【映画レビュー】「映画 みんな!エスパーだよ!」に見たナンセンスギャグコメディーの頂点

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映画 みんな!エスパーだよ!を見ました。

いやぁ…ここまで意味を成さない映画初めて見た。いい意味で何も残らねぇ。

以下簡単なあらすじを。

主人公、鴨川嘉郎は愛知県は東三河にある小さな街、豊橋市に住む何の取り柄もない高校生(童貞)。ある日いつものように自分を慰める行為に至っていた所、不思議な光に包まれる。次の日から人の心が聞こえるテレパシー能力に目覚める。その後、近所の喫茶店のマスターやその他諸々の人々に出会い自分だけが超能力を持つエスパーではないことに気付く。そんな中、超能力を研究する浅見教授がやって来て…。的な。

もうこの時点で馬鹿馬鹿しさ満載なのですが…笑

エスパーに目覚めるきっかけが「童貞若しくは処女、それもあるでエクスタシーに至っていた者のみ」というどういう生活していたらこの発想に至るのか原作者を問い詰めたい。とはいえ、原作もぶっ飛んだ斜め上の発想をしているのだが、ドラマ版、そして今回の映画版の監督をしている園子温の「ある種の鬼才っぷり」と原作から元々あるこの設定が半端じゃない融合を果たしているのだ。例えるならそれはチャーハンとギョーザ、ハンバーガーとポテトフライ、ポテチにコーラ…なんだかよくわからなくなってしまったが要はこの組み合わせ以外考え付かないのだ。原作では後半はエスパー同士の戦いがメインになるのだが、ドラマ版、映画版では一貫してナンセンスエロティックギャグに徹しているのだ。それはもう清々しいほどに。

ドラマ版では嘉郎の幼馴染である平野美由紀役を夏帆が演じていたのだが、今回は池田エライザが演じている。これを最初に聞いた時「えぇ…ドラマと映画で人が違うとか世界観めちゃくちゃじゃねぇのか…」と思ってたのだが、そもそもこの映画はドラマの続編ではないのだ。同じ世界観だけど違う世界線、所謂パラレルワールドというやつだろうか。まあめちゃくちゃはめちゃくちゃだし、大人の都合感半端じゃないのだが、それでも物語を見ていく過程ではあまり気にならなかった。夏帆夏帆でよかったし正直夏帆版のほうが好きだったけど、池田版は池田版で見ごたえがあった。体を張ったエロ方向への演技も勿論だが、何より終盤の「実は美由紀と嘉郎が運命の人だったのか?」という流れでの嘉郎の妄想の中での美由紀がそれまでの乱暴な美由紀とは一転してただただ可愛いのだ。池田エライザスゲー!!!と。ギャップがめちゃくちゃ効いてて感服してしまった。そこの一連のシーンに関しては殆ど全てのカットがハッとさせられてしまうのだ。

放送コードぎりぎり(アウト)なエロ描写も健全だ。どうかしてるんじゃないかというくらいTENGA、パンチラ、おっぱい、TENGA、パンチラ、おっぱい、TENGA、パンチラ、おっぱい…と無限にエロ描写が続く。ヒロインから端役までみんなおっぱい丸出しなのだ。それが結果としてもうどうでもよくなるくらい笑えて、見た後にいい意味で何も残らない作品に繋がっている。ナンセンスなギャグコメディーは媒体問わずそれなりに見たり読んだりしてきたつもりだが、頂点と言って良いのではないのだろうか。こういうのめちゃくちゃ嫌う人や苦手な人もいるだろうけど、俺はもう最高に好きでした。話としての整合性とかはドラマ版の方が数百手くらい上(それでも大概だけど)、それを投げ捨てた分映画版はエンターテインメントとして昇華されてるのではないだろうか。

あと映画の舞台になっている「豊橋市」描写。ここでちょっとしたカミングアウトだが、実はこのブログの筆者は豊橋市在住である。永遠と自分の今住んでいる場所がエロまみれになっている様を2時間見続けるのだ。もうね、腹抱えて笑うでしょそりゃあって感じなんですよね。豊橋市のマスコットキャラクターである「トヨッキー」を何度となく(それもさした意味も無く)カットインさせたり、すぐそばには市役所や警察署もある公会堂の前で「エロデモ」が開催されるシーンがあったり。何より自分がいつも使っている自転車置き場のすぐ傍を主人公の嘉郎や、浅見教授役の僕の大好きな安田顕がいたりするのを見るだけで最高に楽しい映画なのである。ぶっちゃけこれ半分インサイダー的ではあるんですが…笑

 

結論。「ナンセンスギャグコメディーとしては最高傑作。池田エライザスゴイ。豊橋市民は特に見てほしい」かなぁ。是非。