいし、これからの活動・生活がより良いモノになるように、SMAPが好きだった者の1人として応援したいと思う。