サザンオールスターズ「TSUNAMI」は何故人々の琴線に触れたのか ~「過去への追想」と「緩急」、そして「ワビサビ」~

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サザンオールスターズTSUNAMI」。この曲のデータとか、記録とか、偉業とか、そういうものは他の媒体が嫌という程語っているだろうから敢えて僕が何か書くことはしないけど、とにかく歴史的な記録を打ち立てた楽曲なのは言うまでもない。「国民的」という冠が似合う、数少ない楽曲の1つだろう。

この曲がヒットした背景には、「大ヒット番組とのタイアップ」という極めて商業的な要素があることは事実だが、それにしても歴代1位の座を16年も譲らなかったのは、この曲ならではの持ち味があったからだろう。

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旅行記@2016/08/19-20 ~サザン所縁の地を回る湘南観光の旅~

半年前の夏、僕は東海道新幹線に乗って品川駅を目指していました。2015年の夏、サザンオールスターズ武道館公演に参加して以来、3か月くらいの周期で東京に行くことが僕の決まりのようになっていました。元々横浜に住んでいたこともあって、あの辺の文化やら雰囲気が結構、いや、かなり好きなのです。とはいえ今住んでる街に引っ越して来て以来はなかなかあっちの方面には行けずじまいだったのですが。で、武道館公演に行ったときに「意外と行けるもんだな」ということに気付き、それ以来ライブの東京遠征をよくしていました。15年末に福山雅治、16年春にBase Ball Bearといった感じで。その度に東京に住んでいる同級生を引っ張りまわしてはいたのですが、「たまには用事のついでじゃなくて真っ当に遊びに行こう」と思い、湘南旅行を計画したんです。その模様を思い出しながら書いていこうと思います。

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Base Ball Bear「二十九歳」と「普通」の正体

 はじめに

これから読んでいただく記事は当ブログ「私の好きな音楽〜Base Ball Bear編〜」及び「「呪い(のろい)」と「呪い(まじない)」【Base Ball Bear「二十九歳」】」を「rockin'on presents 第3回 音楽文 ONGAKU-BUN 大賞」への応募用に再編集したものです。結果は落選となりましたが、この「音楽に関する文章の執筆」を通して「自分の在り方」をも考えることが出来ました。上記事を読まれた方は繰り返しになってしまうかもしれませんが、よければお付き合いください。

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書店員ふじもとが選ぶ個人的ベストコミック2016  

タイトルの通りです。2月も半ばで今さら2016年の振り返りをする時点でお察しではありますが、たまには音楽だけではなく漫画についても語ってみたいなと思います。

選考のルールとして、初巻(1巻)が2016年内に発行されたもののみ選びました。明確な順位があるわけではなく、出てくる順番は基本的に気分です。

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「やんごとなき世界」打首獄門同好会 ~変化する音、回り続ける生活~

 打首獄門同好会は一貫して「生活密着型ラウドロック」という独自の音楽を鳴らし続けてきたバンドである。代表曲「日本の米は世界一」では日本人の米への愛を、「フローネル」では睡眠と風呂への愛を、「88」では四国八十八か所巡りを通して「水曜どうでしょう」への愛を歌ってきたバンドである。立ち止まることなく過ぎ続ける日々という名の生活、そしてその生活に否応なく根付く愛を、ラウドロックというハードロックでもヘヴィメタルでもない日本ならではのサウンドに乗せる。それこそが彼らの提唱する「生活密着型ラウドロック」である。

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キングコング西野さんの「絵本無料公開」は日本中の書店を潰す

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 キングコング西野さん。お笑い芸人という肩書を捨てて、今は絵本作家として働きつつも色々な活動で人々を驚かせ続けてる「スーパー作家さん」です。

えんとつ町のプペル

えんとつ町のプペル

 

彼の描いた「えんとつ町のプペル」は23万部の大ヒット。絵本でこの売上は相当のヒットです。間違いなく近年でも「大ヒット」の部類に入るような作品です。私はとある地方にあるそれなりに大きな書店で働いています。私の働く店にも「えんとつ町のプペル」は沢山入荷しました。平積みにしてレジの前に置いておく程度には、沢山売れると期待して入荷しているのでしょう。

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大雪とココアと栞のテーマ

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 Twitterだったり、ブログでも何度か書いた話にはなるのですが、折角の機会なので改めてキチンと書き留めておきたくて講義中にコソコソ書いています。ちょっとした思い出話です。青春時代の青春時代らしい良い思い出が少ない僕にとって、唯一と言っていいくらい甘酸っぱい思い出の話です。よければお付き合い下さい。

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